ゴスペルハウスコミュの「人間の目にはふさわしくないまま」2022.07.16

ゴスペルハウスメッセージ 2022.07.16
「人間の目にはふさわしくないまま」使徒12:20-25

20 さて、ヘロデはツロとシドンの人々に対してひどく腹を立てていた。そこで、その人々はそろって王を訪ね、王の侍従ブラストに取り入って和解を願い出た。彼らの地方は王の国から食糧を得ていたからである。
21 定められた日に、ヘロデは王服をまとって王座に着き、彼らに向かって演説をした。
22 集まった会衆は、「神の声だ。人間の声ではない」と叫び続けた。
23 すると、即座に主の使いがヘロデを打った。ヘロデが神に栄光を帰さなかったからである。彼は虫に食われて、息絶えた。
24 神のことばはますます盛んになり、広まっていった。
25 エルサレムのための奉仕を果たしたバルナバとサウロは、マルコと呼ばれるヨハネを連れて、戻って来た。

今週の聖書箇所のヘロデは、イエスさまが生まれた頃のヘロデ大王の孫、ヘロデ・アグリッパ１世です。
ここから、「人間の目にはふさわしくないまま」というテーマで、御言葉を開いていきましょう。

ヘロデ家・ヘロデ王朝は混血で、血筋を重要視するユダヤ人社会の中では、軽く見られがちでした。
それで、ヘロデ王は、ユダヤ人の評判や歓心を得るために、ユダヤ人が敵対視していたキリスト教会を迫害しました。
この第１２章の初めからあるように、手はじめに使徒ヤコブを処刑し、それは、思惑通り、ユダヤ人を喜ばせました。
「敵の敵は味方」という理屈のとおりですね。
それで今度は、キリスト教会のリーダー的存在である、ペテロを逮捕し投獄しました。
その後、ペテロは御使いによって解放されるのですが。

この聖書箇所の「さて」（２０節）は、その続きなのです。
ヘロデは、ツロとシドンには、食料も与えていました、
彼は、政治的にも、宗教的にも、経済的にも、大きな力を持っていたのです。
それは、多くの人々の目にも明らかでした。

今、現代も、世界にも、日本にも、大きな力を持った人たちがいます。
そのような人の中には、敵を勝手に作り出して、分断を生み出し、私たちを憎しみの中に引き込もうとする人もいます。
ですから、私たちクリスチャンは、
「人間の目にふさわしい人が、神様の目にもふさわしいのか？」と、吟味する必要があるのです。
神様を信じる者たち、神様を愛する者たちに、権力者が持つ権威に盲従することを、神様は求めていないのです。

ヘロデは、権力がありましたし、ツロとシドンの人々にとっては、生活上の必要もありました。
しかし神様は、それを良しとはしないで、御使いが彼を打って、彼は死にました。
人間の目、人間の必要と、神様の目、神様の必要は、一致しないことも多いのです。

あなたのまわりの、あなたの国の、力ある人はどうでしょう。
経済的な力のある人、政治的な力のある人、宗教的な力のある人などなど、力ある人たちです。
彼らは、あなたの目から見て、ふさわしい人でしょうか。
そして、神様の目にもふさわしい人でしょうか。
あなたは、様々な感情、様々な感想が、湧き上がるのではありませんか。

そして、あなたの人生に最も大きな影響を与える人物、そう、あなた自身はどうでしょう。
あなたの目から見て、あなたはふさわしい人ですか。
他の人の目から見て、あなたはふさわしい人ですか。
神様の目から見て、あなたはふさわしい人ですか。

私は、はっきりと「ＮＯ」です。
私はふさわしい者ではありません。
自分の目にも、他人の目にも、神様の目にも、まったくふさわしい者ではありません。
多くのみなさんも、きっと、そうでしょう。

私自身は、取るに足りない者です。
神様の前に出られるような者ではありません。
人間の目にも、神様の目にも、ふさわしくない者です。
これは、謙遜でも卑下でもなく、明らかな事実です。
神様の前に、なんの資格もない者なのです。

ただ、この資格のない者に対して、無条件に赦しを与え、また、神様の目にかなう者、神様にふさわしい者にしてくれたできごとが、二千年前にあったのです。
それが、イエスさまの十字架です。
イエスさまの十字架の血潮が、「人間の目にも、神様の目にも、ふさわしくない者」を、「人間の目にはふさわしくないまま、神様の目にふさわしい者」に変えたのです。
人間の目にはふさわしくないままの私が、神様の目にふさわしい私に変えられたのです。
人間の目にはふさわしくないままのあなたが、神様の目にふさわしいあなたに変えられたのです。
どうしようもないほどの、ふさわしくない者が、罪赦され、永遠のいのちを与えられたのです。

これが、「福音」です。
そして、この福音は、他のだれでもない、あなたのためのものなのです。
ここにこそ、謙遜の本質、本当の謙遜があるのです。

人間の目にふさわしい者になるためにアクセクするのはやめましょう。
神様の目にふさわしい者にされたあなたを、すでにされているあなたを、今日も生きましょう。