ゴスペルハウスコミュの「難解の中から、一つ一つ(2) --謎の鍵は冒頭に--」2020.10.03

ゴスペルハウスメッセージ 2020.10.03
「難解の中から、一つ一つ(2) --謎の鍵は冒頭に--」第１ペテロ 3:18-22

18 キリストも一度、罪のために苦しみを受けられました。正しい方が正しくない者たちの身代わりになられたのです。それは、肉においては死に渡され、霊においては生かされて、あなたがたを神に導くためでした。
19 その霊においてキリストは、捕らわれている霊たちのところに行って宣言されました。
20 かつてノアの時代に、箱舟が造られていた間、神が忍耐して待っておられたときに従わなかった霊たちにです。その箱舟に入ったわずかの人たち、すなわち八人は、水を通って救われました。
21 この水はまた、今あなたがたをイエス・キリストの復活を通して救うバプテスマの型なのです。バプテスマは肉の汚れを取り除くものではありません。それはむしろ、健全な良心が神に対して行う誓約です。
22 イエス・キリストは天に上り、神の右におられます。御使いたちも、もろもろの権威と権力も、この方に服従しているのです。

先週に引き続き、ペテロの手紙の中で最も難解な箇所、聖書の中でも最も難解な箇所の一つと言われているところです。
先週は、２０-２１節を開きましたので、今週は前半を開いていきましょう。

１８節は、十字架の救いの完全性とその事実について述べています。
何ら難しいところもない、事実です。

最も悩ましいのは、１９節から２０節の前半にかけてです。

19 その霊においてキリストは、捕らわれている霊たちのところに行って宣言されました。
20 かつてノアの時代に、箱舟が造られていた間、神が忍耐して待っておられたときに従わなかった霊たちにです。

十字架で死んだイエスさまが、霊となって、時間をさかのぼってノアの時代に移動したかのような印象を受けます。
いくつかの聖書注解書を読んでみたのですが、これが十字架から復活までの間に起こったという考えや、昇天後であるという考えがあります。
また、イエスさまが宣言したものの、ノアの家族以外は救われることがなかった。
人間ではなく、御使いたちに宣言した。
イエスさまではなく、エノクが行ったことと混同している。
過去の義人にだけ宣言した。
など、様々な説が書かれていました。
また、中には何度読んでもさっぱり内容のわからない説明まである始末です。

先週は、創世記第９章を引用して謎を解明しました。
そこで、今週は聖書のどこに鍵があるのかと、聖書を開いてみたのです。
すると鍵は、あっけなく見つかりました。

なんと、１ページ目、しかも、一行目。
聖書冒頭、神様は私たちに答えを用意していたのです。

創世記第１章１節
「はじめに神が天と地を創造された。」

神様は、時間と空間を創造した方です。
時間は神様によって創られ、空間も神様によって創られたのです。
そして、そこに宇宙とすべての被造物、最後の被造物の人間まで、を創造したのです。
なので、人間は、時間と空間から逃げ出すことができません。
そして、神様は、時間と空間に縛られることもないのです。

イエスさまは地上での公生涯、たったの３年間、ユダヤの地のあちらこちらにいただけです。
飛行機も高速鉄道も自動車もない、２０００年前のことですから、その移動範囲は微々たるものです。
イエスさまは、完全な人であり、また完全な神でした。

完全な人のままでは、１人で全世界に神様の国を伝えることはできません。
ユダヤの地で精一杯でしょう。
ペテロは、自身の体験やパウロの伝道を通して、神様が異邦人世界に、つまりは全世界に救いをもたらすことを知りました。
そのためには、時間と空間に縛られている人間のままではないと気がついたのです。
完全な神様であるイエスさまは、その霊においては、時間も空間も超越するのです。
すべての時間とすべての空間の人々に対し、神様の国の到来、救いの福音を宣言できるのです。

ノアの時代は、人類史上最も大きな裁きが行われたときです。
全人口のうち、たった８人しか生き残ることができなかった、最大の滅びです。
その最も大きな裁きと滅びの中にまで、イエスさまは神様の国の到来を宣言するのです。

それは、どんな時代の、どんな場所の、そんな状況の、どんなあなたでも、この十字架の救いから漏れることはないということを表しています。

難解の鍵は、聖書冒頭にありました。
解明された謎の答えは、「時間と空間を越えて、イエスさまはあなたを愛し、赦す」です。
あなたの前に、いつでもどこでも、神様の愛があるのです。

あなたは愛されています。
それが聖書の答えです。
最も難解な箇所の答えも、当然、同じなのです。
もう一度言います。
あなたは愛されています。