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太極拳最高コミュの簡化二十四式太極拳 23

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10.動中求静

 「静」というのは精神的安定のことで、太極拳の演舞中に静に入る「入静・にゅうせい」つまり悟りの境地に入ることです。太極拳はもともと武術ですから、本来は演武というのが正当なのでしょうが、私が習った楊名時先生は太極拳のことを「鶴の舞」と称しておられ、鶴が飛翔している姿のマークが用いられていました。それに倣って「演舞」ということに決めています。
 「静中の静は真静にあらず、動中の静以て真静なり。」
 静の状態を顕在させるためには、呼吸が大きく関わってきます。太極拳は原則的に腹式呼吸で行いますから、酸素の摂取量が多くなります。すると細胞が目覚め元気が出てきます。呼吸の時、吸う息では交感神経が刺激され、吐く息では副交感神経が刺激されて自律神経に影響を与えます。
 ご存知の通り交感神経が優位になりますと、緊張が増し、副交感神経が優位になりますと、弛緩が進みます。この呼吸法によって自律神経のバランスが保たれ、静の状態を現出させることができるようになります。
 西洋では心の働きを知、情、意でとらえます。
 「知」といいますのは、五感の感覚系を通して得た情報によって外界を知り、それを脳に送り込む働きをいいます。目を通して網膜に映った外界の情報は、多数の点として認識され、その一つ一つの情報が、それぞれが一本一本の神経腺維を通じて視覚野へ送られます。
 視覚野ではその点情報を集めて、線情報として組み立て直し、その傾斜、曲がり具合、動きの方向などの分析を行い、特徴的な性質を抽出します。このようにして脳は、知の本質を探り出し、それを大脳皮質へ伝達します。
 「情」は、人間では感情、動物では情動としてとらえます。情動の場合、餌や異性は快い情動を起こして、他を引きつける作用として働きます。一方の不快情動を起こす刺激は、怒り、恐れ、不安を生み、相手を攻撃したり、あるいは逃走に導いたりします。情動とは、動物の本能的な価値判断に基づいた大脳旧皮質の働きによるものです。
 人間の感情は情動とは異なり、ノーブルな使命感あるいは敬虔な宗教的感情を伴っています。これは、大脳新皮質的な働きによるものであり、その判断基準は、先の大脳旧皮質の働きに、社会的・文化的価値判断が加味されたものです。
 「意」は、心の発動、心映えのことです。言い換えますと、意思あるいは精神といえます。これは人間だけに与えられた大脳皮質の働きです。その特色は行動を意思で操ることにあります。私たちが運動するときに働く脳の中枢は、大脳新皮質の四野から六野にあります。
 「運動野」といわれる四野は、運動指令信号を脳幹、脊髄に送り出す出口で、六野は「前運動野」と呼ばれる熟練運動をつかさどる分野です。もう一つ大切なのが「前頭前野」で、行動の柔軟性を担当する分野です。ここが阻害されると行動が単調になり複雑な行動ができにくくなります。
 前頭前野の続きにA10(エーテン)神経がありますが、ここが太極拳とおおいに関わっています。太極拳を演舞しますと、このA10神経が刺激されて恍惚感、壮快感を味わわせてくれるのです。またこの神経を繰り返し刺激することによりまして、大脳皮質の面積が増して脳の働きが高度化し、人間性がより高まると報告されています。
 「静」を演出する上で大切なことは、大脳新皮質がもたらす、上記のような知・情・意の働きを止めることです。
 動中求静の原文です。
 外家拳術、以跳躍為能、用尽気力、故練習之后、无不気喘者。太極以静御動、雖動猶静。故練架子愈慢愈好。慢則呼吸深長、気沈丹田、自无血脈僨張之弊。学者細心体会、庶可得其焉。

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