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印象派の集いコミュのモーリス・ユトリロの絵?〜その生涯

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最近、熱海のMOA美術館や三鷹美術ギャラリーなどで、
作品展が行われました。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

彼の画家としての評価を決定付けたのは、
「白の時代」(1910〜1914年)の僅か数年である。

白の絵の具に、漆喰、チョーク、セメントをまぜ合わせ、
独特の白壁の色を表現したのも、この僅かな時間である。

この頃のユトリロは、安い赤ワインに溺れ、
精神病院の入退院を繰り返していた時期でもある。

彼はシュザンヌ・ヴァラドン(モデル、画家)の息子
として生まれた。
奔放な母は、ルノアール、ドガ、ロートレックのモデルを
務めながら、愛人関係でもあったようだ。

ユトリロの父親は不明である。
一説では、ルノアールの子供とも言われているが、定かでは
ない。
ミゲル・ウトリーリョ・イ・モラリウス(スペイン貴族、
画家、文芸批評家)が認知をしたことで、戸籍上の父親
を持つことが出来た。

母親から半ば捨てられたような生活から、
中学生の頃から酒浸りの日々を送る。

周りからは1リットル単位で赤ワインを飲むことから、
「リトリロ」と呼ばれた。
アルコール依存症のため奇癖も多く、
街中で突然人を罵倒し、妊婦を見ると髪を引張ったり、
腹を蹴ろうとしたそうだ。

そもそも彼が絵を書き始めたのも、アルコール依存症
の治療のためである。
彼は誰からも絵を教わることなく、全くの独学で画家
になったが、母親はそんな彼の絵に興味を示すことは
なかったと言う。

世間で彼の絵が評判になると、彼は「金のなる木」と
して、家族から搾取されることになる。

母シュザンヌは、ユトリロより1歳年下の画家ユッテル
と再婚する。

ユッテルは、ユトリロの才能を評価していた訳では
なかったが、徹底的なマネージャー振りで、彼に絵を描か
せた。

シュザンヌとユッテルは、彼の絵を売った代金で、
豪華な生活を続けた。
ユッテルは、運転手付きの高級車まで購入したそうだ。
彼自身はアルコール依存症と言う理由で、鉄格子の嵌った
部屋に閉じ込められ、只管絵を描き続けたと言う。


彼が結婚したのは、1935年の時だった。
相手は、リュシー・ヴァロール(ベルギー銀行家の未亡人)。
彼女もまた、徹底したマネージャー振りで、彼を管理する
ことになる。
彼は結婚後、水で薄めた赤ワインしか飲むことはなかった。
彼ら二人の住居は、「愛しのリュシー」と呼ばれたが、
何とも皮肉めいて聞こえる。


彼は最後まで、母を愛し続けた。
彼にとって母は、絶対の存在であり続けた。
彼は、母を絶対視するあまり、その他の女性を強く嫌悪
するところがあった。
ある専門家は、「母以外のあらゆる女性のイメージを
貶めようと仕向けた偏ったエディプスコンプレックス」
と語っている。

彼は晩年、勲章を得て、映画にも出演し、巨匠として
その人生を閉じるのだが、彼がそれを幸福に思ったかは
わからない。

彼にとって勲章など、赤ワイン一杯の値打ちもなかった
かもしれない。

彼は「唯愛されたい。」と願い続けたのだが、
その願いだけは、叶わなかった。

普遍的価値をもつ作品を描くのに、
自らを焼き尽くさないといけないのなら、
画家とは何と不幸な職業だろう。

「白の時代」の作品には、人物がほとんど描かれない。
空虚なパリの街角に、寂寥感が込み上げてくる。

ユトリロのサインの隣には「V」の文字。
母と繋がりを必死に求めた彼の思いを感じることができた。



※エディプスコンプレックスとは…
 自分の父を殺し母と結婚したギリシャ悲劇のエディプス王の
 名をとり、S.フロイトによって名づけられた精神分析学の
 基本概念。男の子の母親への思慕、同性の父親に対する反
 感、そうしたことに対する罪悪感などにより形成される感
 情。

 個人的な感想ですが、彼は母を絶対視するあまり、自分が
 捨て置かれた怒りと悲しみを、母以外の女性にぶつけるし
 かなかったのもしれません。少なくとも異性に対して、か
 なり屈折したコンプレックスを抱いていたことは容易に想
 像ができます。(一説にはカフェの女給に馬鹿にされたこ
 とから、女性を嫌悪していたとも言われています。)

コメント(6)

孤独感が「白の時代」を創ってそれが画家としての評価をうけるいうユトリロにすれば皮肉なものですよね。
もう何年も前にはとっても好きで、でももう、しばらくは
離れていましたが、このトピを見て、やはり惹かれました。

続きを楽しみにしています。
高校生のころ、ユトリロ展に行きました。
初期から晩年までの展示をみて、絵画を見て初めて涙が出た事を覚えています。
それから、ユトリロが好きになりました。

続き、待ってます。
同じく京都で展覧会行きました。

稀有な人生をたどった人なんですね。

写生じゃなく、写真を見て描いた絵が多くあるって知って
驚きました。

色とかタッチがなんか好きです。
遅くなりましたが、文章が完成しました。
皆さんの感想をお待ちしています。

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