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[dir] 動物・獣医療コミュの12/12 転換期を迎えるペットビジネス 命を扱うということの責任

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転換期を迎えるペットビジネス 命を扱うということの責任

WEDGE 12月12日(水)11時40分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121212-00000309-wedge-env


ペット業界でも今の業態を見直す動きが進んでいる。


 仕事をしている中で、ペット関連の経営者の方たちとお話する機会が多くあります。ここ数年続いている国内の不況の影響が例外なくペット業界をも巻き込んでいるようで、

 「いやぁ、もうお店を畳もうと思っているんだ…生体が売れなくなったし…」

 「仕事になんないから子供に継がせることを断念したんだよ、この店も我々でおしまいだね…」

 このようなちょっと哀愁に満ちた話を伺うことが多くなりました。しかし一方で、

 「子供が来年卒業だけど、店を継いでくれることになってね!!」

 「お店が忙しくなったけど経験者が少ないから…いい子いたら紹介してよ!!」

 と希望に満ち溢れたお話も。業界の現状は厳しいとはいえ、まだまだそんなお店も少なくありません。また、

 「今悩んでいるんだよね、業績を上げる為の業態を…変えるべきなんだろうけど…」

 どちらかと言うと前向きなお話ですが、やはり今までとは違う状況に陥っている模様で。

 国内の企業では、どの業界でも同じような動きはあるのでしょうが、ペット業界でも確実に今の業態を見直す動きが進んでいます。

■問題を抱えたペット業界の構造

 さて、もう一度ペット業界の構造を見直してみましょう。

 まず今まで中心となってきた分野が“生体販売”です。

 全てはここが上手くいって業界が伸びると考えられています。“物販”や“サービス”の分野はあくまでも生体販売に比例して伸びると考えられているからです。生産に関しても、効率よく流通を行うために仕入れや流通の中心となる“オークション(市場)”制を取り入れ、市場原理に則した大量販売の方法を編み出しました。

 “物販”での中心は消費財であるフードの分野です。

 飼育の初めから終わりまで必要とされる商品であり、またフードの商品的な成り立ちから、メーカー企業はグローバルな大企業が多く、経営戦略も時間とコストをかけて国内に定着させました。(フードについては第1回 『ラーメンからおせちまで ペットフードビジネスの光と闇』参照 ⇒ http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1795

 ペットの栄養学は、このフードメーカーがもたらした学問の分野と言えるでしょう。

 “サービス”での中心は小動物診療です。

 ペットブームと共に開業医の需要が伸び、家庭動物の臨床における研究も急速に進んできました。医学の発達や技術の進歩により、今では専門医と専門機材を設置したペット専門の高度医療センターや、高度な機器を使った検査専門のセンターなども業種として存在しています。

 記憶している限りここ約20年の間にそれぞれの分野が発展を遂げ、今や一兆円産業と言われる現在のペット産業が築かれました。産業の発展という意味では素晴らしい功績なのだと思います。

 しかし、発展の陰には必ずと言っていいほど問題が付きまといます。外来動物の野生化、ペットの殺処分、パピーミル、悪徳商法、虐待、遺棄など…。今ではこれらの問題を記事にするメディアも増え、社会からも認知され、業界発展の「妨げ」とまでなっています。

 産業としての発展を成し遂げ、ペットを伴侶動物としての社会的な地位にまで押し上げ、かけがえのない家族として生活の場を与えられたペットが普及した現在、この問題を避けたままでは今後の業界の発展は望めないのではないでしょうか?

■命を扱うということの責任

 以前にも書かせて頂きましたが、この産業の中心となる商品は“命”です。しかも、人間が当たり前に持ち合わせる“命は尊く大切なもの”や“家族としての愛情”といった感情自体が資本となる産業です。

 そのため問題が浮き彫りになった時、社会的な影響として大きく跳ね返ってきます。

 例えば生体販売。粗利が大きく、小売店でも売上の中心となる分野です。流通方法や悪質な繁殖者の問題が公になり、最近は売上が伸び悩み傾向にあるようです。問題を解決回避し、売上の中心を生体販売からシフトする方法はないのでしょうか?

 例えばフード。原材料の質や添加物に対する問題が公に認識され始めました。また、飼育動物の小型化が進み消費量が減少しています。問題回避に対して小回りが利きにくい体質もあるようですが、消費者が安心して購入できる商品作りの方法はないのでしょうか?

 例えば小動物の臨床医。社会的な制度の不備もありますが、共通のサービスや専門的な治療を受けられないことや、増えすぎた同業者同士での医薬品などのダンピング競争が問題視されています。医療と業種の資質に関わる問題です。業界唯一の公的資格を持つ専門職のサービスを、もっと有効に活用できる方法はないのでしょうか?

 詳しくは次回以降触れていきますが、現在様々な分野で、この難題を解決するべく動いている方たちが多く見受けられます。

 命を扱う産業に携わるものとして、襟を正して考えるべき時に来ているのだと感じます。

■飼い主の気持ちは障害にも追い風にもなる

 今年の年末は、久しぶりに国政選挙が行われます。色んな問題をそっちのけで、国を動かす方たちの縄張り争いの模様が連日報道されています。面白いのは、各党共通して民意を票に結びつけようと、細かな画策をしている点です。

 以前ほど各党独自の制作や発言に勢いがなくなったようで、国民が目を向けやすい問題をまとめて提示しているだけのようにも見えてしまいます。それだけ今の国内では“民意”が大きな動きを進めるために重要となってきているのだと感じます。

 産業も同じなのではないでしょうか?

 命を扱う以上、飼い主の感情は大きな波となって障害にも追い風にもなるのだと思います。

 ペットに対しての社会的制度は、現在の日本ではまだまだ足りないものだらけだと感じます。愛玩動物の福祉に関わる唯一の法律である(はず)の動物愛護法の中身も、ペット先進国である欧米のそれとは比べ物にならないほど内容が希薄なままです。

 企業でも、社会的・人道的な面を重視してばかりでは現実的に「勝ち組」となれないことは、他の産業も同じなのかもしれません。しかし、今の社会的な風潮として、命に優しいことが何よりも求められていると感じています。

 ペット業界を取り巻く社会的な制度や法律について、基礎となる決めごとやモラルは業界が主導で進めることはできるはずです。もちろん、その際は「命を大切に扱う」という民意を基に、つまらない大人の事情はなるべく少なく、が原則ですが…。

 様々な理由で業界は良い方向へと転換しなくてはならない時期に来ています。次回からは今行われている転換の試みを具体的な例や問題点などをまじえて個別に考えていきたいと思います。

 「民意」は私の所に届けて頂くこともやぶさかではありません……念の為…。


著者:成田 司
ブリーダー、ペットショップ、ドッグカフェなどに勤務し、ペット業界を幅広く知り尽くす。現在は日本版ティアハイム(保護施設)建設を目指すGiraf Project(http://somode.info/giraf/)を主催。

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