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いざかや 末(すえ)コミュの今でも思い出すこと

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何年前だったか。
亘は実は昔アルバイトだった。
アルバイトさんから、輝かしい駅前店店長にまで
ついに亘は登りつめたのである。

すばらしい。

亘は実は昔もっと痩せていた。
以前昔の写真が出てきて、亘と友達が写っていたのだが、
その亘は細長かった。

私は今の方がいいと思っている。
いつも亘に「痩せなくていいよ」と言っているが、とうとう
その件について亘が夢に出てきた。

亘は本店に来てこういった。
「りえさ〜ん。俺、また太っちゃったよ〜」
暖簾をくぐって出てきた亘のお腹は背中から長さを測ると
1、5メートル位あった。
これはやばいと夢の中で心配したが、亘の動揺を助長しないように
「そろそろ痩せたほうがいいかもしれないね」
と軽く言った。
病的な太り方だった。
だけどそろそろ亘も若くはない年に近づいてきていることだし、
体のことを考えなさいというお告げだったのかもしれない。

亘も今年、ニクの年だ。(29)

何年前だろう。
まだ、昔、山ちゃんが本店の厨房で働いてくれていたころ。

山ちゃんが「お願いします」とお料理が出来上がったことを知らせた。
亘が「はーい」といって急いで厨房に入っていた。

私はドリンクのオーダーがあったので亘の後ろをついていく感じで
厨房に入っていった。
厨房の床はぬれているととてもよく滑る。
すぐにモップをかけるようにしているが、
忙しいとなかなか拭けなかったりする。
確かその日はバタバタしていて、そんな床だったことを記憶している。

ここは、スケートリンクかと思うくらい亘は滑って足をとられていた。
しかし両手にはお料理をしっかり持っていたので
亘なりにかなりのふんばりを見せていた。
バランスを取るべく、太り始めた体を前後左右に揺らしていた。
例えて言うなら、自転車に乗りたての少年のようだ。
倒れないように若干のスピードをつけ、バランスをとる。

ついに行き止まり。
目の前には食器を置く台が置いてある。

「ガツン!!!!」
ついにブツカッタ。
その台は亘のちょうど腰あたりまでの台で
亘はぶつかった後も重力の強さにしばらく体をくの字にさせている。
重力とは質量に比例して働く力のことなんだと
その亘のくの字の時間の長さによって知ることができた。
しばらく亘はくの字だった。
その間、バックスバニーが崖っぷちに落ちないように
腕をグルングルン回してバランスをとっているのをよく見るが
そんな感じだった。
申し訳ないが、とても面白かった。とても面白い「亘とGとのやりとり」だった。

ようやく元通りのまっすぐな亘が
「お料理は無事です」
大爆笑する私にそのことを報告してくれた。

さすが店長の素質を持つ男だ。
「ほう・れん・そう」をしっかり全うしている。

ほうこく。れん・・・れん?そう・・・・そう?
「ほう・れん・そう」だったか?ビジネス本で読んだのは。
忘れた。

非難訓練の「おかし」はおさない。かけない。しゃべらない。

まあ、そんな話はさておき、
今でもわたるのくの字のことを思い出すと
今でも重力のすごさを思い知るのである。


「音」というのは色々なイマジネーションを生む。

今年の正月営業のこと。
お正月は朝まで営業した。
1時から朝の5時までは私と亘と兄貴がいた。

兄貴はもともと1時で帰るはずだったが、なんとなく残って働いてくれていた。
だもんでとっても眠たそうだった。
たまに厨房に入ると、仏様のような顔になっていた。
安らかだ。

「兄貴、あと、大丈夫ですよ。あがってください」といっても
なんとなく気が引けたのか、「はい、ぼく忙しいんです」とちょいちょい
仕込みをしたりしてくれていた。

けれど、気づくと仏様だ。

そんなときに遅い時間お客様がいらした。
ちょうど兄貴が仏様のころ。

「いらっしゃいませ」
私と亘の声に驚いたのだろう。
慌てて「いらっしゃいませ!!!」と言った。
すると厨房から「ドン!!」という音と共に
重なり合う食器が揺れて「カシャンカシャン」
鍋が「カランカラン」おたまが「カサカサ」

とにかく厨房にある食器達が揺れ、それと同時に

「う!!」という兄貴の声がかすかだが聞こえた。

映画の乱闘シーンでボディにワンパン入れられたときの低く重い
「う!!」に聞こえた。

実は駅前店の厨房も滑る。
兄貴が仏様だったころ、私たちの「いらっしゃいませ」によって
驚いた兄貴は反射的に「いらっしゃいませ」と言って
恐らく仏様だったことで焦ったのだろう。
厨房を走ったがゆえに、すべり、食器の台(こちらも同様腰あたりまでの台)
に直撃し下っ腹を強打。
そして「う!!」というかすかな声を私に拾われた。

私はすべて見たわけではないが、私の野生的本能は「そうだ」とうなずく。
ので、間違いない。

いわばGのパンチをボディに食らう兄貴。
しかも一人で。
ああ、愉快だ。想像なだけにとても愉快だ。
でも、やさしい私はきちんと兄貴の前でも笑って差し上げた。
一人じゃないと、教えてあげたので大丈夫。

おしまい。



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