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コメント(6)
Cray、読んでみました。
私が思ったのは、
「土くれ」のマライアと「ユリシーズ１章」のミルク売りの老婆との共通点。アイルランド独立運動復興家たちへの皮肉です。
似ていると思う理由は
●貧しい年配の女性
●紅茶とミルクのお茶の場面
●前者ではネルソン塔、後者ではマーテロ塔
（イギリスに支配されたアイルランドの象徴として）
ジョイスは、アイルランド人の無気力さを指摘するために
ダブリン市民を書いたといわれていますが、イェッツなどがおこなった芸術復興運動は冷ややかに見ています。
老婆のモデルは、イェッツが民話を元にして書いた戯曲の登場人物だと思いますが、老婆はアイルランドそのものの化身であるともいえます。
その老婆に（マライアは、老婆というほど年老いていないと思いますが）死をあらわす土を掴ませる場面は、とても皮肉に感じます。
復興運動は盛り上がりをみせて、その後アイルランドは独立してゆくのですから、なぜジョイスがゲ−ル語の復興などを含めた民族運動に反発するのか、今のわたしでは彼の気持ちを読みとることはできませんでした。
（ちなみに今日は、ジョイスの誕生日♪おめでとうです）
私が思ったのは、
「土くれ」のマライアと「ユリシーズ１章」のミルク売りの老婆との共通点。アイルランド独立運動復興家たちへの皮肉です。
似ていると思う理由は
●貧しい年配の女性
●紅茶とミルクのお茶の場面
●前者ではネルソン塔、後者ではマーテロ塔
（イギリスに支配されたアイルランドの象徴として）
ジョイスは、アイルランド人の無気力さを指摘するために
ダブリン市民を書いたといわれていますが、イェッツなどがおこなった芸術復興運動は冷ややかに見ています。
老婆のモデルは、イェッツが民話を元にして書いた戯曲の登場人物だと思いますが、老婆はアイルランドそのものの化身であるともいえます。
その老婆に（マライアは、老婆というほど年老いていないと思いますが）死をあらわす土を掴ませる場面は、とても皮肉に感じます。
復興運動は盛り上がりをみせて、その後アイルランドは独立してゆくのですから、なぜジョイスがゲ−ル語の復興などを含めた民族運動に反発するのか、今のわたしでは彼の気持ちを読みとることはできませんでした。
（ちなみに今日は、ジョイスの誕生日♪おめでとうです）
「土くれ」の感想。
この短篇は、感情やセリフの描写がほとんどで、物や場景はほとんど名前くらいしか出なくて大雑把です。
ジョイスが綿密に拡大して書いた登場人物達の感情は、よく言えば小さな幸福を大切にしていて、悪く言えばとても閉塞的。
こういうところに、きっとジョイスは強い息苦しさを感じたのだろうと思いました。
作中には自分の意識を全く出さずに、描写のみによって読者に雰囲気をきちんと伝えるところに、作品としての完成度の高さを感じました。
社会的背景は小説の重要な要素ですが、私は小説中の人物やものを何かの象徴として考えるのは苦手です。
なので、ポンフェイさんの研究家的な考察を、興味深く読みました。
復興運動を支持しなかったのは、それがジョイスの生き方に反していたからでしょう。
彼自身は、自身の言語や文化に固執することなく、世界に向けて新たな文化を創造することによって、アイルランドを世界に広めたわけですから。
たぶん、アイルランドにも、守りではなくて攻めの姿勢で変わって欲しかったんだと思います。
政治や文化でパワーを持てば、言語は自然と広まるし、そうでない場合には、どんなに守ろうとしてもそれは時代の流れと逆行することになって、上手くいかないものですからね。
この短篇は、感情やセリフの描写がほとんどで、物や場景はほとんど名前くらいしか出なくて大雑把です。
ジョイスが綿密に拡大して書いた登場人物達の感情は、よく言えば小さな幸福を大切にしていて、悪く言えばとても閉塞的。
こういうところに、きっとジョイスは強い息苦しさを感じたのだろうと思いました。
作中には自分の意識を全く出さずに、描写のみによって読者に雰囲気をきちんと伝えるところに、作品としての完成度の高さを感じました。
社会的背景は小説の重要な要素ですが、私は小説中の人物やものを何かの象徴として考えるのは苦手です。
なので、ポンフェイさんの研究家的な考察を、興味深く読みました。
復興運動を支持しなかったのは、それがジョイスの生き方に反していたからでしょう。
彼自身は、自身の言語や文化に固執することなく、世界に向けて新たな文化を創造することによって、アイルランドを世界に広めたわけですから。
たぶん、アイルランドにも、守りではなくて攻めの姿勢で変わって欲しかったんだと思います。
政治や文化でパワーを持てば、言語は自然と広まるし、そうでない場合には、どんなに守ろうとしてもそれは時代の流れと逆行することになって、上手くいかないものですからね。
Clay – The old maid Maria, a laundress, celebrates Halloween with her former foster child Joe Donnelly and his family.
この短編集の中でも、もっとも「ヤマなし」「オチなし」感が強い短編か？
マーブルホールに住む夢を見た
家臣や農奴にかしずかれ
その家に集まるすべての人と
それが私の望みと誇り
I dreamt that I dwelt in marble halls,
With vassals and serfs at my side,
And of all who assembled within those walls,
That I was the hope and the pride.
Ｅｎｙａバージョンが好き。
The sound in Enya's version of "Marble Halls" has a characteristically ethereal, dreamy quality to it, with a bit of reverb
http://video.google.com/videosearch?hl=en&q=I%20Dreamt%20I%20Dwelt%20in%20Marble%20Halls#
この短編集の中でも、もっとも「ヤマなし」「オチなし」感が強い短編か？
マーブルホールに住む夢を見た
家臣や農奴にかしずかれ
その家に集まるすべての人と
それが私の望みと誇り
I dreamt that I dwelt in marble halls,
With vassals and serfs at my side,
And of all who assembled within those walls,
That I was the hope and the pride.
Ｅｎｙａバージョンが好き。
The sound in Enya's version of "Marble Halls" has a characteristically ethereal, dreamy quality to it, with a bit of reverb
http://video.google.com/videosearch?hl=en&q=I%20Dreamt%20I%20Dwelt%20in%20Marble%20Halls#
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