ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

聖書研究 福音派版コミュのヘブル語 ワードスタディー ydh(賛美・感謝・告白)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
יָדָה

1. 序
 本研究レポートでは、賛美・告白・感謝などと訳されるヘブル語ydhを取り上げ、BDBの分類を参考にしつつ、独自の分類をしてレポートする。

2. 語源と用例
 ヘブル語は別として、ydhの語根はアラム語とアラビア語にだけ発見る。主要な意味としては”告白”であり、動詞は100個、名詞(toda)は30個として旧約聖書にでてくる。また、個人的な名前としてはホダブヤがある。(?歴代誌3:24; 5:24; 9:7; エズラ 2:40;)(TDOT)
 語根の主要な意味は「罪や、神の性質と御業、あるいは人の性質を認めること、あるいは、告白することである。(TWOT)

3. BDBの分類
hd;y: [ hd;y: ]  vb. throw, cast
Qal la, WdyÒ (弓を)撃つ. {エレミヤ50:14}
Pi. 投入 (投石). {哀歌3:53、ゼカリヤ2:4}s
Hiph. {?列王記8:3,詩篇75:2,ネヘミヤ11:17, 詩篇6:6,28:7,42:6,12; 43:5; 99:3, 44:18, 49:19, イザヤ12:4, 詩篇107:1,?歴代誌25:3, エズラ3:11, ?歴代誌16:7,箴言28:13, ?歴代誌29:13}
1. 感謝する, ほめたたえる, 賛美;
a. c.直接目的語.
(1) 人を, ユダ 創世記49:8 (名による詩的祈り);ヨブ40:14(皮肉的に); 王 詩篇45:18; 富みに恵まれた 詩篇49:19;
(2) 主(YHWH)を ;創世記29:35; 儀式的な礼拝の場以外で. {イザヤ 25:1;詩篇44:9; 54:8; 99:3; 138:2; 142:7; 89:6; 7:17; 9:2; 109:30; 111:1; 118:19; 30:10, 13; 35:18; 43:4; 52:11; 67:4(×2), 6(×2); 71:22; 76:11; 88:11; 118:21, 28; 119:7; 138:1; 139:14 イザヤ 38:18, 19 ; 詩篇42:6, 12; 43:5; 28:7 ?サムエル 22:50 =詩篇18:50 = 108:4, イザヤ 12:1 ; 詩篇57:10; 86:12, 比較. 138:4; 145:10. }
b. lを伴って] , 儀式的な礼拝の場で. {詩篇106:47 = ?歴代誌16:35, 詩篇122:4; 140:14; 30:5; 97:12; ?歴代誌16:4, 7, 41; 23:30; 25:3 ?歴代誌5:13; 7:6; 20:22 詩篇33:2; 92:2; 105:1 = 1 Ch 16:8 = イザヤ 12:4; 詩篇106:1; 107:1; 118:1, 29; 136:1 ?歴代誌16:34; so エレミヤ33:11 cf. ?歴代誌7:3 エズラ 3:11; 詩篇107:8, 15, 21, 31; ネヘミヤ 12:46詩篇136:1; v 3; v 26; 6:6; 79:13; 119:62; 100:4; + 75:2(×2) ?歴代誌29:13; abs. ?歴代誌31:2 ネヘミヤ 11:17; 12:24 }

2. 告白confess ,
a. 神の御名the name of God. { ?列王記8:33, 35 = ?歴代誌 6:24, 26 }
b. 告白と放棄(彼の罪を)confessing and forsaking (his transgressions). {詩篇 32:5 箴言 28:13 }

Hithp. { レビ記 5:5; 16:21; 26:40 ネヘミヤ 5:7; Impf. i s. ダニエル9:4; pl. ネヘミヤ 9:2; Inf. sf. エズラ 10:1; Pt. ネヘミヤ 1:6 ダニエル 9:20; pl. ?歴代誌 30:22 ネヘミヤ 9:3; }
1. 告白 confess , abs.{ エズラ 10:1 ネヘミヤ 9:3 ダニエル 9:4 }; c.acc. { レビ記 16:21 (P), 26:40 (H); 民数記5:7 (P), ダニエル 9:20; レビ記 5:5 (P); ネヘミヤ 1:6; 9:2. }
2. 感謝を捧げるgive thanks , hwhyl , 儀式的な場において. { ?歴代誌 30:22. }

☆ BDBの分類に対する所感
BDBの分類において特徴的なのは、ydhが儀礼的な場面で使われたか、使われなかったかという分類である。しかし、旧約物語文に対するこれらの分類は文脈上可能であるが、詩篇などにあるその背景を完全固定できないものについては断定することは恐らくできないであろう。

4. 個人的分類
☆ 分類の仕方 (参照 list.doc)
1) 旧約聖書におけるydhを用いている箇所を一覧する。
2)  箇所に対して口語訳、新改訳、新共同訳、NKJ、NIVの訳を確認し、意味的相違がある場合はそれぞれを抽出する。{「ほめたたえる」と「たたえる」などの表現の違いは取り上げない。英語は基本的にpraiseを「ほめたたえる」、confessを「告白」、thanks(giving)を「感謝」としている。}
3) 各該当聖書箇所に対して、「誰が」「何を」「何に」ydhしているのか文脈上から分析、また、ydhをしている「理由」や「どのような表現・環境」でなされているかも文脈上から分析する。(明確でないもの、明示されていないものは空欄のままにしている。)
4) 分析中気づいたことをその他の欄にメモする。

☆ 一覧に対する分類
1) 弓を撃つ
2) 石を投げつける (敵が、角が)
3) 感謝・賛美・告白
(ア) 人に対して (王、富みに恵まれた人、ユダ、ヨブ)
(イ) 神・主・御名・主のまことに対して
? 誰が (私{主を信じる者}、イスラエル、イザヤ、レア、国々の民、人の憤り{怒り猛者}、エドトン、歌歌い、贖われた者、主の部族、レビ人、楽器演奏者、聖徒たち、すべての造られた者、地のすべての王、ヒゼキヤ、アサフの子ら、マダヌヤ、全地、天、生きている者、正しい者)
‘? ydhしない者(死人、亡霊、ちり、よみにある者)
⇒ 特徴的なのはydhをする権利は生者にあるということである。また、選ばれた者という狭義的な者から被造物という広義的な者もいるが、ydhは主に属する者がする。

? なぜ (既に主がなされている御業のゆえに、ご性質のゆえに、 主がこれからなされる救いの御業を覚えて)
 ⇒ 御業は、救い、贖い、裁き、創造 など、ご性質は偉大さ、永遠さ、聖さなどが主な対象である。また、詩篇などはこれから(将来)主に御業をなして頂きたいという文脈でydhしている箇所が多く、逆にydhするために御業をなしてくださいという箇所も多い。ydhは主がなされた御業の結果のみではなく、信仰によってなすもののようである。

? どのように (「ハレルヤ」を伴って、「主はいつくしみ深く、その恵みはとこしえまで」(類語を含む)を伴って、おそれを持って、賛美しながら、神の栄光を告白しながら、楽器を用いて、国々の民や敵対する会衆の前・中で、聖なる所{山、神殿、宮}に向かって、生贄を伴って、聖徒の集まりの中で、祈りによって、直ぐな心で、心を尽くして、名前を付けることで、ydhのために選ばれた者(レビ人)を用いて、感謝をもって)
 ⇒ 特徴的なのは「主はいつくしみ深く、その恵みはとこしえまで」(類語を含む)を伴ってのydhであるが、その訳はどれも一定ではない。感謝になったり、ほめたたえる(賛美)になったり、告白になったりしている。日本語においては感謝・賛美・告白は違いを意識しやすいが、ydhはこの三つを常に同時に含んでいる言葉のようであり、感謝・賛美・告白という訳は賛美的な意味合いでydhが使われている箇所では相互交換可能であると思われる。
さらに注意深いのは感謝や賛美という点では主に向かってydhはなされるが、告白は主のみならず、国々の民、敵対する民などにも意識が向けられている主の栄光を宣言しているようにydhしているようである。
また、賛美的にydhする場合は殆どの場合は賛美や楽器、口からの告白などの実際の動きが伴っており、心の中だけのydhはなさそうである。(主の栄光を表す存在である被造物がydhしたのを表現しないで心の中だけに留めるということは考えられないのかもしれない。)

4) 主に悔い改めの告白
(ア) 誰が (アロン、ヒゼキヤ、ダニエル、エズラ、ネヘミヤ、イスラエル、罪人)
(イ) 何を (罪、先祖の咎)

5) 認める (ヨブ40:14、詩篇76:11)
文脈的に「告白」を認めるという意味で理解することも可能に思われる箇所。
 
5. 結論
 もし、旧約聖書におけるydhを一つの訳に絞るのであれば、語源の通り「告白(宣言)」という言葉に訳すことが可能と思われる。ydhは主への罪の告白であり、主のご性質の告白であり、主の御業の告白であり、主への信頼の告白であり、主への感謝の告白である。ydhは主と世の国々に向かっての自分と神との関係を告白するもののようである

参考文献
1) Brown-Driver-Briggs-Genesis Hebrew-English Lexicon (1905),
2) Theological Dictionary Of The Old Testament ?, G.Johannes Botterweck, Helmer Ringgren, EERDMANS  (TDOT)
3) New International Dictionary of Old Testament Theology & Exegesis Volume 2, Willem A. VanGemeren General Editor
4) Harris, R. L., Harris, R. L., Archer, G. L., & Waltke, B. K. 1999, c1980. Theological Wordbook of the Old Testament (electronic ed.) . Moody Press: Chicago

------------------------------------
途中に出てくるlist.docは
http://olive-mission.jpn.org/list.doc にあります。
見てみたい方はどうぞ。
------------------------------------

コメント(1)

主を心で信じ、口で告白することが、公の賛美であり、救いにつながる行為だということを、上記のワードスタディで確認させて頂いたような気持ちがします。
学術的な分析に対して、アバウトな感想ですみません。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

聖書研究 福音派版 更新情報

聖書研究 福音派版のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング