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割烹旅館 寿美礼コミュの寿美礼プレゼンツ「若の兄を知ってる会」

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寿美礼つながり情報として(夏休み企画としてご案内デーす)

「ドイツで長州人の魂の曲を響かせる」

下関出身山口ふるさと大使の作曲家「和田薫」のご案内です。
そう当館の「長男」です

実は、この8月26日に「ドイツはケルン」の放送管弦楽団による、
「和田薫と日本の響き」と題した
公演ツアーを県人初で行います。

これを聞いた私、弟としては、一肌脱ごうと決意し、
旅行ツアーを企画しました。

東京方面の方は、成田発  259,000円
山口県内の方は福岡発とし 239,000円

私がなんちゃってツアーガイドを担当しながら、5日間の旅をご案内いたします
旅行期間は8/26から8/30とやや弾丸ツアー的ではありますが、

ツアーポイントは
◆ヨーロッパの名門・ケルン放送管弦楽団が、世界的太鼓奏者・林英哲 と英哲風雲の会、そして津軽三味線の巨匠・木乃下真市を迎えて「和田薫の音楽」でドイツに新風を巻き起こす!ケルン側のリクエストでドイツで人気の犬夜叉の音楽「犬夜叉幻想」も演奏。
◆ 演奏日前日に出演者との交流会を予定(歓談・サイン会)
◆公演前にゲネプロ(公開リハーサル)見学
◆公演後、レセプション参加
◆最終日は観光付!世界遺産・アウグストゥスブルク城とドイツワインの名産地リューデスハイムにてワイナリー見学

詳細な旅行に関してと和田薫に関してはこちらへ↓↓↓
http://www.kaoru-wada.com/wdf_tour.php

ドイツゲルマン民族に長州魂を見せに行きますよ。


「ケルンへの道」がアップされました。
作曲がどのようにそして、今回のドイツからのオファーがどのように来たか
ブログ形式で語っています。

どうぞご覧下さい

http://www.kaoru-wada.com/blog/

コメント(24)

追加情報!

今世紀では、現役日本人作曲家としてのドイツケルンでのコンサートは初めてと言う情報が入りました
「ケルンへの道」を中継します

題名「プログラム」
以前コラムにも書きましたが、
僕の作曲活動は、「純音楽」と「劇伴音楽」の二つの音楽世界に立脚しています。今回のケルン公演は、主に「純音楽」の作品でプログラムされています。
公演ページにも掲載されていますが、プログラムは下記の通りです。

【第一部】
1 民舞組曲より「囃子」
2 林英哲ソロ「着到」〜 林英哲&英哲風雲の会「三つ舞」
3 民舞組曲より「土俗的舞曲」
4 津軽三味線とオーケストラのための“絃魂”
  津軽三味線/木乃下真市
【第二部】
5 管弦楽のための交響的印象“海響”
6 チェロとオーケストラのための“祷歌”(世界初演)
  チェロ/オリバー・ヴェンホルト
7 犬夜叉幻想
8 和太鼓とオーケストラのための協奏的断章 “鬼神”(世界初演)
  和太鼓/林英哲、英哲風雲の会(上田秀一郎、田代誠)

2曲の世界初演を含むこのプログラムは、かなり「和田薫の世界」を全面に押し出した構成になりました。

実は、当初お話を頂いた時には、僕の曲は「民舞組曲」と和太鼓との新作だけだと思っていたんですよ。
ところが、打ち合わせを重ねるたびに、どんどん方向が極端な方へ…
そして、最終的にケルン側から提案のあったコンサートタイトルが、

「The Echo of Japan - Die Musik von Kaoru Wada -」

おお! なんとタイトルに僕の名前が! (大汗)
事務局長のFechner氏の熱い気持ちが、タイトルからひしひしと伝わってきました。

当初からFechner氏のお気に入りの「囃子」と「土俗的舞曲」はあるとして、
「絃魂」と「海響」は、打ち合わせ中に「喚起の時」のCDを聴いてもらった際、
是非これをやろう! という話になりました。
特に津軽三味線の独特の響きに魅了されたようです。

そして、オーケストラのメンバーであるVc副主席・Oliver Wenhold氏に
日本の叙情的な雰囲気の新作を初演してもらおうという話も上がり、
かなり僕の「純音楽」でのテーマを中心にした構成になりました。

そんなある日、
「和田は犬夜叉の音楽をやっているのか?」
と突然連絡がありました。
「そうだけど…」

ドイツをはじめ、ヨーロッパでも犬夜叉は人気が高いと聞いてはいたのですが、
まさかクラシック畑のプロデューサーからそんな話が出るとは、想像しませんでした。

「実は、わたしの孫が犬夜叉の大ファンで、和田のコンサートをするなら絶対に犬夜叉を演奏して欲しい」
「ついては、オーケストラで演奏できる犬夜叉はあるか?」
と、Fechner氏から連絡があったのでした。

なんと嬉しいことにドイツから犬夜叉のリクエストが!

アルバムのために作曲し、「喚起の時」でも公演した「犬夜叉幻想」をすぐさま提案し、プログラミングされたのでした。

これで「純音楽」と「劇伴音楽」の二つの音楽世界が、ドイツでも披露されることになり、まさにタイトル通り「日本の響き 和田薫の世界」となりました
(和田薫ブログからばっさいシリーズ2)

「ケルンへの道」スタート!
いよいよスタートします特別ブログ企画を中継、
その名も、「ケルンへの道」!
 (なんだか昔懐かしいアニメのタイトルみたい)

BBSの個レスも遅れてしまいがちな僕が、
ちゃんとブログを続けられるか不安なところもあるのですが、
まずは記念すべき1回目!
この公演のきっかけをお話します。

それは2006年9月の1通のメールから始まりました。

「現代曲でもない、クラシックでもない作曲をお願いできないか…」

2002年バイエルン放送響で「民舞組曲」を取り上げてくれた音楽プロデューサーのWinfried Fechner氏が日本人の代理人を通して連絡をくれました。
バイエルン放送響とのことはコラムにも書いていますが、
現在彼は、WDRケルン放送管弦楽団の事務局長というポジションにいて、
新しい音楽会を開拓したいという企画でした。

しかも、その編成には和太鼓を入れて欲しいと。

ちょうどその頃、アメリカン・ウインドシンフォニーのために和太鼓とTimpと管楽器の協奏曲を書き終え、その後洗足学園音楽大学の委嘱で和太鼓アンサンブルと吹奏楽の協奏曲を考案している最中でした。

なんというタイミング!

オーケストラとの協奏曲も書きたい思っていたところに、
しかもケルンで!
こんなことは、めったにあるもんじゃありません。

コンサートはまだ企画の段階でしたが、
先の「民舞組曲」もプログラムしたいとのこと。
Fechner氏が、この作品をとても気に入っているとのことでした。

確かに僕の作品は、所謂“現代音楽”でも、西洋的な“クラシック”でもありません。

「人が本能的に感情を喚起させられるものは何か」
「日本人として、音楽を、創作を、どうとらえるべきか」

これらが、僕の作曲の上での主たるテーマですが、
まさにそのテーマのためにあるような企画ではありませんか!

聞くところによると、ドイツでも年々若年層のクラシック離れが顕著で、
いろいろな試みのもと、オーケストラの方向性を探っているらしいです。

そこで、僕のところへ白羽の矢が!

大変光栄なことです。

次回は、コンサートの内容についてお話しますね!
お楽しみに!!
はい?若の兄貴?

そおとぉー、知ってます手(チョキ)
レアな兄弟をご存知なんですよね。
ぐふふ。
こんな感じに仕上がりましたよ、我ら兄弟は。
和田薫ブログ中継シリーズ3

題名「ゲストの方々」

「日本の響き」と題したコンサートを盛り上げて下さるゲストの方々をご紹介します!

まずは、日本を代表する津軽三味線の巨匠! 木乃下真市さん!!

木乃下さんとの最初の出会いは、林英哲さんのアルバム「遥」でした。
僕はこのアルバムで1曲アレンジさせて頂いたのですが、
木乃下さんのその完璧なテクニックと魂溢れる演奏に、
「凄いっ!」と感じたのでした。

その後、1997年に新題名のない音楽会で林英哲さんの特集をした際、
木乃下さんの「海流」という曲をオーケストラとのダブル・コンチェルトとしてアレンジしました。

この時、「津軽三味線とオーケストラはいける!」
と直感し、後に「津軽三味線とオーケストラのための“絃魂”」を作曲することとなったのでした。

そして、今回「絃魂」のドイツ、いやヨーロッパ初演ということになります。
多分、ケルン市民の皆さんは初めて津軽三味線を聴くのでしょうね。
反応が楽しみです。

そして、ケルンからもリクエストがあった和太鼓は、
世界的太鼓奏者の林英哲さんと、彼のお弟子さんたちである英哲風雲の会から上田秀一郎さんと田代誠さんに参加して頂きます!!

英哲さんとは、もうかなり長いお付き合いをさせて頂いています。
最初の出会いは、実は僕がヨーロッパを放浪していた時代、
英哲さんとマリンバの安倍圭子さんがオランダで公演していて、その時お会いしているんです。
この時はご挨拶程度だったのですが、
1993年に安倍さんのために書いた「マリンバと日本太鼓、2人の打楽器のための四座響宴」を初演して頂きました。
その後は、前述したアルバムへの参加や番組のアレンジなどを経て、
去年初演した「協奏三章“鼓神”〜和太鼓と吹奏楽のための〜」と「和太鼓と打楽器アンサンブルのための“鼓神 II”」と2作連続して拙作を初演して頂きました。

最初に出会ってから、もう20年以上経つのですが、
全然変わらないんですよ! お顔も身体も!!
あの神々しい大太鼓を打つ時の後ろ姿。
ほとばしる魂の炎を見るような組太鼓を叩く時の姿。
ソロ活動25周年を迎えた昨年のコンサートも、多くのファンでサントリーホールを埋め尽くしていました。

今回、その英哲さんとの満を持してのオーケストラとの協奏。
英哲風雲の会のお二人にも参加して頂き、
ソロを伴ったコンチェルトグロッソ(合奏協奏曲)という形態で、新たな境地へ進むべく、作曲に取りかかりました。

しかし、、、

かなり難産でした。
構想は、この話を頂いてからなので2007年から。
何度スケッチを破棄し、スコアを書き直したでしょう。
オーケストラからは、完成はこの3月末までにという契約だったのですが、
ようやく、ようやく完成したのは6月でした。

もう出し切った、という感じですね。

タイトルは、
「和太鼓とオーケストラのための協奏的断章 “鬼神”」

「鬼神」とは、所謂角の生えた鬼ではなく、
古代日本の「鬼」と「神」を示すもので、
「鬼」は大地を守る神・大国主命、そして「神」は天上の神・天照大神を表すと云われています。
この協奏的断章では、和太鼓を大地の神「鬼」、オーケストラを天上の神「神」と位置づけ、観念的な天地の関係と、日本的文化とヨーロッパ的文化の洋の東西である「融合と対比」を作品に投影しています。

まぁ、作曲家の理屈はさておき、
きっと英哲さんと上田さん・田代さんの凄まじいパワーが、
ドイツ人の度肝を抜くことでしょう。


和田薫HP
http://www.kaoru-wada.com/
和田薫ブログ中継シリーズ4

題名「プログラムについて」

今日は、プログラムについてお話を。。。

当初はこのイベント的コンサートにいろいろなアイデアが出されました。
ドイツで若い人たちに圧倒的に人気のあるバンドとのコラボレーション。
民俗的な和太鼓のステージ等々。

兎に角、Fechner氏の現代音楽でもクラシックでもない音楽をやりたい、
という企画のもと斬新なアイデアが出ていたのですが、
なかなか「これっ!」というのが決まらず…

そんな時、WDRケルン放送管弦楽団との交渉を担当して下さったケルン在住のヴァイオリニスト高橋知月子さんが一時帰国すると言うことで、日本で打ち合わせをすることが出来ました。

新宿の某喫茶店で待ち合わせ、そこにはご主人でもあるチェリストのOliver Wenhold氏も一緒にいらしてました。
いろいろと話が進み、Oliverさんをソリストに叙情的なコンチェルトを初演することが決まりました。
彼は「民舞組曲」の「追分」を大変気に入ってくれて、「ああいう感じで、長さが倍くらいのがいい」と、かなり具体的な話にもなりました。
「『荒城の月』なんかをモチーフにコンチェルトにしてみるのは?」
とか、日本のメロディーをモチーフにすることなどのアイデアも出たのですが、
まずはこれからじっくり考えます、ということで今回の打ち合わせは終了。
そして参考のために「喚起の時」CD&DVDを差し上げたのでした。

それから暫くして、ケルンから連絡がありました。
2日のブログに書いた通り、「絃魂」と「海響」をやろう!
もうバンドはなし! 和田の作品だけでコンサートをしよう!
と無謀な(?!)企画へと突進して行ったのでした。

最初のブログにも書いたように、Fechner氏は「民舞組曲」、
特に「囃子」と「土俗的舞曲」をとても気に入っていて、
「これは絶対プログラムに入れるべき!」
ということで、あとは構成をどうするか…

そこで、折角世界的和太鼓奏者の林英哲さんと英哲風雲の会が参加するのだから、彼らだけのステージも是非!
ということで、英哲さんのソロ「着到」に続いてアンサンブルの「三つ舞」がプログラムされました。

ここで問題なのは、曲順と楽器の配置です。
和太鼓群は、かなりの分量と重さがあるため、そう簡単には出し入れできません。
勿論、オーケストラもコンサートの進行中に全体の配置を替えるわけにはいかないので、和太鼓のソロやアンサンブルの見せ方がとても難しいのです。
最終的には、オーケストラの後方センターに固定スペースを陣取ることになりました。
あとは、ホールの響きとの問題です。

それと、転換の時間稼ぎの意味もあり曲と曲の間にMCを入れることになりました。
通常のクラシックのコンサートでは、曲間にオシャベリはないですよね。
ドイツ語を話せない僕がどうなるのか…
かなり心配な部分でもあります(大汗)

全体は、第1部と第2部にわかれ、
第1部は民俗色のある内容、
第2部は新作初演を含めた、少し現代的な内容となりました。
ただ第1部での「民舞組曲」を全曲やると、コンサート全体の時間が長過ぎるので、「囃子」と「土俗的舞曲」のみとして、その間にMCを挟みながら英哲さんらのコーナーを構成しました。
そして、「着到」と「三つ舞」の間に、
ドイツで大人気のヴァイオリニストTakashi Bernhöft氏にアドリブで参加してもらうことになり、大きく華を添えてくれることでしょう。

約2時間のコンサート。
ドイツの聴衆の反応が楽しみです!
和田薫HPブログ中継シリーズ5

題名「ケルン」
みなさん、ケルンってご存知でしたか?

ドイツの中では、最も古い都市のひとつとして、ローマ帝国時代に建設された都市で、その名前は英語やフランス語のCologneからも分かるようにオーデコロン(フランス語で「ケルンの香水」)発祥の地でもあるんです。

そして最も有名なケルン大聖堂は、世界遺産にも登録されています。


日本でいうと杜の都仙台や京都のようなところでしょうか。
そう思っていたら、京都市とは姉妹都市関係にあるんですね。

僕は、個人的にはケルンと言えば、まずキース・ジャレットの「ケルンコンサート」
大学時代、友人に勧められて聴いたのがきっかけで、一時キース・ジャレットにハマリましたね。ケルン風なアドリブをよく真似て弾いてました。

そして、日本にも何度が来日している「ケルン放送交響楽団」
今回公演してくれる「WDRケルン放送管弦楽団」とは別オーケストラなのですが、同じ放送局のオーケストラで、歴史はケルン放送管弦楽団の方が古いようです。
交響楽団の方は主にクラシック、管弦楽団の方はクラシックもやるが、あらゆるジャンルのオーケストラ音楽をカバーするそうです。
そういう意味では、僕の作品にはビッタリ!

実は、20数年前のヨーロッパ放浪時代、一度ケルンを訪れているんです。
当時、オランダに在住していた指揮者の広上淳一さんのところへ転がり込んでいた僕は、
「おい、ちょっとケルンへ遊びに行こうぜ!」
と唐突に言われ、電車に飛び乗ること2時間あまり、古都ケルンへ到着。
当地で古楽を勉強していた知人の案内でケルン観光をしているんです。

もう四半世紀近く前のことなので、記憶も断片的なんですが、
あの大聖堂のことだけは良く覚えています。
500年の歳月をかけて建設された様相は、それはそれは圧巻で、ここにヨーロッパの歴史と宗教が凝縮している様をまざまざと見せつけられた思いでした。
以後どこの国に行っても聖堂訪問は僕のオキマリとなりました。

現在は、ドイツ最大規模を誇るケルンメッセ(東京ドームの5倍以上!)があり、
アニメやゲームの見本市もあるそうです。
ちょうど、今年の8月から9月にかけてにゲームの見本市があるそうで、
僕がケルンを訪れている頃は、かなり賑わっているそうです。

そして、なな、なんと、僕のコンサートの2週間後に、スクエア・エニックスの作品を中心にしたコンサートが、同じオーケストラの同じホールであるんですって!!
その中には、下村陽子さんが作曲し、僕がオーケストレーションをお手伝いした「KINGDOM HEARTS」も演奏されるらしく、
この時期2週にわたり、日本の現代作品・アニメ・ゲーム音楽が演奏されるなんて、

なんて、ケルンて素晴らしいんでしょう!!!

そんな魅惑の街ケルンへみなさんもどうですか?
ケルン公演ツアー

最後は、ちょっと宣伝。(汗)
和田薫HPブログシリーズ6





今回は、この特別ブログならではの企画で、
ケルンで公演する「民舞組曲」から「囃子」の演奏をアップします!

この演奏は、2003年11月に公演した僕の作品展でもある
「和田薫の世界 喚起の時」のライヴ映像です。



「オーケストラのための民舞組曲」は、1987年僕がヨーロッパを放浪中に作曲したもので、ヨーロッパ各地を訪れながら、日本人として何を表現し、作曲家として何を書くべきなのかを思索する中完成しました。

ヨーロッパのそれぞれの国には、5万人位の中規模都市でもオーケストラが存在します。それは地域の生活に溶け込み、自分たちのホームであるホールで練習も本番もします。
マーラーを演奏するような大オーケストラではなく、二管編成の、所謂シューベトサイズと言う規模なのですが、そこには音楽を楽しむ演奏家と聴衆が、ホールと言うサロンの中で、実に豊に音楽を享受していました。

そういう派手ではない、日常的な音楽のあり方を見聞し、
こういうサイズの、日常的な作品を書きたいと思っての創作でした。

曲は、「囃子」「馬子唄」「踊り」「追分」「土俗的舞曲」の5つの小品からなる組曲ですが、今回アップした「囃子」は、前述した創作のコンセプトの発端でもありました。

・ コンパクトな編成
・ 笛と太鼓を中心とした楽想
・ 津軽の「あいや節」からのリズムモチーフ
・ 合いの手としての「声」の導入

等々、それまで僕が作曲してきた作品とは全く違った方向性なのでした。

ある意味、この作品から僕は「日本人」としての作曲家の立場を意識してきたと言っても過言ではありません。

それには、前述したヨーロッパでの見聞の影響もありますが、
もう一つ、当時、指揮者の広上淳一さんのところへ居候していた僕は、
ヨーロッパと日本の音楽の現状と、現代音楽のあり方、そして日本人が西洋音楽をやることの意味と意義を、毎晩のように酒を酌み交わしながら語り合っていたことも大きく影響しています。

それは、作曲家の立場、演奏家の立場と環境は違えど、その未来へ向かっての「覚悟」を生成するに最も必要な時間だったのかもしれません。

その中で生まれたのが「民舞組曲」です。
この作品は、語り合った中で得た結果とヨーロッパで散々お世話になったお礼の意味を込めて、広上さんへ献呈されています。

広上さんが、スウェーデンのレーベルBISでこの曲をレコーディングしてくれたのがきっかけとなり、Fechner氏がこの曲を知り、2002年バイエルン放送響で演奏して頂き、そして今回のケルン公演と繋がってきたのです。

作曲してから、もう22年。
友人の部屋を借りてオーケストレーションしたり、
後輩たちにパート譜作りを手伝って貰ったりしたのが、つい昨日のようです。

そうそう、もう一つエピソード。
この曲は、スウェーデンでの初演が決まっていたので、当初から英語のタイトル「Folkloric Dance Suite for orchestra」と決まっていたのですが、日本初演をする時にこれをどう訳そうか迷っていました。
そのことを師匠である伊福部昭先生に相談したところ、

「『Folkloric Dance』だから『民』と『舞』を合わせたら?」

と提案して頂きました。

つまり、和訳タイトル「民舞組曲」の名付け親は、伊福部先生なんです。

和田薫HPブログ中継シリーズ7

「英哲さんと」
|
関東ではようやく梅雨明け宣言もあり、
毎日暑い日が続いていますが、皆さんのところは如何でしょうか?

その梅雨明けの中、先日小田原にある林英哲さんの太鼓道場でコンサートや新作「鬼神」の打ち合わせをしてきました。

ちょうど今、ケルンから公演打ち合わせの代理人をしてもらっている高橋さんと、オーケストラのチェリストであり今回のソリストでもあるオリバー・ヴェンホルトさんも来日していて、ご挨拶を兼ねて小田原まで同行して頂きました。
ロマンスカーで約1時間。
ちょっとした小旅行気分でしたが、公演の話満載で、あっという間に小田原に到着。
そこでマネージャーの大場さんと合流し、車で山道を走ること約15分。
廃校になった小学校の建物を再利用した太鼓道場で、英哲さん、上田さん、田代さんの今回出演して下さる方々がお出迎えをして下さいました。

まずは、オリバーさんと高橋さんをご紹介。
そして、公演の内容や会場のこと、楽器のこと、新作のことなど打ち合わせは和やかな雰囲気で進んで行きました。


そして、今回急遽、英哲さんとケルンで人気のヴァイオリニスト・Takashi Bernhöft氏とのコラボレーションを取り入れると言う打ち合わせをしました。
Takashiさんは、ドイツで活動しているのですが、お母様が日本人で日本の文化に大変興味があり、ご自身の曲も日本的な音にインスパイアされた作品を作っています。
今回英哲さんと共演できるのを大変楽しみにしているらしく、即興合戦の資料として、下打ち合わせと映像資料を記録しました。


3時間ほどタップリと打ち合わせした後、
英哲さんの計らいで、かまぼこで有名な小田原の「鈴廣」でお食事を頂きました。
あまりに食事が美味しかったのと、話が盛り上がって写真を撮り忘れてしまい、ここでご紹介できないのが残念ですが、是非小田原へお立ち寄りの際はお食事に行かれることをお勧めします!

今回の打ち合わせで、ケルン公演の内容がかなり具体的に見えてきました。
たくさんの出演者やスタッフの協力の下、熱狂的な公演になること絶対です!

「鬼神」の打ち合わせ&練習のために8月にもう一度小田原へ伺いますが、
またその時の様子もアップしますからお楽しみに!
田薫HP中継ブログシリーズ8


「土俗的舞曲」

テレビでは連日政局の動向が報道されていますね。
なんと総選挙は8月30日?!
まだケルンにいるんですけど…(汗)

さて、今日はプログラムのお話の続きを。

「土俗的舞曲」

この曲のことは、吹奏楽経験者をはじめ、多くの方がご存じかもしれませんが、改めて今回お話したいと思います。

元々、この曲はピアノ曲として作曲し、その後吹奏楽曲、そしてオーケストラとして変遷してきました。

大学2年の時、副科ピアノクラスの発表会があり、作曲科の学生はそれぞれ自作の曲を弾くようにとの課題が出され、2楽章からなる「連画」という曲を作曲し自演しました。

その時の演奏を聴いていたトロンボーンの友人が、
「この2曲目は吹奏楽向きじゃない? 時間も課題曲にピッタリだよ」
と、アドバイスをくれたのでした。
課題曲とは、全日本吹奏楽コンクールの課題曲のことで、毎年1,2曲(当時)を公募というコンクール形式で募集していました。
僕自身、高校時代吹奏楽部でホルンを吹いていたので、
「それじゃ、やってみようかな」
と、早速吹奏楽へのオーケストレーションをし、まず大学で試演、手直しをして応募、課題曲に選出、という経緯で吹奏楽版の「土俗的舞曲」がここに誕生しました。

この作品は、僕にとって一種の“スタート”でもありました。
まず第一に、初めて日本的な書法で作曲したのがこの作品でした。
それまでの高校時代や大学時代は、後期ロマン派や近現代的な作風の曲を習作していましたが、どうしてもその中には自分の“道”は見つけられないでいました。
そして第二に、師匠である伊福部昭先生からいろいろと教えを頂いている中、日本の伝統的な音楽文化の重要性は認識できても、なかなか経験や実践として実感できず悶々としていた時でもありました。

そんな時、この「土俗的舞曲」を通し、作曲や演奏の中で様々な重要なこと、その後僕が作曲家としてテーマにすべきことをこの作品は示してくれました。

そして、先日のブログの「囃子」の中でも触れましたが、「民舞組曲」を作曲する中で、この曲を終曲に配したのは、それまでの僕の作曲過程における総括にしたかったと言う思いからでした。

19歳の時にピアノ曲として作曲してから28年。
この間、現代音楽界や世界の音楽事情も変わってきました。
でも、今回ケルンでこの曲を演奏したいと言ってくれたFechner氏の気持ちは、時代と国や民族を越えて、音楽の本来の意義が共鳴したのだと、本当に実感しています。

今でも、師匠の言葉が耳の奥に残って聞こえてきます。
和田薫HP中継ブログシリーズ9



ようやく少年サンデー誌上でも発表されましたが、
「犬夜叉 完結編」がこの秋より放送スタートとなります!
第1期の放送が終わって約5年。
待ちに待った多くのファンの皆様、本当にお待たせしました!
そして、この時期に「犬夜叉幻想」をケルンで公演するタイミング!
まさに「完結編」を待っていたかのようなプログラムですね♪

実は、このプログラミング、先のブログにも書きましたが、
最初から選曲されていたわけではありませんでした。

この公演の企画者であり、オーケストラの事務局長でもあるFechner氏は、日本の太鼓とオーケストラで何か出来ないか、というのが最初のコンセプトであったらしく、それまで僕の「民舞組曲」をバイエルン響などで取り上げてくれてはいましたが、劇伴の音楽を書いていることは知らなかったのです。

2002年、ミュンヘンでバイエルン響が「民舞組曲」を演奏している経緯などはコラムにも書いていますが、この時街の本屋さんへ行き、多くの「MANGA」が売られていることにビックリしました。
しかもアニメージュのようなアニメ専門誌まであって、ちょうど犬夜叉の特集などもあったのには2度ビックリ!

こっちのオーケストラで「犬夜叉幻想」をやったらなぁ…

なんて、その時は妄想していたんですけど、まさか本当にドイツで演奏する時が来るとは夢にも思いませんでした。

ケルンには大きなメッセ(見本市会場)があって、そこでアニメやゲームの世界的な見本市が毎年のように行われるそうです。
犬夜叉をはじめ、D.Gray-manなど、僕が音楽を担当させて頂いたアニメがとても人気らしく、コスプレファンも大勢いるそうなんです。

そんな中、Fechner氏のお孫さんが
「和田薫の演奏会やるの? だったら絶対犬夜叉を演奏して!」
とリクエストをしてくれたようで、目出度く“犬夜叉幻想ドイツ初演”となったわけです。

犬夜叉は、オーケストラの劇伴に加え、多くの邦楽器を取り入れています。
それは犬夜叉の世界観をよりリアルしたいというコンセプトと同時に、ファンである小学生や中学生たちにホンモノの邦楽器を“古典曲”でなく、自然な形で聴き入れて欲しいという願いからでした。
そのかいあってか、多くの子供達が笛や箏をやりはじめたというお頼りを頂きました。

「犬夜叉幻想」は、オーケストラ作品なので邦楽器の編成はありませんが、そのテイストは「和」そのものですし、それを期待してくれているケルンのお客様に「生」で聴いて欲しいと思っています。

コンサートホールに、犬夜叉やかごめや殺生丸のコスプレでファンの人が来てくれるとイイなぁ。

追伸
ケルンツアーの応募は締めきりました。
ありがとうございました。

その他でご質問がある場合は若旦那あてにメッセージを下さい。
和田薫HPブログシリーズ10

「打ち合わせ」

各地で天候不順が報じられる中、
東京も急に雨が降ったり、蒸し暑かったりの毎日です。

そんなジメジメを吹っ飛ばす勢いで、今日はケルン公演の打ち合わせをしてきました!
参加者は、以前このブログでもご紹介したチェロのオリバー・ヴェンホルト氏、高橋さん、そして今回指揮をして頂く水間博明氏、津軽三味線の木乃下真市さん、マネージャーの島浦さんと大場さん等々、大人数での打ち合わせでした。

まずは、渋谷の某鮨屋で楽しくランチ!
今回指揮をして頂く水間さんは、ちょうど日本でのお仕事で帰国中だったのですが、ケルンにもう20年以上在住していて、オーケストラでは首席ファゴット奏者としての顔も持ち、作曲もするマルチな才能の持ち主です。


ケルンは内陸なので、なかなか美味しいお魚がないそうで、たっぷり日本のお寿司を堪能して頂きました。

そして、「絃魂」ドイツ初演に向けて、木乃下さんとお寿司を交えての初顔合わせ!
釣り好きの木乃下さんの話題から始まって、乾燥したヨーロッパでの楽器のケアのこと、音の鳴りの良いこと等いろいろと楽しいお話で盛り上がりました。

やはりリハーサルで初めて顔を合わすより、こうして気心を知っておいた方が、リハーサルもスムーズに行くんですよね。
特に「絃魂」は、“曲弾き”という津軽三味線独特のアドリブの部分があるのですが、それとオーケストラとのバランスは、この曲の要ともなるところなので、所謂“阿吽の呼吸”が重要になるんです。

あと、オリバーさんと水間さんを交えては「祷歌」の打ち合わせ。
今回が初演となる「祷歌」は、初演ならではの音楽の構築、作品とソリストと指揮者との意志の疎通がとても大切なんです。
フレーズの感じ方、リズムの解釈等を打ち合わせしました。

その他、いろんな打ち合わせをしたのですが、、、、

失敗した!!!
折角ブログをしているので、デジカメを持って行ってみんなの写真をアップしようと思っていたのですが、打ち合わせに熱中していて、すっかり写真を撮るのを忘れてしまいました!
スミマセン!!!

でも確実に着々とケルン公演の制作は進んでいます!
今日集まった皆さんも、とっても公演を楽しみにしてくれていました。
あとちょうど1ヶ月後。

それまで、またいろいろと報告しますね!!
(写真撮り忘れないようにしないと…ね!)
和田薫HP掲載シリーズ11

「祷歌」

いよいよケルン公演の8月となりました!
今日は、そのコンサートで初演される2作品の内、
「チェロとオーケストラのための 祷歌」について書きます。



この作品は、今回のケルン公演の打ち合わせの中で、
チェロを独奏とした、何か叙情的な作品を取り上げたい、と言う意向から生まれました。

チェリストのオリバーさんは、拙作の「民舞組曲」の「追分」のチェロ独奏部を気に入ってくれていて、こんな感じの曲は他にないかと訊ねてくれました。
当初、日本の民謡や「荒城の月」などの古い歌をモチーフにした作品を考えていたのですが、それだとオーケストラがどうしても伴奏的になってしまい、作品として独自性に欠けてしまうと言う結論に達し、それだったら全く新たに曲を書こう! ということになった次第です。

タイトルにある「チェロとオーケストラのための」は、チェロ協奏曲ではなく、チェロとオーケストラが対等な位置を為すのを意味します。

作曲にあたり、オリバーさんが演奏したCDなどを送ってもらい、その叙情的な感性や音色、そしてその「歌い方」にとっても魅了されました。
そして、あるイメージが浮かんできたのでした。

神社の拝殿、もしくは自然の中で、巫女が憑依し神化していく様。

チェロを巫女とし、オーケストラを巫女を包み込む自然とする形態。

そういうイメージの下、カデンツァを挟んで緩急の構成から成る8分位の新作が完成しました。

タイトルの「祷歌」とは、僕が考案した造語ですが、厳粛な祈りの中で歌われる儀式的な作品を表します。

実は、この作品の作曲過程でとても悩むことがありました。
上記の楽譜にあるように、始まりは「A」の音で、これは僕が最初に楽想したキーなのですが、これらのフレーズを1音下げて「G」にすると、開放弦を多く使った楽案になるんです。
通常、弦楽器は開放弦を使った方が「鳴り」が良いとされ、どちらのキーに設定するか非常に悩みました。

まぁ、いくら悩んでもチェロを弾かない僕には判断できるわけもなく、知人のチェリストに相談することとなったのです。

「A」音バージョンと「G」音バージョン

知人のチェリストも、楽譜をパッと見た感じでは「G」の方が良いだろうと思ったそうですが、なんと「A」の方が以外としっくりくるということでした。
弾き易さはどちらも同じだそうなんですが、どちらかというと「A」の方が“意外といいかも”と。
曲を通した音色は、全く違うのですが、やはり最初にイメージした「A」の方が僕のイメージした音に合っていました。

結論。
「A」 音始まりとなった訳です。

やはり訊ねてみるもんですね。
今回のことは、知人のチェリストも意外な結果でしたが、彼曰く、
「やはり、作曲家が最初にイメージしたものが一番いいんだよ」
と、この言葉に勇気づけられました。

オリバーさんとも、来日中に何度か打ち合わせしましたが、なんの問題もないとのこと。
あとは、ケルンでの合わせリハーサルが楽しみなところです。
そちらもまた、このブログで報告しますね!
和田薫HPシリーズ12

「鬼神」

気が付けば2週間ぶりのブログになってしまいました!(大汗)
この間、地方へ打ち合わせに出たり、締切りがあったり、録音や収録…
ケルンに行く前にやっておかなければならないことが山ほどあり、
アッという間の2週間でした。

そうそう、台風や地震など天災も凄かったですね。
被害に遭われた方へ心からお見舞い申し上げます。

さて、先日再び林英哲さんの太鼓道場へリハーサルへ行ってきました。
道場は、某所山中にあるのですが、緑の森の中、太鼓の音が響き渡りました。
英哲さんとは、ここ数年続けて拙作を初演してもらっているので、お互いやり口が分かると言うか、こうして欲しいとか、こうくるな、というのが以心伝心出来るようで、とても充実したリハーサルが出来ました。

今回の新作「鬼神」は、以前このブログでも書きましたが、
「鬼=大地の神=太鼓」と「神=天上の神=オーケストラ」という構図からなり、
日本の音と西洋の音との対比と融合でもあります。
既に数多くのオーケストラとの協奏曲を初演している英哲さんですが、この「鬼神」も英哲さんの太鼓を想定し、彼を中心にオーケストラも配置しています。


今回のコンサートの立案者でもある事務局長のFechner氏は、和太鼓とオーケストラの新曲をまず第一に考えたらしいのですが、特に特定の和太鼓奏者を決めていたわけではありませんでした。

オーケストラとの協奏曲というからには、新作の楽譜が読めるのは勿論のこと、オーケストラとのバランスや指揮者との呼吸、リズム感の違いを補正する技術など、かなりのテクニックと経験を必要とします。
現在、日本も和太鼓ブームもあって数千団体の和太鼓グループがあるのですが、この条件を満たしてくれるところは、英哲さんと英哲風雲の会を覗いてほとんどないのが現状なんです。

僕は、この話が来た時に真っ先に英哲さんのことをイメージし、彼にしかこのコンサートは出来ないとFechner氏に推薦したのでした。
英哲さんとはじめて会った「四座響宴」から、吹奏楽との協奏曲「鼓神」、打楽器アンサンブルとのコラボレーション「鼓神 II」、そしてこの「鬼神」と4作目を数えるに至りました。
どの作品も作曲者の楽想を大きく上回るパフォーマンスで、圧倒的な生命力を作品に吹き込んでくれます。
作曲家にとって数少ない「作品を書きたい演奏家」なんです。

コンサートのフィナーレを飾る「鬼神」が、どのようにドイツのお客様に迎えられるか楽しみなところです。

和田薫HPシリーズ13

「海響」



ケルン出発へ秒読み状態に入りました!
今回、林英哲さんらの「鬼神」で和太鼓をふんだんに使用しますが、「民舞組曲」や「絃魂」「海響」もオーケストラの打楽器パートに若干邦楽器が編成されています。

締太鼓、馬子鈴、びんざさら、拍子木等々

今回、これらの楽器を持参するのですが、なんと「びんざさら」は既にオーケストラが持っていました!
いったいどんな曲に使用したんだろう??

「管絃楽のための交響的印象 海響」には、締太鼓、鈴、そして木板を使用しています。
木板って?
これは、文字通り木の板を木槌で叩くんです。
いつもは、“まな板”なんかを使っています。
これが結構効果的なんですよ。
ドイツにまな板があるかどうか分からないので、一応持参します。

最近は、この曲の吹奏楽版もコンクールの自由曲に取り上げられることも多く、Gran Cassa(大太鼓)パートを和太鼓で演奏する団体も多く見られます。
「和」の感じを全面に出しているんですね。

この「海響」は、昨年アメリカ初演をし、続いてのヨーロッパ初演です。
千葉県銚子の委嘱で、当地の自然や民謡をモチーフにした作品ですが、銚子から全国へ、そしてアメリカへ、ヨーロッパへと広がって行くのは、作曲家にとってこれほどの歓びはありません。

コンサートの選曲をする際、この曲を演奏しようと言ってくれたFechner氏の脳裏にはどんな“海”が見えたのでしょう。
ドイツ北部のバルト海と銚子の海。
そこに共通点は少ないかもしれませんが、生命の源である海からインスピレーションを受けるのは、西洋人も東洋人も同じなのでしょうね。

ドビュッシーの「海」とは違う日本の海が、ドイツでどう響くか?!
和田薫HPブログシリーズ14

「出発」

さぁ、ドイツ・ケルンへ出発です!


19日からリハーサルです。
今回、リハーサルがなんと7回も!!

通常、日本のオーケストラは2回くらいです。
いつもやっている名曲クラシックなら1回のリハーサルで本番!
今回は、シーズン最初のコンサートと言うのもあるのと、全曲オーケストラにとっては初めての曲ばかりですからね。
それにしても、7回とは、、、、 生真面目なドイツ気質を感じます。

リハーサルの様子は、またこのブログで報告しますね!

それでは、行ってきます!!!
和田薫HPブログシリーズ15

「ケルン到着」

ケルン到着!!
時差の関係上、出発日と同日に到着するんです。

徹夜明けのまま飛行に搭乗し、機内ではグッスリ。
約12時間のフライトも睡眠&食事タイムで難なく乗り越え、無事フランクフルトへ到着。
チェロのオリバーさんと高橋さん、そして息子のファビアンくんがお迎えにきてくださいました。

フランクフルトからアウトバーンでケルンまで約1時間半。

最高速180kmでビュンビュン飛ばすのは流石ドイツ!
おしゃべりしながらあっという間に滞在先のホテルへ到着。

ササッとチェックインを済ませ、オリバーさん達に連れられWDRと近所を散策。

ホテルの目の前には、あのケルン大聖堂!

歩き疲れたところで、ビアホール?なレストランでケーニッシュ(地ビール)とケルン料理で夕食。

PETERSというメーカーのケーニッシュ
コクとキレがあって美味しい!


豚肉の厚切り薫製とマッシュルームポテトにザハクラフト
ビールにぴったりの料理! ザハクラフトはそんなに酸っぱくなかった。

日本→ケルン移動に街中観光と盛りだくさんの一日を無事終了!
明日は朝から打ち合わせです。
和田薫HPブログシリーズ16

「ケルン2日目(市内観光?!)」

出来るだけドイツの臨場感が感じられるようマメに更新しますね!

今日は、午前中にFechnerさんやオリバーさん、ステージマネージャー、録音担当の方々を交えての打ち合わせでした。
Fechner さんとは7年ぶりの再会でしたが、全然変わってなく、7年前の話や今回の企画のことで話題は尽きませんでした。
一番の問題である和太鼓の搬入や録音など、スタッフからもいろいろと質問や提案があり、このコンサートを成功させたいというモチベーションがひしひしと感じられ嬉しかったです。
Fechnerさんに、大太鼓のミニチュア(と言っても本物と同じ素材の)とハッピををお土産にプレゼントして大ウケでした。

打ち合わせの後は、ケルン市内見学。
日頃全くと言っていいほど歩く機会がない僕が、3時間もキョロキョロと(おのぼりさん状態)歩き回りました。

まずは、大聖堂の横にあるコンサート会場のフィルハーモニー


そして、ホールの裏にはライン川が流れ、ちょうど川沿いは公園になっていました。レストランも沢山あって観光客で一杯。
そしてそして、そのすぐ側からズ〜ッと続くショッピングモール

今日はウインドショッピングだけに。。。

その途中に市内観光用の機関車の形をした路面電車。

カワイイ!!

さらにさらに歩いていくと、今回のコンサートを主催してくださるWDR(西部ドイツ放送協会)のビルが。

この左のビルもWDRで、ズ〜ッと奥まで建物は続いています。
リハーサルは1駅先のビルで、本格的なレコーディングも出来るホールになっています。

なんだか観光ブログになってしまいましたが、明日からはリハーサル。
その模様もまたアップしますね!

お楽しみに!!

追記
今日のケーニッシュ

飲みやすくてキレがある。これで1杯200円!

夕飯はシュニッツェル

よくウチの夕飯でも作っているのですが、どんなもんだか味比べ
やっぱりビールに合う味でした。

午後8時を過ぎてもこの明るさ

夜はまだまだこれから! という雰囲気。
僕は帰って勉強します!
和田薫HPブログシリーズ17

「リハーサル1日目」
いよいよ今日からリハーサル!
まず初日は水間博明さんの指揮で「民舞組曲」からの「囃子」と「土俗的舞曲」、そして今回初演となる「チェロとオーケストラのための 祷歌」

今回、オーケストラへのプレゼントを兼ねて日本から締太鼓、馬子鈴、拍子木、木板を持参したので、それを抱えて9時30分にはリハーサル会場へ。
バカンス明けもあってか、既に早めに楽員の方々は集まっていました。
ちょうど廊下で、水間さんに先月28日の打ち合わせ以来の対面。
ご挨拶をして、まずは日本からの打楽器を演奏者へ。
ご挨拶と楽器の説明をして、指揮者室で軽く打ち合わせ。

10時から、いよいよリハーサル開始!
まずは、Fechnerさんの僕の紹介があり、その後に僕が挨拶。
勿論、ドイツ語は話せないので、英語で簡単にスピーチ。
「…僕の作品は典型的な現代音楽ではないですが、皆さんに共感していただけたら嬉しい…云々」

さぁ、まずは「囃子」からのリハーサルです。
リハーサルと言っても、レコーディング設備が完備されたホールでの練習。
響きがとっても良いのです。
最初の音出しで、バカンス明けとはいえ、オーケストラのバランスの良さ、各パートの力量の高さ、そしてなにより最初から作品に対する集中力が素晴らしい!
いろいろと奏法の説明や楽曲の解説も踏まえながら進んで行ったのですが、この「囃子」は打楽器パートに“掛け声”があり、最後の掛け声を全員でやろうということになりました。
「いよぉーーーおっ!」
という能囃子のような掛け声なのですが、皆さん楽しそうに叫んでくれました。

その後、「土俗的舞曲」のリハーサルに進み、午前のリハーサルは終了。
なんと10時から1時間半、みっちり演奏しっぱなし!
タフです、ドイツ人。
初日の初回からこんなに飛ばして大丈夫なの?!
でも指揮の水間さんは「全然大丈夫(笑)。バカンス明けだから2日くらいしたらもっと良い音になるよ」 このペースで7回もリハーサルですか?! 凄すぎます!
日本のオーケストラだったら○○されちゃいます。(苦笑)

30分の休憩を挟んで、午後からは録音を兼ねたリハーサル。
今回の公演は、キングレコードからリリースされる予定なのですが、日本の感覚で言うと、コンサートを一発録音してリリースするのがライヴ盤。
でも、こちらではコンサートは演奏の事故がつきものなので、必ずリハーサルをしながら、この設備の整ったホールで録音をするのだそうです。
やはりここでも完全主義のドイツ流!
しかも、これまでさんざんリハーサルしたのに、録音となると少しのミスも許されず、20回以上のテイクを重ねていました。
僕としては、「こんなに演奏して疲れないかな…」という心配ばかり。
ところが、水間さんは「全然このくらい少ない方ですよ」とアッサリ。
確かに、回を重ねるごとに、段々と僕の音楽を理解してくれ、コツが分かってきたせいか、どんどん良い音になっていきました。

録音のコントロールルーム
午後の録音は、コントロールルームで聴いていたのですが、ディレクターの素早い指示と粘り強いディレクションはとても勉強になりました。
またエンジニアも、ことあるごとに「これで大丈夫か? 何でも言ってくれ」と、とても積極的に、そして楽しそうに録音してくれました。
CDはステレオなのですが、なんと今回はサラウンド録音。
さすがドイツ最大の放送局だけあって、やることが徹底してますね。

コントロールルームからのオーケストラ
僕もよく日本の某放送局で録音するのですが、その違いに目を見張ると同時に、大変勉強になりました。
こだわりと妥協を許さないその姿勢は見習うものが多いなぁ。

「囃子」と「土俗的舞曲」でかなり時間を費やしたので、「祷歌」は今日は音だし程度に。でも、この曲は初演なので作曲者としては緊張の一瞬でした。
前2曲とは打って変わって、リリカルで荘厳な雰囲気なのですが、こちらの方がむしろドイツのオーケストラにはストレートに理解されたようで、2回くらいの通しで、僕の想像以上に曲が仕上がって行きました。

何より、チェロのオリバーさんの独奏が素晴らしい!!
「祷歌」におけるチェロは、巫女のイメージなのですが、まさにそれが憑依したような感じを受けました。 明日の本格的なリハーサルが楽しみです。

リハーサル後のロビーで
そして、ここでスペシャルなお知らせ!
なんと! 急遽今回のコンサートをインターネットでライヴ生中継することが決定しました!! 生中継なので、日本では夜中の3時からの開演。(苦笑)
でも、ネットなので全世界へのライヴ生中継です! お楽しみに!!
和田薫HPブログシリーズ18
「リハーサル2日目&3日目」

今朝一雨降ってようやく涼しいケルンとなりました。 もう毎日中味の濃いリハーサルと録音で、昨日はさすがにホテルへ戻ってグッタリ。
 2日目は「海響」からスタート。 この曲はブラスとパーカッションが大活躍する曲ですが、もう初っぱなから大音響! さすがドイツのオーケストラ、響きが熱い&厚い! さらに中間部の静かなところでは、弦の響きが美しい!
リハーサル会場と言っても、パイプオルガンまである立派なホールで、客席数も800席くらいあります。なので、響きがとっても良いホールで、プレイヤーもとっても弾きやすいと言っていました。

さすが放送局のオーケストラ! 自前のホールとレコーディング設備があって、楽屋にはカフェも。日本のオーケストラにとっては羨ましい環境です。

さて、「海響」のリハーサルは順調に進み、後半の“早馬鹿”などは信じられないテンション! ドイツ人の吹くあのお囃子のフレーズも良い感じでした。銚子のみなさんにも聴かせてあげたいなぁ。
 そして、録音はこれまた納得がいくまでテイクを重ねます。ライヴで聴く分には何も問題がないような箇所も、録音となるとちょっとしたアンサンブルのズレやピッチも許されません。ディレクターの無情なまでの(?)指示が飛びます。
「うわ〜、厳しいなぁ」
正直な僕の感想です。作曲家としては、完璧な演奏を目指してくれるのは大変ありがたいのですが、一方演奏者にとってかなりキツい僕の曲を、何度も演奏してもらうのは身が縮まる思いです。
指揮の水間さんも根気よく仕上げてくださって、頭の下がる思いです。

「海響」のリハーサルと録音を終えた後は、昨日リハーサルした「祷歌」のリハーサルと録音にはいりました。
 この曲は、これまでの曲とはがらりと変わって、内面的な音楽なのですが、それがドイツ人の感覚と共感したのが、深い味わいの響きとなって昇華されて行きました。 ソリストのオリバーさんも素晴らしく、たっぷりとした歌い込みと日本的な“間”の取り方が絶妙でした。きっと本番は、素晴らしい世界初演となることでしょう。

  そして、今日リハーサル3日目。
いよいよ僕の指揮で「犬夜叉幻想」と「鬼神」です。まずは「犬夜叉幻想」のリハーサル 「犬夜叉」は既にドイツでも放送されていて、コミックスも街の本屋に必ずある程なんです。でも、一応オーケストラの皆さんには「犬夜叉」の説明をして、リハーサルにへと突入しました。
 まず最初はざっと最後まで通しを。最初の響きから、もう鳥肌もんです!
この2日間、僕の作品をみっちり演奏しているせいか、僕の作品への理解度が日に日に増して、楽譜が何を言わんとするかを最初から良く理解してくれています。
ブラスセクションのパワーも、もう強力強大で、まさに“吠える!”って感じ。
木管楽器のソロも美しく、そして泣かせます。 犬夜叉は、これまで録音やコンサートで何十回と演奏してきましたが、外国で演奏するのは初めて。しかし、こんなに理想的な演奏をしてくれるなんて、実はちょっと驚きでもありました。

 僕の純音楽作品、「民舞組曲」や「海響」を海外のオーケストラで演奏する場合、微妙に違う節回しやニュアンスを説明するのに結構苦労するのですが、ここケルンでは、そのようなことが殆どありませんでした。 それは、放送オーケストラなので、いろんな音楽に対応できる柔軟性と、「犬夜叉」の様にドラマ的な背景がある音楽にとても共感してくれたからではないかと感じています。
そして何よりオーケストラが積極的に演奏してくれているのが大きいですね。
 それにしても、一番の問題は棒(大汗) ドイツのオーケストラを振るのは初めてなのですが、そのコントロールの重いこと。(苦笑) さすが、ベートーヴェンやブラームスの国。その重厚な演奏スタイルは犬夜叉を振っても変わることはなく、テンポの作り方に大汗をかきました。
 でも、これも大変貴重な経験。そして、段々と僕の棒に応えてくれる楽員達とのコミュニケーションがとても嬉しいんです。
「お前の曲は演奏しててとても楽しい」
「Great music!」
と、休憩時間や録音が終わってから、多くの楽員が声をかけてくれて、それが何よりも救いになります。

「犬夜叉幻想」も録音したのですが、これも日本の録音の仕方とは少々違い、慣れるまでが(まだ慣れてませんが)一苦労。作曲者より厳しいディレクターの注文がビシビシ飛んできます(大汗) それでも、なんとか録音を録りきり、「鬼神」のリハーサル。まずは、「鬼神」というタイトルの説明をします。
今回、オーケストラのオーボエに吉田さんという日本人の方がいらっしゃるのですが、このリハーサルや録音に通訳としても助けてもらっているんです。
このブログで何度か「鬼神」の説明をしましたが、これをドイツ語に訳すのはかなりの難題。やはり言葉のニュアンスや漢字という東洋独特の表意文字を説明するのは難しいですね。

 じゃあ、なんで漢字を使うの? と言われると、やはりそれでしか表現できない意味合いがあるんですね。「Sonata」とか「Divertimento」は、やはり西洋の思想を背景にしている形態で、僕の作品のタイトルにはどうもしっくりこないんです。なので、理解に多少時間がかかろうとも漢字や漢字による造語でタイトルを作るんです。

さて、「犬夜叉幻想」で僕もオーケストラも相当エネルギーを使ったので、今日の「鬼神」は1度通すだけ。世界初演でもあるし、今日は英哲さんたちもいないので、どんな感じの曲かをまずは知ってもらいました。

今日も内容ビッシリの1日でしたが、明日明後日はお休み。
ちょっと気分を変えて、ケルンを満喫したいと思います。
和田薫ブログ連動で行われた「ケルンへの道」

中身濃すぎて、書けないので、リンクで許してくださいね。
その代わり、超てんこ盛です。

http://www.kaoru-wada.com/blog/?p=250

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