現場の外国為替！コミュの円高のⅹデーが近いかも

為替相場が非常にきわどい展開になりつつある。
急激に円高が進行するⅹデーが接近しつつあるように思われるのだ。
ここでいうⅹデーはドル円が８０円台に突入するような地合いを意味している。

ドル円相場は約１カ月ぶりに９２円台で引け、じりじりと今年のドルの最安値である１０月２４日につけた９０円９３銭に迫りつつある。

注目点は５つある。

１．株高でも円安に反転していないこと。

最近の数週間は為替相場は膠着してきた。市場では相変わらず株安＝円高、株高＝円安という黄金の方程式が作用しており、おおむねその通りの値動きとなり、今月初めに株価が大きく崩れる局面にのって円高が急激に進み始めた。しかし、ここ数日株価が反転したのにもかかわらず、ドル円相場の上値が重く、じりじりと円高に進んでいる。こういう展開は危険である。

２．クロス円に注目

ドル円の上値が重い理由の最有力は、クロス円の円高進行にある。ユーロ円は１１６円台まで再び円高となってきた。この１１６円台半ばは非常に重要な水準でここが破られると１１３円台まで急落、更には１０８円台への道が開かれる、テクニカル上の重要なポイントが攻められている。
テクニカルという意味では、ポンド円は既に崩壊した。１３４円台までここ１、２週間で２０円近くも円高が進み底が見えない。こうしたクロス円の円高進行は、当然ドル円の上値を抑える強力な要因となる。

３．起爆剤

今週末に米国では雇用統計を迎える。最近の予想ではマイナス４０万人が予想されている。とんでもない数字だが、先週から今週に発表されている経済指標は軒並み過去最悪という水準であり、米国経済、世界経済の深刻さが浮き彫りになっている。すでに織り込まれているとはいえ、見たこともないような悪い数字に株価が再び大幅に崩れれば、それを起爆剤としていっきにドル円が９０円を割り込むⅹデーが到来する可能性は十分あるし、過去の私の経験では、そうした雇用統計の発表を待たずして、その前にいきなりⅹデーが到来することもある。

４．ドル円が９０円を割れると・・・

ドル円が９０円を割り込み、しかもそれが一時的ではなく８０円台で膠着するようなケースになれば、ドル円の世界観は全く変わってしまう。１００円台の復帰は遠く彼方に消え去り、市場では当局の姿勢を確かめるべく、どんどんと円高が試されることになりやすい。

５．年末の恐怖

年末でこれから取引参加者が極めて少なくなる。特に今年のようにぼろぼろの年では、投資家の取引からの撤退は例年以上に早いだろう。それが吉とであるか凶と出るかは不明だが、相場の変動性を高めることになることは確実だ。妙な噂やニュースで相場は荒れる。雇用統計以外にもⅹデーの起爆剤は盛りだくさんだ。

ここ数日は市場から目が離せない。