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みんなにやさしい自作小説コミュの* 銀河商人 宇宙の旅 外伝2(原本)

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* 銀河商人 宇宙の旅 外伝 2(原本)

−銀河商人 宇宙の旅 外伝 1をまず先に読んでください。

「謝の憂鬱な1日」
原案:社野 良可一
脚本:メジロシンドウ
演出:社野 良可一
 タイプ打ち:社野 良可一


 ある日、謝は古くなった船を買い換えにいった。最近は新型がずいぶんと
生産過多ぎみである。これも技術の進歩の賜物であろう。

 謝はかつて香港黒社会を席捲した一族の末裔である。
 その謝は今も香港にいる。そしてオフィスから一路、日立造船舞鶴へ
向かった。
 舞鶴の港には艤装中の宇宙船が多数浮んでいる。この宇宙時代においても、
造船は水の上で行なうのが日本の伝統らしい。

 謝はそのうちの一隻に目をつけた。
「うむ、なかなかいいデザインだ。中を見せてもらおう。」
と謝が思った時、どこかで見たような、そうっ、指名手配写真で見た事ある
ような顔が飛込んできた。

「あいつはっっっ」
 その男は銀河商人であった。銀河商人とは、近頃、宇宙貿易商の間で、
話題の人物である。(原案者註:今回の話は本編よりかなり後の話のよう
である)
 もちろんいい話である訳がない。銀河商人の会社はいわゆる零細企業で、
赤字も多いと聞くが、なぜか潰れない。(原案者註:銀河商人の背後霊は優秀
なのだ。本人の質はともかく...)
 謝にとっての銀河商人は眼中にない。いや、ないはずである。
 しかし、銀河商人は謝の邪魔をよくするのだ。

「おいっ」謝は指を鳴らした。エアカーの中から、サングラスをした黒服の
男二人が出てきた。
「陳、李、あの男を消してこい。」と謝は銀河商人を指差す。
二人は黙したまま銀河商人の方へかけて行く。

銀河商人は語った。
「黒ずくめにサングラスっっ貴様ら殺しやだな。ロシヤの殺し屋おそロシヤ」
今日の銀河商人はしゃれている。
「ふっそう言われるとは心外だな。外見はそう見えるが、本業は金貸しだ。」
「何、金か?俺は飛びつくぞっっ!」
「そうじゃなくて貴様には残念だが、俺達は別の用で来たんだ。」
「なんだ用とは?」
「実は、あなたの存在をじゃまに思ってる人がいるんですよね」
「人類皆兄弟、人の世は情、持ちつ持たれつ、にくまれっ子世にはばかる。
 俺って博識」
いつものバカさぶりを健在させた。
「なにがいいたい」
「助けて」
銀河商人は懇願した。
「そうか...」陳はそれだけ言うと、サイレンサー付きの拳銃を銀河商人の
脇腹にあてゆっくりと引き金を入れた。

「この時代でも殺しは拳銃に限る。」
そのときだった。

ばこーーーーん

陳は10メートル程飛ばされた。アンドロイドファクターが来たのだ。
陳は動けない。李に向かってファクターは言う。
「この男を連れて貴様の親玉に、よーく言え。今度こんな真似をすれば、
 うちの組み総出で(実はふたりだけ)押し掛けて再起不能にしてやる。
 覚えとけ。」
「くっしかたない、引くぞ。」
李は顔が血だらけの陳をひきづってその場を去って行った。

李が戻ると謝がしかめつらをして立っていた。
「どうした。」と謝。
「返り討ちに遭いました。まさか奴らにあんな秘密兵器があったとは」と李。
「クソッ、今日の所はしかたない。私にも打つ手はある。んっ李なんか
ちょっと様子が変だぞ。」
「欲しいものは、欲しい、ギブミーオモチャ」
そのセリフを聞いて謝はぎょっとした。
「どこかで聞いた事がある...」
「アイムカセイジン」
 そういった李の体の中からまるでエイリアンの誕生のごとく自称火星人が
つきやぶって出てきたのだ。
「きっ貴様まだ生きてたのか!?」
「ワタシ豊カネ。ダカラハッピー。アイムカセイジン。」
 謝は何事もなかったかの様に拳銃で自称火星人を射殺した。
 結末はあっけなかった。

「それにしてもおかしい。こないだ食べたタコ刺しが原因なら、とっくに排泄
されてるはずじゃないか...まさか俺も...」
 そう言い終わるや否や、謝は李と同じ様、体をつきやぶり自称火星人が
出てきたのであった。
「アイムハッピー」
 自称火星人は死体の山を前にして喜んでいた。
 その後自称火星人は謝の会社を乗っ取り、相棒の金星のイカと伴に
フロムエートゥーゼットを作り、CMに自ら出演して有名になるのであった。

うわあああぁぁぁぁぁぁァァァァァ.....

 謝は目を覚ました。背中は寝汗でびっしょりだ。どうやらオフィスで寝て
しまったらしい。
 ノックの音がする...誰だ。
「アイムカセイージン。ハッピーネ」
 謝は半ば反狂乱になってオートマチックの拳銃を乱射した。
 こうして謝はタコが食べられなくなってしまった....

「謝の憂鬱な1日」終

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