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Chupi*Chupiコミュのコミュ100人達成記念!宅八郎さんご本人によるオタク・リミックス解説掲載!

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アルバム「I.P.999」収録、「アルテア第4惑星の逆襲オタク・リミックス」の宅八郎さんご本人よる解説をこのコミュに掲載することにしました。
Chupi*Chupiコミュ100人達成記念です。
この1曲のために数ヵ月の制作期間を費やし、総サンプリングデータが9ギガにもなってしまったという宅さん渾身のリミックス。
この解説を読みながら、改めて曲を聴くと新しい発見がいっぱい。
「オタク・リミックスのオタクな聴き方」
それでは素晴らしい解説をどうぞ!!!

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「Perfumeっぽくリミックスしてみました(笑い)」

お聴きになった方は何か異様な印象を持つのではないかと思います。
第一にボクはいわゆるミュージシャンではないので、リミックスの手法はまったくセオリーを無視したものになっています。音楽と言うよりは数学に近いリミックスとも言えます(最終的にデータを電卓で検算しました)。
メロディもリズムも数値上で判断しています(コンピュータ上ではさまざまな表示が可能ですが、基本的な判断では縦軸が音量なり音圧など、横軸が時間軸=リズム)(メロディや音階→コード?→和音?は周波数特性や混合信号で適当に判断)。
なので、DJ [メカヤクザ] はほとんど「なんちゃってDJ」です!
自分の趣味嗜好を考えると「昭和の人間」なので、「J-POP」というよりは「歌謡曲」が好きです。
また、現在の音楽シーンやCLUBシーンのことはまったく知りません。外へも出かけなくなりましたし、テレビもあまり見ないですしね。
このリミックスの際に参考にしてみようと、大人気で流行しているTechno-pop-Idleらしい「Perfume」を何曲かあらためて聴いてみましたが、曲の区別がほとんどつきませんでした。。。何が「近未来型」だ、あぁん、全然分かんねぇよ! そのガジェットは昔の「サイバーパンク」をイメージしているのか、あるいは「スチームパンク」との関わりはどうなのか、可能であれば「スノウ・クラッシュ」にも言及して「歌」で表現して欲しいくらいだよ!「近未来」とやらをしっかり歌ってくれよ!
(余談・ボクは1990年に「バイオパンク」という独自の概念を友人のマンガ家・荒木飛呂彦に提唱)

さて、このオタク・リミックスですが、「DJとしてCLUBなどでかけることを一切考えずに」「お客さんが踊れるかどうか」を無視したリミックスでもあります(苦笑)。
Chupi*Chupiは「テクノポップ」ということでしたので、カタカナ和製英語としての厳密な意味から(英語圏ではテクノポップという言葉は通じない)、「昭和」を思考嗜好指向試行施行志向することにしました。
一曲を通してサンプリングの多さ、切り貼り(カットアップ=バロウズ的?)の多さは誰もが感じると思います。少なくとも4小節に一度、笑っていただきたかった気持ちがありますね。声ネタ(セリフ)やサウンド的なギャグを入れていったのは、ボクの場合「カッコイイ」と思われるより「笑ってもらえればいいなあ」と考えてルンです(両立するのが理想)。
目立つのは声ネタだとは思いますが、それ以外の音色サンプリングも膨大です。それは、たとえば昭和40年代〜50年代=70年代や80年代の日本で「当時の2流機材や楽器で」「理想的とは言えない環境で録音された」ような音は、今現在、再現不可能な不思議な空気感を持つものだったりするせいもあります。

ただし、サンプリングは1秒にも満たない1音か2音だったりするので、誰も「どの曲のどの箇所か」は気づきにくいけれども、何か一瞬耳に響くサンプリング箇所だらけにしたつもりです。
引用はクラシックから、アニメや特撮などの子供番組、深夜放送のセクシードラマ、60年代・70年代・80年代歌謡曲、グループ・サウンズ、音頭(民謡)、SMアダルトビデオ、Michael Jackson、ベンチャーズ、ジェームズ・ブラウン、キューバ音源、HIP-HOP、TRANCE、ピョンヤンでしか入手不可能な北朝鮮の音源、80年代テクノポップ・ニューウェーブなどなど、「宅八郎」でしか幅がありえないほど多岐にわたっています。

たとえば、各所にエレクトリック・ドラムの音が入っています。
じつは日本で初めてエレクトリック・ドラム(シモンズ)を使用した楽曲はピンク・レディー7枚目のシングル「サウスポー」(1978年3月)なんですね。→YMOの初ライブは同年10月、初アルバムは11月なので、おそらく日本初です→YMOはシモンズではなかったもしれませんが、エレクトリック・ドラムは少なくとも歌謡曲では「サウスポー」が初です。このリミックスでは、「サウスポー」の音をバラバラにして数カ所異なった形で使っています。
また、日本で初めてリン・ドラムを使ったのは82年の富田勲さんではなく、じつは81年の小林泉美さん(LM-1→当時、ロサンゼルスで日本円・約170万円で購入したハズ)だと思われるのですが、その曲の音色サンプリングも行っています。

さらに、このアルバムやChupi*Chupiのヒットを祈って、少しでもこの曲が多くの人に届けば、と願いまして、国民的人気アイドル、 KinKi Kids(キンキキッズ)の楽曲から3音、ハロプロのある楽曲からも数音使用しています。また、オーケストラ・ヒットが3音連続して鳴っている箇所がありますが、80年代のPCM音源とクラシック交響曲演奏の組み合わせですね。
リズムで言うと、Jungleなどの32ビートを超越するように、128ビートや256ビートを採用した箇所もあります。
50代のヒゲを生やした「趣味・ギター」のおじさんを酔っぱらわせて弾いていただいた70年代丸だしなギターも印象的かもしれません。さらにサンプリングによるギターも複数組み合わせていますが、それらはベンチャーズやジミー・ヘンドリックスなど色々です。

それから、最近の「小悪魔ageHa」読者などの若い方は「アゲアゲ」という言葉がお好きなようです。ボクもリスナー様が聴いて「上がる」ように、ある楽曲の英語詞「Up」の音声波形を加工して微妙に重ねてみるような工夫もさせていただきました。

「上がりました?」

また「アゲアゲ」と並列処理する形で「ノリノリ」の実現を同時に可能にする工夫もしてあります。「アゲアゲ」でありつつ「ノリノリ」、これは重要な課題でした。飲酒と向精神薬の同時服用は良くないので、今後多少お酒は控えるようにします。タバコも吸いすぎですね・・・。
(あ、それから、じつは昭和の都市伝説にあったような、女子中高生が「この曲って何か幽霊の声が聞えるよね」という心霊現象のような箇所もわざわざ作りました。あえて説明しませんので見つけてみて下さい)

クルクル4小節ないしは8小節ごとにリズムやビートを変えていく手法はDJメカヤクザの特徴的なスタイルです。これはマンガにあるようなドラマティックな展開をイメージしています(→次の展開がどうなるのか分からない読めない感じ→荒木へのアイディア提示期の感覚がそうでした)。
ただ、BPMは基本的に統一してますが、これだけドラム・パターンが変わってしまうのは(3拍だけずらしている箇所もありますし)・・まったく「踊れるか」無視しちゃってますね〜(苦笑)。

そして、最終プロジェクト・データは異常なことになってしまいました。すべてのトラックに手を入れ、データが恐ろしく重くなってしまったんです。
たとえば原曲からさらに新たなHi-Hatのデータを10以上使用しています。どうして10以上もあるのか、というと必要だったからです。ただ、ある1小節であっても左右のバランスのパラメータを変えて微妙な重ね方をしているために、どこを聞いてもHi-Hat4つは鳴っています。
ほとんどの音色に対して、CompressorやEQ、DelayやReverb、その他のEffectを本来の用途ではないらしい使い方で複合的にかけた上で書き出した信号をさらに再処理して重ねたりしています。LやRに気をつけて聴いていただければ、複雑さの一端が分かるかもしれません。ミュージシャンさんやエンジニアさんも不思議に思えるのでは〜。いくつかの重要なトラックでじつはCompressorやVolumeも、1小節どころか 1拍単位で変化させていったのですが、音楽的にはKick音さえ一拍ごとに変えるというのは多分やってはいけない気はします(低音域が不自然にならない工夫はしてありますが)。
こんなことを繰り返したためにトラック数は増えるばかりでした。
そして、最終的にサンプリング・データは9ギガを超えてしまい、トラック数は200を超えてしまいました!
あまりにもコマンド、タスクが複雑怪奇に多すぎたために、使用したボクのハイエンド・ワークステーション・コンピュータも最後には動作が怪しくなってしまうほどでした。。。

というわけで、オタクなり・ボクなりのリミックスを頑張って手がけさせていただきました♪ どうか「廃盤」になりませんように(笑い)。
「昭和の人間」として自分自身、このリミックスのテーマとしては、昭和=「70年代と80年代の不思議な融合」感、そして平成の現在流行形である「Perfume」や中田ヤスタカさんとは逆の次元を目指して別の「驚き」をオタクがやってのける、ということだったのかもしれません(熱烈なファンの方には「Perfumeの完全否定」と受け止められてもかまいません)。

2009/03/25 宅八郎 a.k.a.h.a.t.a. [DJメカヤクザ]

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ちなみにまだChupi*Chupi「I.P.999」を聴いてない方はこちらからご購入が可能です。

Amazon
http://www.amazon.co.jp/I-P-999-Chupi/dp/B001PSNI0A/ref=sr_1

コメント(5)

追記(というか・・・?)
Perfume、Perfumeとうるさいテクノポップの専門家が信じられない気持ちはじつは去年にはとっくにすでにありました。

ところで、Perfumeが言うところの「近未来」とかってまったく何をイメージしているのか分からないことには本文で触れています。
そして、「近未来」という言葉に対するボクが抱いた反感はこうだったのかもしれない、と最近ようやく気づいています。

それは・・ボクに未来がないからです!

未来が見えない。
漠然とした感覚であるとしても、同じように未来が見えない人たちが今の日本には多いんじゃないでしょうか?


中田ヤスタカにはまず「蟹工船」を読むところから、やり直せ、と言っておく!
宅さんありがとうございます!

処刑日記の更新、毎回ワクワクドキドキしながら楽しみにしております!!

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