～出会いの海～鞆の浦コミュの鞆の浦の歌です。《ささやき橋》　優しいさわやかな演歌

哀しい物語ですが、この鞆の浦の景色を実際に目にすると、美しく純粋な初恋の物語に心が浄化されるように感じます。
鞆の浦…いつも疲れると訪ねてみたくなる小さな港町です。

鞆の津に沈む夕日を見ながら、もうすぐあの人に会えると思うと心が高鳴る――。
多くの旅人が疲れを癒やす港町の遊郭で、遊女が若い役人に恋をした。
会う度に引かれ、人目を忍んで小さな橋のたもとで密会を重ねる。初めての恋。

その日も約束の時間にいつもの場所へ行くと、見知らぬ男が立っていた。
「お前の相手ではない。別れろ」。
立場の違う相手に恋をするなんて無謀だったのかも。
そう思いながらも次の日も、その次の日も、自然と足が橋に向かう。
あの人が待っているから。

密会をやめない２人は、やがてとがめられ、背中合わせにくくられて海に沈められた。
ささやき橋で再会することを誓いながら……。
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市立鞆小の正門前を通り過ぎ、同町の古刹(こさつ)・静観寺の角を曲がると、小さく盛り上がった石橋がある。車１台が通れる幅はあるが、ほんの１、２歩で渡れる「ささやき橋」だ。

鞆に立ち寄った朝鮮半島の古代国家・百済の使者の接待役、武内臣和多利(たけうちのおみわたり)と、鞆の美しい遊女、江浦(えのうら)。恋に落ちた２人は、人目を忍んで橋のたもとで密会を重ねるが、「職務を怠っている」として死罪に処せられたという悲恋が今に語り継がれる。

橋に立ち、伝説に思いをはせようと目を閉じる。