ゴスペルハウスコミュの「どちらがやさしいか」

ゴスペルハウスメッセージ 2015.07.18
「どちらがやさしいか」 マルコ 2:1-12

1 数日たって、イエスがカペナウムにまた来られると、家におられることが知れ渡った。
2 それで多くの人が集まったため、戸口のところまですきまもないほどになった。この人たちに、イエスはみことばを話しておられた。
3 そのとき、ひとりの中風の人が四人の人にかつがれて、みもとに連れて来られた。
4 群衆のためにイエスに近づくことができなかったので、その人々はイエスのおられるあたりの屋根をはがし、穴をあけて、中風の人を寝かせたままその床をつり降ろした。
5 イエスは彼らの信仰を見て、中風の人に、「子よ。あなたの罪は赦されました。」と言われた。
6 ところが、その場に律法学者が数人すわっていて、心の中で理屈を言った。
7 「この人は、なぜ、あんなことを言うのか。神をけがしているのだ。神おひとりのほか、だれが罪を赦すことができよう。」
8 彼らが心の中でこのように理屈を言っているのを、イエスはすぐにご自分の霊で見抜いて、こう言われた。「なぜ、あなたがたは心の中でそんな理屈を言っているのか。
9 中風の人に、『あなたの罪は赦された。』と言うのと、『起きて、寝床をたたんで歩け。』と言うのと、どちらがやさしいか。
10 人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを、あなたがたに知らせるために。」こう言ってから、中風の人に、
11 「あなたに言う。起きなさい。寝床をたたんで、家に帰りなさい。」と言われた。
12 すると彼は起き上がり、すぐに床を取り上げて、みなの見ている前を出て行った。それでみなの者がすっかり驚いて、「こういうことは、かつて見たことがない。」と言って神をあがめた。

当時のユダヤの社会では、病気は罪の表れと考えられていました。
つまり、病気になるのは罪深い証拠であると考えられていたのです。
もちろん、すべての人は罪を持っているわけなのですが、重い病気になる人は重い罪を持っていると考えられていたのです。

ですから、この中風の男は罪深い者である、と、自他共に認めざるを得なかったのです。
しかし彼は、「私の罪が深いからしょうがない」とあきらめはしませんでした。
励ましてくれる友人に運ばれて、イエスさまの前に出ようとしたのです。
人がいっぱいだったので、屋根をはがしてイエスさまの前に彼は現れました。

「子よ。あなたの罪は赦されました。」（５節）
イエスさまは、彼にこう言いました。
そのイエスさまに対して、そこに居合わせた律法学者が心の中で、イエスさまを批判しました。

「中風の人に、『あなたの罪は赦された。』と言うのと、『起きて、寝床をたたんで歩け。』と言うのと、どちらがやさしいか。」（９節）
イエスさまは、律法学者たちに問いかけました。

あなたは、この問いかけにどう答えますか？

無責任に言うだけなら、『あなたの罪は赦された。』の方が簡単です。
罪の赦しは目に見えないのですから、証拠がいりません。
中風の癒しは証拠が必要です。
しかしこれは偽善者の行動です。
そして律法学者たちは、イエスさまのことを偽善者と決めつけていました。

責任をもって言うのなら、どうでしょう。

イエスさまの場合、病気の癒しは、神様の御力で可能です。
イエスさまは主の御力をもって、さまざまな病気を直しておられたのですから。
イエスさまには、神様から癒しの力が存分に降り注がれていました。
一方、罪の赦しは、イエスさまが十字架にかかることが必要です。
いのちがけの、十字架の血潮が、罪の赦しには必要です。
イエスさまにとっては、『起きて、寝床をたたんで歩け。』の方が簡単なのです。
しかし、イエスさまは、いのちがけの宣言『あなたの罪は赦された。』を選択したのです。

では、私たちの場合、『あなたの罪は赦された。』と言うのと、『起きて、寝床をたたんで歩け。』と言うのと、どちらがやさしいのでしょう。

私たちの中には、神様から、癒しの賜物を頂いている人もいます。
しかし、癒しの賜物は、私たちすべてが頂いているわけではありません。
なので、『起きて、寝床をたたんで歩け。』と、簡単に言うことはできません。

それに対して、私たちが等しく全て頂いている賜物があります。
それは、救いの賜物です。
赦しの賜物です。
イエスさまの十字架です。
これは、すべての人に、そう、あなたに与えられている賜物なのです。
あなたは、『あなたの罪は赦された。』と、高らかに宣言していいのです。
すべての人の救い主・イエスさまの十字架が、罪の赦しを完成しているのですから。

『あなたの罪は赦された。』
これは、イエスさまにとっては、いのちがけの宣言でした。
しかし、あなたにとっては、喜びと感謝の宣言なのです。

あなたの人生に与えられた、このすばらしい賜物を、存分に発揮して生きましょう。