ゴスペルハウスコミュの「シモンの姑の家で -- Only After Sunset --」2023.01.28

ゴスペルハウスメッセージ 2023.01.28
「シモンの姑の家で -- Only After Sunset --」マルコ1:21-34

21 それから、一行はカペナウムに入った。イエスはさっそく、安息日に会堂に入って教えられた。
22 人々はその教えに驚いた。イエスが、律法学者たちのようにではなく、権威ある者として教えられたからである。
23 ちょうどそのとき、汚れた霊につかれた人がその会堂にいて、こう叫んだ。
24 「ナザレの人イエスよ、私たちと何の関係があるのですか。私たちを滅ぼしに来たのですか。私はあなたがどなたなのか知っています。神の聖者です。」
25 イエスは彼を叱って、「黙れ。この人から出て行け」と言われた。
26 すると、汚れた霊はその人を引きつけさせ、大声をあげて、その人から出て行った。
27 人々はみな驚いて、互いに論じ合った。「これは何だ。権威ある新しい教えだ。この方が汚れた霊にお命じになると、彼らは従うのだ。」
28 こうして、イエスの評判はすぐに、ガリラヤ周辺の全域、いたるところに広まった。
29 一行は会堂を出るとすぐに、シモンとアンデレの家に入った。ヤコブとヨハネも一緒であった。
30 シモンの姑が熱を出して横になっていたので、人々はさっそく、彼女のことをイエスに知らせた。
31 イエスはそばに近寄り、手を取って起こされた。すると熱がひいた。彼女は人々をもてなした。
32 夕方になり日が沈むと、人々は病人や悪霊につかれた人をみな、イエスのもとに連れて来た。
33 こうして町中の人が戸口に集まって来た。
34 イエスは、様々な病気にかかっている多くの人を癒やされた。また、多くの悪霊を追い出し、悪霊どもがものを言うのをお許しにならなかった。彼らがイエスのことを知っていたからである。

この箇所は、カペナウムというガリラヤ湖北西にある町での、ある安息日のできごとです。
安息日は、十戒の４番目に記されている、神様が目的をもって与えた戒めです（出エジプト記第２０章、申命記第５章）。
由来・起源は、神様が天地創造を６日間でして、７日目に休んだからです。
そして、目的は、「神様を覚えること」（参照：申命記５:１５）と「人、特に弱い人を愛すること」（参照：出エジプト記２０:１０）です。
「神様を覚えること」と「人を愛すること」、これは、信仰者の生き方の基本です。
ですから安息日は、生き方の基本に立ち返る日ということもできます。
神様を覚え、愛し、人を愛し、神様に従う人になりたいですね。

ところがいつの間にか、この大切な目的が忘れ去られ、手段や方法が大切にされ、手段や方法が目的をしのぎ、目的化してしまったのです。
ルールは神様抜きに細分化され、互いに安息の規則に違反していないかを、チェックし合う日、裁き合う日になってしまいました。
まったく安息のない、神様を覚えない、人を愛さない、そんな安息日ができ上がったのです。
減点法のように軽微な違反も数えられ、糾弾される。
現在のＳＮＳでも、よく目にする光景ですね。
そんな中で、人を恐れ、世間の目を恐れ、神様に従うのではなく、人の作った規則に従う人が多くなりました。
安息を失った安息日が、人々を縛りつける日々になったのです。

そんな時代に、イエスさまはやってきました。
そして、安息日に、人々を癒やしまくります、働きまくります。

【安息日の癒やしの記事】
ペテロの姑のいやし（マタイ8:14-15,マルコ1:29-31,ルカ4:38-39）
大勢の者のいやし（マタイ8:16-17,マルコ1:32-34,ルカ4:40-41）
片手のきかない人のいやし（マタイ12:9-13,マルコ3:1-5,ルカ6:6-10）
大勢の人のいやし（マタイ12:15-21,マルコ3:7-12,ルカ6:17-19）
１８年間病気だった婦人のいやし（ルカ13:10-17）
水腫の人のいやし（ルカ14:1-6）
ベテスダの池での病人のいやし（ヨハネ5:1-9）
シロアムの池での盲人のいやし（ヨハネ9:1-12）

なぜ、イエスさまは、あえて安息日に多くの癒やしを行ったのでしょう。
長年にわたり病を抱えている人にとって、あと１日待つことは、そんなに苦痛ではありません。
イエスさまが予告すれば、「明日癒される」という希望をもって、１日を過ごすこともできます。
しかし、イエスさまは安息日に癒やしました。
それは、完全な安息日を取り戻すためです。
神様の目的にかなった安息日、神様を覚え愛する安息日、人を愛する安息日、それを取り戻すためです。

無理解で、人を縛りつけたかった指導者たちには、それは破戒に見えました。
しかし、神様の与えた目的から見たら、まったく正しい安息日の過ごし方なのです。

安息日に、神の子、神様から遣わされた人が来て、神様のわざを行いました。
それを目にした人々は、神様を覚えるべき日に、神様を覚えることができたのです。
ペテロの姑は、たしかに癒やされました。
弱い人を守り愛する日に、弱い人が愛され、癒やされたのです。
それは町中に伝わりました。
安息日の回復がなされたのです。
信仰の大きな回復がなされたのです。
もう、ここカペナウムでは、大リバイバルが、大宗教改革が、起きるしかないでしょう。

そうして、「こうして町中の人が戸口に集まって来た。」（３３節）と、人々は、イエスさまのところへ押し寄せました。
しかし、しかしです、残念なことに、それは日が沈んだ後、Only After Sunset だったのです。
ユダヤの一日は、日没で変わります。
そう、彼らがやって来たのは、安息日が終わった後だったのです。

イエスさまは、日没前からペテロの姑のところにいました。
しかし、安息日の規則に縛られた人々は、日没後まで来ることができなかったのです。
何という残念な民、頭の固い民、不自由な民でしょう。
減点法の中でもがき続ける人々、安息日に押しつぶされてしまった人々です。
イエスさまの、「本当の安息日を取り戻すチャレンジ」は、反対派にイエスさまへの反発・殺意を生んだだけではなく、虐げられている人、救われるべき人、守られるべき人、喜んでいい人すら、ついて来ることができなかったのです。

それは、彼らの想像以上に、イエスさまの愛が大きすぎたためです。
大きすぎるものを近い距離から見ようとすると、見つけられなくなることがあります。
私も、富士山の近くの駐車場から富士山を見つけられなかったことがありました。
私の予想の遥か上に頂上があり、私の予想よりも遥かに広い裾野があったからです。
安息日に怯え、罪にまみれ、がんじがらめにされた人の目には、勝手な常識にとらわれた目には、本当のことが見えないのです。

そんな頑迷な民を、イエスさまは叱りつけ、目を開かれました・・・ということはありませんでした。
そこに来た病気の人々を癒やし、悪霊に憑かれている人を解放しました。
愚かで、無理解で、かたくなな人を、それでも愛するイエスさまが、ここにいるのです。

あなたも、私も、いつ、愚かでかたくなな状態になってしまうか、いや、すでになっているのかもしれません。
でもイエスさまの愛は、そんなあなたに注がれているのです。
あなたへの揺るぎない愛が、ここにあるのです。
そのかたくなさを赦すための十字架が、ここにあるのです。

イエスさまに愛されているあなたを、今日も生きましょう。


【十戒】出エジプト記20:1-17
20:3 あなたには、わたし以外に、ほかの神があってはならない。
20:4 あなたは自分のために偶像を造ってはならない。
20:7 あなたは、あなたの神、主の名をみだりに口にしてはならない。
20:8 安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ。
20:12 あなたの父と母を敬え。
20:13 殺してはならない。
20:14 姦淫してはならない。
20:15 盗んではならない。
20:16 あなたの隣人について、偽りの証言をしてはならない。
20:17 あなたの隣人の家を欲してはならない。

【参照聖書箇所】
申命記
5:12 安息日を守って、これを聖なるものとせよ。あなたの神、主が命じたとおりに。
5:13 六日間働いて、あなたのすべての仕事をせよ。
5:14 七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはいかなる仕事もしてはならない。あなたも、あなたの息子や娘も、それにあなたの男奴隷や女奴隷、牛、ろば、いかなる家畜も、また、あなたの町囲みの中にいる寄留者も。そうすれば、あなたの男奴隷や女奴隷が、あなたと同じように休むことができる。
5:15 あなたは自分がエジプトの地で奴隷であったこと、そして、あなたの神、主が力強い御手と伸ばされた御腕をもって、あなたをそこから導き出したことを覚えていなければならない。それゆえ、あなたの神、主は安息日を守るよう、あなたに命じたのである。

出エジプト記
20:8 安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ。
20:9 六日間働いて、あなたのすべての仕事をせよ。
20:10 七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはいかなる仕事もしてはならない。あなたも、あなたの息子や娘も、それにあなたの男奴隷や女奴隷、家畜、またあなたの町囲みの中にいる寄留者も。
20:11 それは主が六日間で、天と地と海、またそれらの中のすべてのものを造り、七日目に休んだからである。それゆえ、主は安息日を祝福し、これを聖なるものとした。