ゴスペルハウスコミュの「『できる』と『する』」2023.07.22

ゴスペルハウスメッセージ 2023.07.22
「『できる』と『する』」使徒12:3-14

3 それがユダヤ人に喜ばれたのを見て、さらにペテロも捕らえにかかった。それは、種なしパンの祭りの時期であった。
4 ヘロデはペテロを捕らえて牢に入れ、四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。過越の祭りの後に、彼を民衆の前に引き出すつもりでいたのである。
5 こうしてペテロは牢に閉じ込められていたが、教会は彼のために、熱心な祈りを神にささげていた。
6 ヘロデが彼を引き出そうとしていた日の前夜、ペテロは二本の鎖につながれて、二人の兵士の間で眠っていた。戸口では番兵たちが牢を監視していた。
7 すると見よ。主の使いがそばに立ち、牢の中を光が照らした。御使いはペテロの脇腹を突いて彼を起こし、「急いで立ち上がりなさい」と言った。すると、鎖が彼の手から外れ落ちた。
8 御使いは彼に言った。「帯を締めて、履き物をはきなさい。」ペテロがそのとおりにすると、御使いはまた言った。「上着を着て、私について来なさい。」
9 そこでペテロは外に出て、御使いについて行った。彼には御使いがしていることが現実とは思えず、幻を見ているのだと思っていた。
10 彼らが、第一、第二の衛所を通り、町に通じる鉄の門まで来ると、門がひとりでに開いた。彼らは外に出て、一つの通りを進んで行った。すると、すぐに御使いは彼から離れた。
11 そのとき、ペテロは我に返って言った。「今、本当のことが分かった。主が御使いを遣わして、ヘロデの手から、またユダヤの民のすべてのもくろみから、私を救い出してくださったのだ。」
12 それが分かったので、ペテロは、マルコと呼ばれているヨハネの母マリアの家に行った。そこには多くの人々が集まって、祈っていた。
13 彼が門の戸をたたくと、ロデという名の召使いが応対に出て来た。
14 そして、ペテロの声だと分かると、喜びのあまり門を開けもせずに奥に駆け込み、ペテロが門の前に立っていることを知らせた。

使徒第１２章には、ヘロデ王のキリスト教会迫害と、その死が描かれています。
ヘロデ王（ヘロデ・アグリッパ１世）は、イエスさまが誕生した頃のヘロデ王の孫です。
ユダヤ人の歓心をひくために、キリスト教会を攻撃・迫害しました。

そんな中、ペテロは捕らえられ、牢に入れられ、明日には殺されようという前夜に、御使いが彼を助けに来ました。
監視の番兵もいるのに、見事にペテロは救出されたのです。
マルコと呼ばれているヨハネの母マリアの家にペテロが戻ると、召使いのロデは、驚きのあまりペテロを迎え入れることも忘れてしまいます。
ロデから知らされた中にいた仲間たちも、信じることができませんでした。

「こうしてペテロは牢に閉じ込められていたが、教会は彼のために、熱心な祈りを神にささげていた。」（５節）
彼らは、ペテロ救出のために、熱心に祈っていたのです。
しかし、ペテロが戻ってくるとは、思っていなかったのです。
思えなかったのです。

今日はここから、「『できる』と『する』」というテーマで、御言葉を開きましょう。

この聖書箇所から、また、別の箇所からでも、「神様を信じている人は、どんなピンチでも、神様が救ってくれる」「祈ったら、必ず助けがある」「なぜなら、神様は何でもできる。不可能はない」というようなメッセージを聞いたことがあるかもしれません。
しかし、これは、半分は正しいですが、半分は間違いです。
正しい部分は、「神様に不可能はない」です。
間違いの部分は、「信じているなら、必ず助かる」です。

ペテロのために、信徒たちは熱心に祈っていました。
なのに、ペテロが戻ってくるとは思えなかったのは、なぜでしょう。
実は、直前の１-２節に、その答えがあります

「そのころ、ヘロデ王は、教会の中のある人たちを苦しめようとしてその手を伸ばし、ヨハネの兄弟ヤコブを剣で殺した。」（使徒１２:１-２）
このヤコブは、１２使徒の一人です。
彼が、１２使徒の最初の殉教者になったのです。
このときも、信徒は、ヤコブのために熱心に祈っていたことでしょう。
ヤコブももちろん、神様もイエスさまも、熱烈に信じていました。
しかし、彼は殺されたのです、ヘロデ王の人気取りのために。

ヘロデの計画が早すぎて、神様は助けることができなかったのでしょうか。
そんなわけがありません。
神様に不可能はないと、聖書は繰り返し明言しています。
この後に、ヘロデをあっけなく殺していることからも、明らかです。
エチオピアの宦官の前からピリポを瞬間移動のように連れ去った神様が、同じようにできないはずがありません。

神様は、ヤコブを助けることが「できる」けれど、「しない」を選んだのです。
そして、ペテロを助けることが「できる」から、「する」を選んだのです。
ここに、神様の意志があり、神様の理由（天国に行ったら、神様に訊きたいですね）があり、神様の自由があるのです。

私たちに自由を与える神様は、私たちを完全に自由にできる神様は、神様自身が完全に自由な方なのです。

「できる」と「する」は、別のこと。
これが、今日のテーマであり、今日のポイントです。

子どもが「晩ごはんは、プリンだけがいい」と毎日言い続けたら、親は毎日そうするでしょうか。
「できる」けど「しない」を選ぶのが、かしこい親でしょう。
そこには、意志があり、自由があり、愛があります。

「神様は何でもできるから、祈ったら、何でもするはず」っていうのは、神様に命令して、神様に号令かけて、言うことを聞かすことと変わりません。
神様は、人の言いなりにも、人の命令通りにも、人の奴隷にも、ならないのです。
「できる」と「する」を、完全に分けているのです。
だから、信じていたって、うまく行かないことがいっぱいあっても、大丈夫なのです。

そして、神様によって自由にされたあなたも、イエスさまの十字架によってすべての縛りから解放されたあなたも、「できる」と「する」を分けて、自由になってほしいと神様は願っているのです。
「できる」から「する」も、「できる」けど「しない」も、あなたは選んでいいのです。

人に支配されることは、従順とは違います。
新しい律法を作って、新しい鎖を作って、自分を縛りつける必要はないのです。
あなたの意志で、あなたの理由で、あなたの愛で、あなたの自由を、生きていいのです。
それは、信仰生活においても、学校でも、会社でも、家庭でも同じです。

あなたは、だれかの奴隷にならなくてもいいし、神様以外の言葉に振り回されることも、縛られることもないのです。

自由にされたあなたは、自由であり続けていいのです。
愛されたあなたは、愛し続けていいのです。
「できる」けど「しない」勇気と、「できる」から「する」愛は、あなたのものなのです。
その自由と、その意志をもって、今日も神様と歩みましょう。

【参照聖書箇所】
使徒 12:23 すると、即座に主の使いがヘロデを打った。ヘロデが神に栄光を帰さなかったからである。彼は虫に食われて、息絶えた。

(神様に不可能はないの例)
創世記 18:14 主にとって不可能なことがあるだろうか。わたしは来年の今ごろ、定めた時に、あなたのところに戻って来る。そのとき、サラには男の子が生まれている。」
ヨブ 42:2 あなたには、すべてのことができること、どのような計画も不可能ではないことを、私は知りました。
エレミヤ 32:27 「見よ。わたしはすべての肉なる者の神、主である。わたしにとって不可能なことが一つでもあろうか。
ルカ 1:37 神にとって不可能なことは何もありません。」

(神様は自由であるの例)
ヨハネ 8:32 あなたがたは真理を知り、真理はあなたがたを自由にします。」
Ⅱコリント 3:17 主は御霊です。そして、主の御霊がおられるところには自由があります。
ガラテヤ 5:13 兄弟たち。あなたがたは自由を与えられるために召されたのです。ただ、その自由を肉の働く機会としないで、愛をもって互いに仕え合いなさい。