鈴木秀子先生・コミュニオンコミュの鈴木秀子先生　公開講座　文学と人生

聖心女子大学キリスト教研究会主催の鈴木秀子先生公開講座“文学と人生”に参加してきました。

夏休み明けで、久しぶりに授業でした。

いつものように穏やかな表情でお教室へ入って来られました。

教材は宮澤賢治の“よだかの星”

宮澤賢治は、東北の厳しい自然風土の中の農業の向上のためにつくし、深い仏教思想、人間の深みに触れ、作品の中に表現しています。

よだかの星のあらすじは：

よだかは、美しいかわせみや鳥の中の宝石のような蜂すずめの兄でありながら、醜く不格好なゆえに鳥の仲間から嫌われ、鷹からも「たか」の名前を使うなと改名を強要され・・・。

そして、自分が生きるためにたくさんの虫を食べる――たくさんの虫の命を奪う事をも悲しみ、彼はついに生きることに絶望し、太陽へ向かって飛びながら、焼け死んでもいいからあなたの所へ行かせて下さいと願いますが・・・。

太陽に、お前は夜の鳥だから星に頼んでごらんと言われて、西の青白い星、南の青い星、北の青い星、東の白い星々にその願いを叶えてもらおうとします

すべてに相手にれず、居場所を失い、命をかけて夜空を飛び続け、いつしか心は安らかに、少しわらっているようで・・・青白く燃え上がる「よだかの星」となります。今も夜空に輝いている。

各自黙読をしてから、グループに分かれて話あいました。

なぜかというと・・・読んだだけで、もやもやしているものを、話し合うことでまとまってきて・・・

自分が読み取ったものが宝になります。
その宝を磨くための作業です。

と、秀子先生が話してくださいました。

まさにその通りでした。

私たちのグループの第一声は…難しい・・・でした。

それぞれが自分で感じたことを話していくうちに、少しずつ深いところまで読み取っていけるようになっていきました。

３０分くらいのちに、それぞれのグループで発表をし、その都度、秀子先生が解説をしてくださいました。

授業が終わるころには・・・すべてが腑に落ちる感覚がありました。

いつも秀子先生がおっしゃる・・・５０年以上読み継がれている本物の文学は、心に響くものがあり、時に人の生き方まで変えます・・改めて、実感しました。

このお話のテーマは、よだかが何故、星になることができたのか・・・

よだかと、取り巻くほかの鳥や星などが、人間の世界の業に例えられるかの如く描かれています。

いじめであったり、自分の価値観でジャッジしたり・・

唯一かわせみが、ありのままの兄のよだかを、受け入れていることが、印象的でした。

思い通りに動いてくれる世界・・・幸せと感じ、そのために動きます。

でも、実際には、不条理の世界・・・

みじめさを、醜さを、自分の置かれた分を知って、・・
自分に何ができるだろう・・・

よだかは、認めてもらえないことをうけいれることで、そう考えるようになり・・・

自分の身を投げ出して・・・焼かれることで・・・小さい炎になれるかもしれない・・・人のためにもやし光を出すことができる・・・そして、辛い試練を繰り返してもチャレンジしつづけ・・・星となることができた・・・

人は、自分の思い通りに世界が、周りが動いてくれると・・・幸せ。
地位や名誉、富を得ても、完全な幸せではないのです。

結局は、すべてをなくしても、人のために、社会のために生きるこ・・・

人を生かし、自分も生かされる

秀子先生のお話で・・深い、深いところまで読み取ることができました。

いつも思うのですが・・・

本物の文学…こうして深いところまで読み取ることで、どれだけ心に響き、面白いかを、感じています。
読書の楽しさを…改めて感じています。

今まで、何を読んでいたのだろうか…そう思うことがたびたびです。

テーマから離れますが・・・

グループの代表で発表をするときに・・・
すみません、とか、うまく話せないのですが・・・などといいがちですが・・・傘をさす…つまり自分を守っている・・・進歩しません・・・とのことでした。

肝に銘じたいと思いました。

居は遠く宮城の栗原というところから…東日本大震災で大変な体験をされているにも関わらず・・・初めての授業に参加された方も発表をしてくださいました。

今日も、参加できたことに感謝しています。

１１月は、先生が海外へ行かれるので、休講です。
その代り、来年１月第三木曜日に補講をしてくださいます。

コメント(2)

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[1] mixiユーザー 10月22日 18:43

みち♪さん、こんにちは！

お忙しい中を書いてくださってありがとうございます。
これだけわかりやすく内容を文章にするのには、
とても時間がかかったことと思います。

＞人は、自分の思い通りに世界が、周りが動いてくれると・・・幸せ。
地位や名誉、富を得ても、完全な幸せではないのです。

本当におっしゃるとおりです。
このことを教えてくれたのが、
３月１１日の大震災だったと、つくづく思います。

多くの犠牲者のご冥福をお祈りするとともに感謝をささげます

そして、今こうして生かされている私は残された人生をどのように生きていったらよいのか、
真剣に考えて行動していきたいと思います。

みち♪さん、いつも素晴らしい日記をありがとうございます。
心から感謝します

[2] mixiユーザー 10月22日 22:05

にこにこえっちゃん

ありがとうございます

いつも、パソコンに向かって勢いで書いていますので・・・

３月１１日の大震災は、全世界の人々が…さまざまな形で影響を受け、
考えたのではないでしょうか。

あれだけの多くの犠牲者がでたのですから・・・
そこから学び取っていくことが、私たち生かされているももにおって、大切なことだと思っています。

今、ここに、こうして過ごすことができることに、感謝し・・・
一時的なことではなくて、しっかりと考え行動し続けていきたいと思っています。

にこにこえっちゃんの笑顔が、ふとした時に浮かびます。

またどこかでご一緒できる日を楽しみにしています。

いつも、ありがとうございます。

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