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アンダルシア-Andalucia-コミュの〜スペイン内戦に別れを告げて(書き直し)〜

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〜スペイン内戦に別れを告げて〜



わずかに残された本の中から「パリコミューン」をふたたび読み、それから「スペイン内戦」に入って行った。

思えば何冊読んだか覚えていないほど。

その中で最後に読んだのは『スペイン内戦』(アントニー・ビーヴァー著、上下)である。
わたしはこれでスペイン内戦とは別れを告げて、いまふたたび「パリコミューン」に戻りたいと思う。
そこを拠点として、次に訪れるのはおそらく「ボルシェヴィズム」であり、通過点としてドイツ共産党創始者である「ローザ・ルクセンブルグ」であろうと思われる。彼女は品格のあるコミュニストでレーニン(ボルシェヴィズム)を執拗に批判した。実はわたしには若き頃の想い出がある。わたしは、その時期のドイツのその組織に密使を送ったのである。美しき密使を。「反主流派を形成せよ」って。
うーむ。
そしてふたたびマルクスに会うであろう。「プロレタリア独裁」に関しての批判をもって。

実は、わたしは「スペイン内戦」を読み解きながら、先回りして1992年までのスペインの社会変化を眺めていた。その後から現在まではとぎれとぎれである。その現在を深く知るには「ユーロ・コミュニズム」と「欧州共同体」の様相の解明が肝要であると思っている。

他方、わたしはスペイン民衆のあり様、特に深い文化としての「フラメンコ」から多くを学んでいて、高齢のわたしは、いま180度ターンのステップを踏めるようになった。

★★

さて、なぜ“スペイン内戦に別れを告げて”と言うかは、先にあげた『スペイン内戦』(アントニー・ビーヴァー著、上下)の史実を徹底的にドキュメンタリータッチにまとめたまさに歴史ストーリーに感銘しもうこれでいいと思われたからである。
わたしにはスペイン内戦がいかなるものであったかがはっきりと理解できたような気がする。

ここでネットからかんたんにアントニー・ビーヴァーを紹介しておく。

1946年ロンドン生まれ。作家、歴史家。ウィンチェスター校で学び、サンドハースト陸軍士官学校を卒業、1963年から5年間の軍務を経て、執筆活動に入る。現在、ロンドン大学バークベック・コレッジ招聘教授。著書 Crete: The Battle and the Resistance (1991)、『スターリングラード 運命の攻囲戦1942-1943』(1998、サミュエル・ジョンソン賞、邦訳 朝日新聞社 2002)、『ベルリン陥落1945』(2002、邦訳 白水社 2004)、『スペイン内戦 1936-1939』(2006、邦訳 みすず書房2011)、D-Day: The Battle for Normandy (2009)他。現在第二次世界大戦史を執筆中、2012年刊行予定。

この『スペイン内戦』(アントニー・ビーヴァー著、上下)は、彼が書いて出版しようとしたものに、刊行元が多くの資料を提供して成されたものである。幸いスターリンもフランコも他界し、多くの史実的な文章や見聞が公表されたのからである。それでこの本は“もの凄い”ドキュメンタリーになったものと思う。
それは無惨な光景にもただ無言でカメラを廻し、平衡感覚をもって語り、ついには“物語”風にしているところが実にいい。
読んでいて、その内戦の壮絶さに何度か読むのをやめよう、と思ったほどだ。

著者は言う。
『この時代から学ぶもう一つの大切な教訓は、大衆的な自己欺瞞こそが、現実を直視できない指導者たちの処方する鎮静剤に他ならないいうことだ。そしてスペイン内戦が証明したように、戦争の犠牲者は真理ではなく、その源泉である個人の良心と公明正大さである。』。
『歴史家の要諦は、理解しようと努めることだ。・・・・・歴史は科学ではなく、文学の一領域であって、それを否定することは誤りであるというより危険だ』(インディペンディンド紙インタビュー)と。

そう、まさに危険である。

そして、そのスペイン内戦でスターリンの犯罪が浮き彫りにされる。
スペイン内戦中にソ連=スターリンによって各国から送られた義勇兵「国際旅団」の共産党幹部はスターリンに以下の文書を送っている。
『アンドレ・マルティー(ソ連派共産党幹部/キム註)はモスクワに長い報告書を送り、共産主義者に対するラルゴ・カバリェロの強情な抵抗を説明した。「ラルゴ・カバリェロは敗北を望んでいないが、勝利を恐れている。なぜ勝利を恐れるかといえば、勝利が共産主義者の積極的な参加なしには不可能だからだ。勝利は共産党の立場がいっそう強化されることを意味している。敵にたいする最終的な軍事勝利は、ラルゴ・カバリェロと世界にとってスペインにおける共産党の政治覇権を意味する。これは当然で議論の余地がない。・・・・・ファシズムの廃墟から立ち上がり、共産主義者に指導された共和主義スペイン、有能な人びとに助けられて組織された新しい共和国の形態をもった新しいスペインは、ソ連との連帯政策と緊密な提携を実現する大経済・軍事強国となるだろう」。このスペインにおける露骨な共産主義の野心の表明が、スターリンのもくろみとはちがっていたにもかかわらず、コミンテルンはこの考え方に水を差さなかったようだ』(本文から)。

何と傲慢な文章であろう。
そして彼らスターリニスト共産党は、スペインに在来した「統一マルクス主義労働党」をトロツキストとして憎悪し粛正するのである。でも本文を読めば分かるが、この「統一マルクス主義労働党」(POUM)は、アンドレウ・ニン(トロツキーの秘書だったが、トロツキーと訣別)とホアキム・マウリンを指導者とした。同党はスターリン主義者がいうように「トロツキー派」ではなかったが、思想的にはソ連共産党の左翼反対派と共通するところが多かった。(訳者註)。
とにもかくにも、コミンテルンの路線と仕打ちは狂気に満ちている。
一国社会主義に転じたスターリンは国際的な眼を考慮しながらおずおずと腰を上げるのであったが、何もここスペインでソ連国内と同じこと、つまり大粛正をする罪悪は許されるものではない。
敵と戦うより、己等の異論分子をすべて「トロツキスト」として葬ろうとするのである。
このスペインに長く息づいて、民衆、農民の圧倒的な支持を得ていて当初からファシズムに抵抗していたアナーキストを“ファシズムの同調者”として一戦交えるのだからどうしようもない。

特にさきにあげたPOUMに対する憎悪は激しく、他方でスペインに根付いていたアナーキズムに怯えるのである。
わたしは、スペインにはトロツキスト勢力は無かったものと理解している。

★★★
ところでトロツキーについて、わたしは若き頃スターリンと“同じ穴のむじな”であると判断した。そしてその元はレーニンであり「ボルシェヴィズム」であると。わたしはトロツキーについてはほとんど忘れていた。でも最近読んだ本に寸評が出ていたのがとても懐かしかった。

『ロシア革命を先導したトロツキーなんかは、レーニンに次ぐような大変な器の人でしたから、レーニンはトロツキーに向かって、「あんたが、俺の後継者になれ」といったりもしているわけですが、トロツキーは「俺はユダヤ人だから、俺が先頭に立つと、対立を招く恐れがある。だから、遠慮しておくよ」といって、レーニンのその申し出を断ったりしています』(超「戦争論」下:吉本隆明)。

なるほど、人情的に言えばこういう側面もある。しかし、トロツキーはたしかに「大変な器の人」だったかもしれないが、単にその政治路線がスターリンと異なっただけであると切り捨てた。はからずもこの文面でレーニンが指導者を指名する体制が見え隠れしているではないか。吉本隆明氏が間違っているというのは「ロシア・マルクス主義」であり、「ボルシェヴィズム」とは言わない。まして系統的にマルクス批判までは言及していない。それは方手落ちであろうとつねづね思ってきた。
わたしはそこまで歩を進めようとしているのである。
稚拙ながらではあるが。

★★★★
話しを戻そう。
こうした居丈高なソ連将校や政治委員に対して、一般の国際旅団兵はついに異議を唱えピストルを向けるのである。もう指揮系統は無いのと同じである。でも、その民衆の士気の高さには驚かされる。
この士気の高さ、言い換えれば「個人主義」がなぜこのように発動したかは、いまはなんとなく解る気がする。

兄弟同士が二手に分かれて殺し合うというスペイン内戦。
著者は、こと細かく、例えばあの日2,000人が共産党によって処刑されたとか、あの場所の戦争で2万人死んだとか記述している。中産階級以上が恐怖する「ボルシェヴィズム」。それと民衆が恐怖する「ファシズム」。お互いが“殺さなければ殺される”という死を生きるのである。

戦争もまたビジネスで、不干渉政策の中、みえみえの利権をあさるイギリス、フランス、ドイツ、イタリア。

わたしはこのスペイン内戦を「ファシズム」とは異質のものと感じる。

スペイン内戦は、わたしが知り得る限り「内戦」である。
それを「スペイン戦争」と言いたいのも心情的によく分かる。
でも、これは「内戦」であるから、さらにむごくなお辛いのである。

フランシスコ・パウリーノ・エルメネヒルド・テオドゥロ・フランコ・イ・バアモンデ、サルガード=アラウーホ・イ・パルド・デ・アンドラーデ(Francisco Paulino Hermenegildo Teódulo Franco y Bahamonde, Salgado-Araújo y Pardo de Andrade)。
つまりスペイン内戦は、この長き名前のフランコによって終わったようにみえる。そしてふたたび大弾圧が始まるのである。

★★★★★

いま遠くからパリージョ(カスタネット)が聞こえる。

敬愛するフラメンコ・ダンサーの手紙をもう一度見る。

『○○さん、お仕事お疲れ様です(^_^)

写真、ありごとうございました。
数か月前なのに、とても懐かしく思います。
スクールはとても楽しかったですね。夏のいい思い出です。

添付頂いたのを読ませていただきました。
スペインやフラメンコの本は、何を言ってるのかわからないものたくさんありますよね。
そんなときは写真だけをみて楽しんだりしています。
(わたしの文章:キム註)成人のもよかったですし、替え歌も面白かったです。
思わず読みながら笑ってしましました。

○○さんにはとても共感できるところがあります。
パソコン教室のTさんの事でもとても共感できました。

わたしも、自分がつらい時でも人の幸せを祝福できる人間でありたいと思っています。
いつでも明るくおおらかに。を心掛けています。
・・・・・・
明日もお仕事ですよね。
頑張ってください。今日はとても寒いです。風邪などひかぬようご自愛ください』。

彼女と行ったグループ発表、梶井基次郎の「桜の木の下には」ではないが、いま、わたしはヴァルで一杯飲り、それから夜半にフラメンコをみんなと一緒にみることができる気がする。

2月12日には彼女のショーを見に行こう。


註:添付写真はそのダンサーである。

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