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聖書研究 福音派版コミュの詩篇19

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詩篇19

1. 序論
 私たちは今、相対的基準の中に生きています。特に日本においては絶対的基準を嫌い、唯一の神を信じるキリスト教の信仰はなかなか受け入れられない人々の中にいます。しかし、神道に代表される自然崇拝的信仰は受け入れられ、尊ばれてきました。
 聖書においてイスラエルもまた現在の私たちクリスチャンがいる状況と同じような状況にいたようです。

2. 文脈
・ 天(自然)は神の栄光を宣言する 1-6
特に4-6までで異教の神として崇められていた太陽を取り上げているところにこの詩篇を理解する鍵がある。
太陽:シャマッシュという異教の太陽神の象徴であり、この詩篇に表現されている花婿、勇士、などもこのシャマシュを表現するのに用いられていた。
1-3で天が神の栄光を知らせる。と述べたのちに、創造主である神が太陽のための幕屋(宮殿ではない・・・恐らく夜のこと)を定められ、それゆえ太陽が花婿のように、勇士のように歩めると述べている。
異教徒が神として崇めている太陽もまた創造主なる真の神の栄光を現しているものの一つに過ぎないことが示唆されている。
(1-6で神(エロヒム)と表現しているのは太陽をも造られた、創造主を意識しているため)

・ 主の教え(戒め)は完全である 7-14
A 主の教えの素晴らしさ(称賛)7-11
B 主の赦しと導きを求める祈り 12-14


3. 解釈
・ 「主」
ここから神の表現が神(エロヒム)ではなく、主(YHWH)に変わる。それは創造主ではなく、イスラエルの神、選びの民に律法を与え、天(自然)が現す以上の素晴らしい教えを特別に授けられた主が意識されている。
神から主への呼び方の変化によって、この主から与えられた律法がそれは太陽を神とする異教徒では知りえない特別に素晴らしいものである。ということが強く意識されている。
確かに神によって選び出され救われた私たちが主の教えとして受け取るこの聖書のことばは特別である。自然は確かに神の偉大さ、創造の素晴らしさを語るが、聖書が伝える更に深い神のメッセージを知ることはできない。私たちが聖書を神のことばとして受け取ることができるということ自体が、私たちの主からの特別な恵みなのである。

主の教えの素晴らしさ
 教えの4つの素晴らしさ 7-8
 詩独特の文学的表現でもあるから明確に区別するのは難しいが、一つ一つとりあげてみる。
 「みおしえ」「あかし」「戒め」「仰せ」・・・恐らくどれも同じ意味合い主から与えられた教え・律法のことである。これらは「完全」「確か」「正しい」「きよい」言い換えるとすると「傷の無い」「信頼できる」「曲がったものが何も無い」「明るい」ものである。主の教えの確かさ、真実性を4つの表現の中で現している。

 「たましいを生き返らせ」:
死んだ魂が復活させられるという意味合いと共に、活力を失った魂がもう一度力を得るという意味にも取れる。主のみおしえ、御言葉によって私たちは罪に死んでいた魂をもう復活させてくださる。また、クリスチャンとして主を信じた後であっても信仰が落ち込んでしまうこともあるが、そのような場合でも御言葉によって私たちはもう一度力を得ることができるのである。

 「わきまえのない者を賢くする」:
英語では「making wise the simple」となっている。ヘブル語でも同じ言葉がつかわれている、箴言14:15では『わきまえのない者は何でも言われたことを信じ、利口な者は自分の歩みをわきまえる。』となっている。「わきまえのない者」とは誤った教えを本当に正しいかどうかを確認せずに単純に受け入れてしまうような者のことである。
しかし、主の教えは誤った教えに対して盲信することをやめさせ、正しい知恵を与えてわきまえさせるものである。
私たちはこの主の教えを基準とすることでカルト的カリスマ性のある人物に対する盲信を避けて歩むことができるのである。

 「人の心を喜ばせる」:
主の教えはただあれをしなさい。これをしてはいけない。というのに留まらず、人の心に喜びを与え、その人の人生を充足させるものである。
わたしたちはしなければいけないという強迫観念だけで信仰生活をするのではなく、御言葉から与えられる喜びによって自発的に主の教えに従うことができるのである。

 「人の目を明るくする」:
やはり、5-6の太陽の光を意識していると思われる。異教徒が神としてあがめている太陽もその熱を受けない者がいないほど世界のすみずみを照らすが、真に人の目を明るくしてその歩むべき道を照らすのは主の教えである。

主の教えはきよい (9節)
 「主への恐れはきよく」:
「主への恐れ」とは、詩篇111:10に『主を恐れることは、知恵の初め。これを行なう人はみな、良い明察を得る。主の誉れは永遠に堅く立つ』とあるように、主の教えと同じ意味である。
「きよく」とは、8節の「きよく」とは意味が違い、異教の非道徳と対比したきよさである。
私たちが主を恐れ、その教えに従うとき、誤った教えから守られ、本当のきよさの中に保たれるのである。

 報いは大きい
「報いは大きい」:(11節)
主のしもべとなる(11節前半)ということは、その教えを従う者となるということであり、従うときに7-8で語られたような素晴らしい恵みを教授することができる。その恵みは報いとして10節で比較されるように、人がこの世によって求める物質的報酬よりはるかに優ったものである。
特に現代においてはお金至上主義がはびこる中で私たちは、主の教えこそお金よりさらに豊かな報いを与えるものだということを心に留める必要がある。

私たちの内側に潜む偶像
 「だれが自分の数々のあやまちを悟ることができましょう。」:12節
私たちは律法・主の教えによって正しい道を知ることができる。そして、その道に従う報いは大きい。しかし、それにも関わらず、無知ゆえに主の教えから離れて罪を犯してしまう弱さを人は持っている。ゆえに、レビ記4:1には律法として無意識に罪を犯してしまうことに対する規定も述べられているのである。

  「傲慢の罪」「大きな罪」:13節
言い換えると、「でしゃばり」「横柄な者」「嘲笑する者」である。真の神を認めず、主の教えを軽んじて、その教えの前に謙らないものは、その者自身の中に偶像を作り上げる。
「大きな罪」とは、偶像礼拝のことである。出エジプト32:21などで金の子牛を作り上げこれに礼拝したとき、同じ「大きな罪」と表現している。
偶像礼拝、主が最も嫌われる大きな罪は、異教の神を信仰することに留まらない。神を軽んじ、その教えに聞き従わず、神に頼らず、自らの力・理性にのみ頼んで生きようとするとき、その歩みもまた、自分という偶像を礼拝する大きな罪を犯してしまうのである。
だからこそ、無知の罪、傲慢の罪に陥らないようにと神の守りを祈り求める必要が私たちにはある。

詩篇19篇全体の意味

詩篇19篇全体の流れとしては、1-6が自然を取り上げて自分の外のものを上げているのに対して、12-14は自分の内側に目を向けている。そして、その橋渡し的場所に7-11の「主のみおしえ」についての記載がある。「主のみおしえ」、聖書の御言葉に触れるとき、私たちは自然と外から内へと向けさせられ、主へより頼む信仰へと導かれていくのである。

「主のみおしえ」は、太陽神に見られる外にある偶像、傲慢にみられる内側にある偶像の支配から守り導き、私たちを堅く立たせる。


4. 結論
 律法と聞くとキリスト教徒はそれに捕らわれず、律法はもう過ぎ去った過去のものだとしてしまいがちであるが、主なるイエス様は律法を成就するために来られ、そのために教え、そのために十字架に掛かられた。(マタイ5:17)
私たちの周りに太陽神信仰などはそうそう見当たらないが、権威主義からでたカルト的異端や新興宗教は至るところにあり、私たちの内側にはヒューマニズムに感化された人の理性至上主義や個人主義による傲慢がある。
しかし、主の教えこそ、私たちの魂を生き返らせ、偽りに対する盲信を避けてわきまえを与え、喜びで満たし、生きる道を明るく照らす、誤った教えからの守りの岩であり、神を無視し傲慢になり罪を犯すの避けさせ、正しい道を示す真の光である。
だからこそ、この聖書の御言葉は新約聖書・旧約聖書共に私たちが神のことばとして従っていくものであり、この御言葉はお金が全ての価値を定義するような現在にあっても、お金よりもっと好ましく、お金よりも本当の意味で人生を最良の道へと決定付けるものと言えるのである。
それはこの聖書の教えを下さった主こそ、贖い主であり、この方を信じる私たちを砂の上ではなく、岩の上に家を建てた者として堅く立たせてくださる岩だからである。

参考文献
・ 新聖書注解 いのちのことば社
・ Craigie, P. C. 1998. Vol. 19: Word Biblical Commentary : Psalms 1-50 (electronic ed.). Logos Library System; Word Biblical Commentary. Word, Incorporated: Dallas
・ 深く淵より、B.W.アンダーソン著、中村健三訳、新教出版社
・ Expositor’s Bible Commentary Old Testament, Frank E.Gaebelein, Zondervan
・ The New Century Bible Commentary Psalms(1-72), A.A.Anderson

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