したり映画帖コミュの２０１３年１２月上半期②

１２月３日
『シャークナイト』１１
デヴィッド・Ｅ・エリス作品。
“人食い鮫が川で人を襲う”というテーマは、人を魅了する作品ではあるが、『セルラー』や『スネーク・フライト』『デッド・コースター』で見せた良質なＢ級ジャンル映画の面白さにまで届かず。
ケーブルＴＶやネット映像に高額で衝撃ビデオは売れるというネタはいいのだが、それにしてはのんびり感が強く、元恋人との過去ネタのトラウマ等、これまで言い訳してこなかったドラマ部分のスピードダウンが著しい。残念。（６５点）

『オーシャンズ１２』０４
ソダーバーグ作品。
近年の多作ぶりには目を瞠るばかりで、饒舌なくせに寡作のタランティーノなんかと較べると頼もしくも思えたりするのだが、常につきまとうのは腰が据わっていないという印象だ。その機動性があだになっているように思う。
一作目の『オーシャンズ１１』もそうだったが、今作も適当、早撮り感が強い。
Ｂ級映画ならそれでも構わないが、有名役者を配役している割に悲しいかな安っぽさが売りになっている。（６０点）

『光の旅人／Ｋ―ＰＡＸ』０１
誰も信じない誇大妄想的な主張を繰り返す奇妙な男の物語。
果たして、その言葉は真実なのか、それとも単に狂人なのか？
光の変化を利用した撮影と演出がサスペンスを盛り立てる。
中盤、男の素性が明らかになってくると、俄然つまらなくなる。Ｋ・スペイシー演じる宇宙人を名乗る男が実はトラウマを抱えた悲しき男なのだと言い訳されればされる程こちらの興醒めは甚だしくなる。だが、ラストは宇宙人だったかも、というオチをしっかりつけて評価挽回。
だから、つまらないまま終幕する事はかろうじて免れているが、何か腑に落ちない後味なのだ。
脚本の魅力が不足している気がする。
Ｋ・スペイシーの出自を明らかにする事に物語を収斂させるのではなく、誇大妄想狂の主張が周囲だけでなく、世界を巻きこんでゆくような話だとよかったのにな。
ハートウォーミングはいらない。（７５点）

１２月４日
『レギオン』１０
スコット・スチュアート作品。
出だしは良かった。ぽっかりと浮かぶ満月の夜空から主人公の大天使が地上に堕ちてくるシーンから始まり、田舎のハイウェイ沿いのオンボロ食堂を経営する親子が周囲の異常に気づきだす。
ここまでは面白かった。その後は間延びし通俗的な展開に終始する。（４５点）