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種田山頭火コミュの山頭火の日記『四国遍路日記』

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【山頭火の日記・『四国遍路日記』】
『四国遍路日記』には、昭和14年11月1日から昭和14年12月16日までの日記が収載されている。
この日記には、前回の伊那路で得た生命律と自然律の調和のなかにありつづけようとした様子があり、松山に移る前の屈託なく旅情のままを詠っている。

コメント(13)

【山頭火の日記・放哉の墓に詣でる】
昭和14年11月1日の日記に、《日が落ちてから、籏島(義経上陸地といわれる)のほとりの宿(もみぢ屋)に泊った》とある。
山頭火は昭和14年11月、二度目の四国遍路の途上、小豆島の尾崎放哉の墓に詣でている。この時、「その松の木のゆふ風ふきだした」「墓にごま水を、わたしもすすり」の句があり、山頭火は四合ばかりの酒を、まず墓石にぶっかけて、そのあと自分も飲んでいる。
二人とも酒好きだったが、晩年の放哉は肺が悪くてあまり飲めなかったので、墓の下でよろこんだことだろう。どちらも大学に学び、一応家庭を持ったが、夫人とは合意の上で別れ、一人の道をとぼとぼ歩んだ点は共通している。
【山頭火の日記・長尾町】
山頭火は昭和14年、四国遍路の途中で小豆島の尾崎放哉の墓参りに立ち寄り、小豆島を離れた日が10月25日、そして四国長尾町の八十八番結願寺大窪寺にたどり着いた日が10月26日となっているので、次の25日の晩は長尾町で野宿したと想定される。
山頭火は、長尾町内で22句を残している。山頭火句集『草木塔』によれば、「ここが打留の水があふれている」の句が大窪寺で作った句とあり、大窪寺境内に句碑がある。同じ句集に、「泊めてくれない折りからの月が行手に」「あかあか燃える火が、ふと泊る」の2句がある。長尾町内には、「夜が長い谷の瀬音のとほくもちかくも」など、10基ほどの句碑がある。
https://www.shikoku-np.co.jp/feature/nokoshitai/henro/1/
【山頭火の日記・まつかな柿もろた(牟岐町)】
昭和14年11月3日の日記に、《途中、すこし行乞、いそいだけれど牟岐へ辿り着いたのは夕方だった。よい宿(長尾屋)が見つかってうれしかった、(中略) 御飯前、一杯ひっかけずにはいられないので、数町も遠い酒店まで出かけた、酒好き酒飲みの心裡は酒好き酒飲みでないと、とうてい解るまい》とある。
この日の日記に、「しぐれてぬれてまつかな柿もろた」の句があり、牟岐町の国道55線(旧土佐海道)沿いの関集落(長尾屋跡)にこの句碑がある。この日、長尾屋の戸をたたいた山頭火を迎え入れ、柿をご馳走した宿の主人らのぬくもりが伝わる句です。句碑の辺りに、今なお旧土佐街道と当時の町並みがわずかに残っている。
https://geo.d51498.com/urawa0328/santouka/mugichou.html
【山頭火の日記・佐喜浜】
昭和14年11月5日の日記に、《早いけれど、佐喜浜の素人宿ともいいたいような宿(樫尾屋)に泊った、浜はお祭、みんな騒いでいる、今夜も私は二杯傾けた!》とある。
この日の日記に、「いちにち物いはず波音」の句がある。言いたいことだけを言って過ごせる日々。黙っていられる日々。言いたくなった時だけ、言うに価値あることだけを言えばいい日々。それが、人間の理想の日々かもしれない。
【山頭火の日記・四国遍路】
また、昭和14年11月5日の日記に、《途中時々行乞。お遍路さんが日にまし数多くなってくる》とある。
この日の日記に、「ぼうぼううちよせてわれをうつ」の室戸での句がある。
第23番薬王寺から第24番最御崎寺までは約76�辧�山頭火が23番に参拝したのは11月3日、24番に参拝したのは11月6日。四国の空と海を満喫しながら、3日間かけて歩いている。44歳で出家という異例の道を歩きながら、それが必ずしも求道一筋の満足のいくものではなかったことを、この句は正直に示している。
【山頭火の日記・室戸岬】
昭和14年11月6日の日記に、《行乞相は悪くなかつたと思ふ、海そひに室戸岬へいそぐ、途上、奇岩怪石がしばしば足をとどめさせる、椎名隧道は額画のやうであつた、そこで飯行李を開く、私もまた額画の一部分となつた訳である。室戸岬の突端に立ったのは三時頃であつたらう》とある。
この日の日記に、「波音しぐれて晴れた」の句がある。海岸から室戸岬灯台を見ると、灯台の向こうに第24番札所があり、空海修行の伝説地・御蔵洞もある。
【山頭火の日記・和食松原】
昭和14年11月9日の日記に、《七時前出発、橋を二つ渡るとすぐ安芸町、午前中行乞、かなり長い街筋である、行乞しおえると雨になった、雨中を三里あまり歩いて和食町、教えられた宿(恵比須屋)――町はずれの、松林の中のゑびすやにおちつく、ほんによい宿であった》とある。
この日の日記に、「朝の橋をわたるより乞ひはじめる」の句がある。朝の橋を渡り終えて、読経を始めて、いい充実感がわいてくるのを知る。
【山頭火の日記・わが手わが足】
昭和14年11月18日の日記に、《山のよろしさ、水のよろしさ、人のよろしさ、主人に教えられて、二里ちかく奥にある池川町へ出かけて行乞、九時から十二時まで、いろいろの点で、よい町であった》とある。
この日の日記に、「わが手わが足われにあたたかく寝る」の句がある。
今宵一夜は、人との交渉の一切を離れて眠り、大地にじかに触れて夜を送っている。自分を温めるものが、自分であると思う時、心はむしろ安らかになる。
この年、晩年の種田山頭火は四国の歩き遍路に出てこの地を訪れ、思いがけない歓待を受けた喜びを日記に記している。この句碑が、高知県仁淀川町土居の天明逃散地である安の河原のそばにある。
https://www.town.niyodogawa.lg.jp/life/life_dtl.php?hdnKey=971

【山頭火の日記・三椏咲きそろひ】
昭和14年11月20日の日記に、《それから久万へ、成川の流れ、山々の雑木紅葉、歩々の美観、路傍の家のおばあさんからふかし薯をたくさん頂戴した、さっそく朝食として半分、またの半分は昼食として、うまかった、うれしかった。(中略)五日ぶりの宿、五日ぶりの風呂!(よい宿のよい風呂) 街まで出かけて、ちゃんぽんで二杯ひっかけた、甘露々々、そして極楽々々》とある。
この日の日記に、「つつましくも山畑三椏(みつまた)咲きそろひ」の句があり、この句碑が静岡市秘在寺薬師庵境内にある。静岡市の山頭火研究家・愛好者らによって建てられ、毎年句碑まつりが行われている。
http://hizaiji.net/santoukakuhi.html

【山頭火の日記・大寶寺の句碑】
昭和14年11月21日の日記に、《早起、すぐ上の四十四番(菅生山大宝寺)に拝登する、老杉しんしんとして霧ふかい、よいお寺である。(中略)山が山に樹が樹に紅葉をひろげてうつくしさつたらない、いそいで四十六番(医王山浄瑠璃寺)参拝、長い橋を渡って、森松駅から汽車で松山へ》とある。
この日の日記に、「朝まゐりはわたくし一人の銀杏ちりしく」の句がある。大寶寺の山門を潜ると、本堂に至る石段があり、石段の右手にこの句碑がある。お遍路さんの大半は、気付くことなく登って行く。
【山頭火の日記・ひなたしみじみ】
昭和14年12月3日の日記に、《気分ややかろし、第五十七回の誕生日、自祝も自弔もあったものじゃない!》とある。
この日の日記に、「ひなたしみじみ石ころのやうに」の句がある。ですがこの句には、いままでの山頭火の生命力が感じられない。死期を予感していて、それにこだわっていたのか。とにかく自然の有り態が、こころの姿としてよく見えなくなっている。
【山頭火の日記・新風来居「一草庵」� �
昭和14年12月15日の日記に、《一洵君に連れられて新居へ移って来た、御幸山麓御幸寺境内の隠宅である、高台で閑静で、家屋も土地も清らかである、山の景観も市街や山野の遠望も佳い。京間の六畳一室四畳半一室、厨房も便所もほどよくしてある、水は前の方十間ばかりのところに汲揚ポンプがある、水質は悪くない、焚物は裏山から勝手に採るがよろしい、東々北向だから、まともに太陽が昇る(この頃は右に偏っているが)、月見には申分なかろう。東隣は新築の護国神社、西隣は古刹龍泰寺、松山銀座へ七丁位、道後温泉へは数町》とある。続く。
https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisetsu/bunka/issouan.html
【山頭火の日記・新風来居「一草庵」�◆�
前回の続き。このころの句に、「おちついて死ねさうな草枯るる」がある。
のち大山澄太が「一草庵」と名づけ、松山の知友に暖かく迎えられて過ごした。新居の一草庵では、老人となった山頭火にとって、生涯で最も静かなあたたかな生活が始まった。
なお一草庵跡には、「春風の鉢の子一つ」「鐵鉢の中へも霰」「濁れる水の流れつつ澄む」「おちついて死ねさうな草枯るる」などの句碑があり、「鐵鉢の中へも霰」の句碑は、没後初めて建てられた句碑で、山頭火の髯(あごひげ)が納められている。
http://www.haiku-matsuyama.jp/dogo/261/

この日で、『四国遍路日記』は終了です。

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