ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

現場の外国為替!コミュの先週の株価下落の本当の理由

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
先週は世界中の株価が急落した。

特に驚いたのが、8月4日のニューヨーク市場でダウが500ドル以上も急落したことである。

500ドル以上の急落というのは普通ではない。

新聞等では「米国の先行きの経済懸念」、「欧州債務問題」、「大手格付け機関の米国債格下げ観測」などを理由として説明している。どれも間違いじゃないが、今に始まった問題ではなく、もう少し詳細な分析が必要だろう。



1.米国経済、世界経済の先行き懸念

米国の経済指標については、今年の5月中旬より驚くほど悪いものが続き、市場は既に先行きの経済減速を相当に心配してきた。先進国は経済が冴えない中でも、「財政再建」という景気刺激対策とは間逆の政策がテーマになっており、景気が腰折れした場合に、既に金利がどの国も異例に低い中、金融政策も財政政策も使えずに、かなり手詰まりの深刻な状態になるのではないか。こういう懸念はずっと抱いてきた。

こうした市場の懸念に対し、米国政府やバーナンキFRB議長は、経済指標の悪化の原因を、「日本の大震災の影響によるサプライ・チェーンの寸断」と「原油価格等の高騰」であると論じ、一時的な現象であるので大きな心配は要らないと説明してきた。しかし、ここへきてこの2つの要因だけでは、最近の景気減速は説明しきれない。もっと本質的な要因による経済減速ではないかという懸念が高まっていた。

そこに分かっていたこととはいえ、米国連邦政府債務上限引き上げと、その代償としての大きな財政赤字削減策が決定された。格付け機関が必要とする財政赤字削減規模4兆ドルに対し、決定したのは2.4兆ドルと少ないが、それでも200兆円以上の財政削減である。景気への影響は誰だって心配になる。

米国人の気質は楽観的で、景気なんてものは悪くもなれば、すぐに良くもなると軽く考えているが、さすがにリーマンショックから3年になろうとしているのに、住宅価格も冴えないし、労働市場も改善せずに、じゃぶじゃぶの金余りによる効果で株価だけが上昇している様相に、「何かが違う!」という危機感が出ているのは間違いない。



2.欧州債務問題

欧州債務問題は実にやっかいだ。欧州問題のポイントは、一向に解決の出口が見えないことだ。なぜなら7月末のユーロ圏首脳会合でギリシャ支援やEFSFの機能強化というかなり大きな意義のある決定をしたにも拘わらず、市場の懸念はまるでぬぐえないどころか拡大しているからだ。欧州の問題のリトマス紙は、欧州周辺国の長期金利と、欧州の優等生であるドイツ国債との金利格差(スプレッド)である。7月末のユーロ圏首脳会議の重大決定以降も、欧州周辺国の長期金利は上昇し、ドイツ国債とのスプレッドは拡大している。特にイタリアは欧州で上位クラスの経済規模の国だが、この国の長期金利はついに危険レベルである6%を超過し、ドイツ国債とのスプレッドもユーロ誕生以来最大の水準になっている。ちなみに長期金利が7%が臨界点であり、この水準を超えると市場への自力のアクセスは実質不可能になり、ギリシャのようにECBからお金を借りないと、破綻する可能性が高まるとされている。スペインの長期金利も6%半ばに上昇している。イタリア、スペインがギリシャのような状態になった時に、現状では欧州はそれに対処する手段、法律、機能を保持していない。まさにユーロの存在意義さえ問われる事態である。

ギリシャ問題も解決したわけではない。欧州の援助の仕組みとは、ギリシャが自分達で財政再建して立ち直ることを前提に、それまでの期間に資金不足で破綻しないように「つなぎ融資」をするスキームである。このつなぎ融資で当面、ギリシャの破綻懸念はなくなった。しかし、前提である財政再建が進むのか?その再建の進行具合はIMFによって3ヶ月毎に審査される。審査に通らねば、援助の雲行きも怪しいが、ギリシャの政府に国民を納得させ、強力なリーダーシップを発揮する力が残されているか疑問である。

こうした欧州問題は確かに市場の雰囲気を暗くしており、株価には大きなマイナスだ。しかし、先週の相場下落に関するより重大な要因は別のところにある。こちらは後述する。





長くなったが、ここまでが新聞等でよく説明されるポイントのより詳細な理解である。

しかし、これではまだ先週の500ドル以上の下落の説明には不十分である。通常、こうした問題が株価に及ぼす影響は1日の下落であれば、せいぜい200ドルである。こんな要因で500ドルも下げることはない。500ドルもの下落は、市場がパニックになった時にのみ起こりうる特殊な出来事であり、残りの300ドルも下落した要因が他にあるのだ。



私は、その理由を3つ考えている。

1.プチ流動性危機

これはあまり報じられていないが、先週注目すべき市場があった。それはインターバンクの短期金融市場である。ここは金融機関がお金の貸し借りをする市場であり、流動性の基本となる市場である。リーマンショックの破綻が、何故100年に1度の金融危機になったかといえば、この短期金融市場でお金を貸し出す金融機関が全くいなくなり、市場の流動性が枯渇して、正常な金融機能が崩壊したからである。どんな大手の銀行でも、この市場からお金を借りられなくなり、当日返済する資金を手当てできなくなれば、破綻してしまう。

実は先週、久しぶりに短期金融市場に異変が見られ、資金の出し手がいなくなってしまったのだ。それが8月3日と8月4日である。通常1ヶ月間資金を貸してくれる金融機関が、急に1日しか貸さないとか、あるいは全く貸してくれないとか。そのようなあのリーマンショック後に見られたような妙な緊張感と気持ち悪さが先週起こったのである。何故こんな事態になったのか?理由は2つだ。ひとつは米国連邦債務問題がぎりぎりの交渉をしており、その結果が出るまで様子見をしたいということ、それともう一つは「欧州の金融機関が資金を市場から取れずに潰れるのでは?」という懸念である。欧州の大手金融機関の破綻は、その連鎖により金融市場を脅かす可能性がある。市場参加者の頭の中に、あのリーマンショック後の恐怖がよぎったのである。この先週に起こった動きは、ややパニックであり、株価急落に大きく影響を与えたのだ。



2.様々な複合要因だが、テーマは「スピード」「ボラティリティ」

(原油)

先週は原油価格が急落した。コロンブスの卵のようだが、株価が下落して原油が急落したのか、原油の急落を見て、株価が下落をしたのか、どちらもあるだろう。とにかく市場では過去にも原油や銅、アルミ価格などが急落し、そこで損失を被った投資家が、株価を手仕舞いする事でポジションを軽くするという行動が何度かある。先週の原油価格の急落は、そのくらいのインパクトがある。原油の下落自体は経済にプラス要因だが、「急落」は話が違う。急落している中で、株を買おうというムードは起こらないのである。

(債券)

米国の2年債利回りが史上最低の水準まで下落した。米国の10年債利回りも2.4%割れという異常な低下を示した。原因は質への逃避、経済不安などであるが、ここまで激しく動いてしまうと、原因などどうでもよく、この変動性そのものが大きな意味を持つ。誰もが、市場で異常な何かが起こっていると確信する。だからこういう動きになるのだと・・・それがリスク資産である株式にはマイナスで、安全資産である債券に資金シフトが起こることになる。

(変動率)

先週はVIX指数が急上昇した。変動率の急上昇は、投資家にとって望ましいことではない。リスクが取れなくなるからだ。自動的にポジションを手仕舞いするプログラムが作動したり、社内ルールにより、株式等への投資はできなくなる。株価の急落自体、それがある一定レベルを超えると、こうした要因でより株価を下落させる要因となるのである。それが個別の投資家にとってはリーズナブルな行動だが、株式市場全体ではとんでもないことになる、合成の誤謬というやつだろう。





最後の要因は次回にします・・・







コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

現場の外国為替! 更新情報

現場の外国為替!のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング