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shanshuiコミュのME:MOのエッセイが上海の雑誌に掲載

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昨年末、ニューアルバム「Acoustic View(アコースティック・ビュー)」をリリース(日本では3月18日発売予定)したME:MOのエッセイが上海の雑誌に掲載されています。(以下、訳↓)

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 僕の名前はZhai Ruixing。北京人。電子音楽をやっている。音楽を発表するときの名前はme:mo。この名前の意味を誰かに聞かれたら、僕は特に意味は無いと答える。最初は”me”を使おうと考えていた。アルバムのクレジットに”all music by me”と書かれていたらおもしろいだろうと思って。けれども後になってどう変わっていったか忘れたけれどme:moとなった。間にコロンがはいって読み方もおもしろい(ミモという)。この名前は僕がファーストアルバムを発表する時につけた。2003年の時だ。僕はまだ無職だった。音楽の上でもまだ吸収の段階だった。表現したいという切迫した欲望もなかった。音楽スタイル上ではさらに何の明確な目標もなかった。すべてがただおもしろいということだけだった。アルバムは確かその年の5月1日に完成したと記憶している。全部で300枚のcdrを作った。本当は人に贈るつもりだったけれど、後になって色々と考えた末やっぱりレコード店を探して委託販売してもらおうと決めた。その頃ちょうどSARSが流行っていた時で、街には人影がほとんどなかった。僕はアルバムを抱えて自転車に乗り、北京の中の委託するのにふさわしいレコード店を探した。店の人に、これは何だと聞かれたとき、僕は恥ずかしくて遠回しに説明したのだった。
 実はその頃、音楽を作ることについてはそんなに多くのことを考えていなかったし、音楽を作っているなんて誰にも言っていなかった。2003年頃、中国の電子音楽と実験音楽は活気を帯びはじめ、僕もそのブームにのったと言えるだろう。この頃一時期、僕は五道口(ウーダオコウ)で友人の手伝いでカット盤CDを売っていた。その時に孫大威と知り合った。その後、僕は彼のレーベル”山水”に入り、毎日をぶらぶらと過ごした。
 2004年、これ以上何らすることがないという状態から抜けるべく、僕はある番組制作会社に入って仕事をし、平穏な日々を過ごし始めた。
通勤、食事、作曲、という毎日を過ごしていたその間、僕は頻繁に山水とモダンスカイで作品を発表した。創作態度や音楽スタイルも次第に変わり始めていた。僕は自分の音楽スタイルを具体化したいと思っていないし、それは自分の音楽が一体どの部類にはいるのか描くことが出来ないというのが理由だけれど、他にも、自分は永遠に一種類の音楽しかやらないはずがない、というのが理由にあった。だから僕は「あなたはどんな音楽をやっているのか」とたずねられると、だいたい大ざっぱに「電子音楽」と答えるのだった。
 2006年、僕はモダンスカイからセカンドアルバムを出した。アンビエント、グリッチ、ミクロサウンド寄りのアルバムだ。ニューアルバムとは言うものの、実はこのアルバムの作品は2003年から2005年にかけての作品を集めたものだった。けれどもモダンスカイの影響力と流通範囲は大きく、多くの人にこれが僕の”スタイル”だというちょっとした誤解を与えてしまった。
実を言うとこのアルバムをリリースした時、僕は自信がなかった。何故なら一人のリスナーとして僕はこういった音楽の中国での状況を知っていたからだ。流行音楽はともかく、もしもロック・ミュージックをメジャーだとすれば、電子音楽はマイナーで、僕の様な音楽はマイナー中のマイナーだ。こんな風に言うのは自己陶酔しているからでは決してない。そうだとすればバカである。僕は今までだってマイナーだから良いだなんて思った事はない。当然良いものは確かにマイナーという事はあるけれども・・・・。
 アルバムがリリースされて半年後、モダンスカイのスタッフが僕にこのアルバムのセールスが予想よりも良かったことを教えてくれた。これも意外だった。僕はずっとこのアルバムは赤字になるのではないかと思っていたからだ。幸いにしてすべてが満足いくものとなった。
 2006年末、僕はまた仕事を辞めた(その前に一度仕事を換わっている)。仕事を幾年かすると嫌気がさす。流れ作業的な仕事は何の興味も起こさせなくしてしまう。僕は会社勤めが嫌いなのではない。仕事は好きだ。なぜなら仕事をしてこそ良好で穏やかな気持ちが保たれるからだ。何もしない生活は絶対にだめだ。けれども長時間ひとつの仕事に携わるととても嫌になる。だから僕はやはり手にした仕事は手放すべきなのだと思った。それにちょうどこのとき海外の音楽フェスティバルがあって、僕はそれを理由に長期の休みを取り、この仕事に別れを告げた。コンサートから帰った後の半年あまりの間に僕はサード・アルバムを作り始めた。この間の時間は最もリラックスした時間だったと思う。毎日自然に目が覚めるまで寝て、起きたら曲を作る。午後天気が良ければ北海公園や景山公園へ日向ぼっこしに行く。家に帰ったら野菜を買ってごはんを作る。晩になったら再び曲を作る。冬の間、定年退職した老人の様な生活を送っていた。けれどもリラックスのしすぎは怠惰の始まりだ。効率が低下し、本来ならば’07年8月に完成するはずのニューアルバムの制作は年末まで引き延ばされた。幸いに僕はずっとリラックスしつづけなかったので、2007年が終わる前にサードアルバム「Acoustic View」は完成した。
 このアルバムの中に僕は多くのギターを加えた。生楽器は音楽を更に豊かなものにし、創作空間を更に広げてくれた。
 ともかく「Acoustic View」は今のところ最もオリジナリティあふれるアルバムだ。僕自身が好きだしみんなにも好きになってほしい。僕は、自分が音楽を聴くことから作ることになった過程はとても自然な事だと思っている。音楽が僕に与えてくれるのは聴覚上の快感だ。音楽は僕の心に喜びを与えてくれ、エネルギーを充満させてくれる。時々友人が僕に、誰の影響を受けたかとたずねるけれど、僕は答えられない。なぜなら僕に影響を与えたのは一人一人の人ではなく音楽スタイルだからだ。僕はあらゆる音楽を聴いたといっていい。僕はどんな種類の音楽だって排除しない。なぜなら僕は「ただ悪いミュージシャンがいるだけで、悪い音楽などない」という言葉を信じているからだ。音楽の前でまず僕はリスナーだ。そしてその上でミュージシャンなのだ。

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