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集え!ガチな映画感想家達よ!コミュのシティ・オブ・ゴッド

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シティ・オブ・ゴッド (2002)
原題; CIDADE DE DEUS
CITY OF GOD
130分
ブラジル

映倫 R-15 指定

監督: フェルナンド・メイレレス
共同監督: カティア・ルンド
製作: アルドレア・バラタ・ヒベイロ
マウリシオ・アンドラーデ・ラモス
原作: パウロ・リンス
撮影: セザール・シャローン
音楽: アントニオ・ピント
エド・コルテス

出演: アレクサンドル・ロドリゲス ブスカペ
レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ リトル・ゼ(リトル・ダイス)
セウ・ジョルジ マネ
アリシー・ブラガ アンジェリカ
ダグラス・シルヴァ リトル・ダイス
ダルラン・キュンハ

 “シティ・オブ・ゴッド”と呼ばれたブラジル・リオデジャネイロの貧民街を舞台に、暴力と貧困に埋め尽くされた子どもたちの日常を実録タッチで描いた衝撃の犯罪ドラマ。年端も行かぬ少年が殺人に手を染め、やがて街を仕切るギャングへと成長し激しい抗争に明け暮れる姿を壮絶な暴力描写で綴っていく。
 1960 年代後半、ブラジル・リオデジャネイロの貧民街“シティ・オブ・ゴッド”では銃による強盗や殺人が絶え間なく続いていた。そこでは3人のチンピラ少年が幅を利かせている。ギャングに憧れる幼い少年リトル・ダイスは彼らとともにモーテル襲撃に加わり、そこで初めての人殺しを経験すると、そのまま行方をくらました。一方、3人組の一人を兄に持つ少年ブスカペは事件現場で取材記者を目にしてカメラマンを夢見るようになる。70年代、名をリトル・ゼと改めた少年リトル・ダイスは、“リオ最強のワル”となって街に舞い戻ってきた…。

という風に映画データベースに記されている。

妙なことにここで思い出したのは大分前に観た「バトルロワイヤル」だ。 両方に共通しているのは過激なほどの暴力なのだが二つの映画を何万光年も隔てているのはそのあり方だ。 極端な管理社会の中で考えることも無くただ生き残りのために遊ぶゲームがスクリーンに現れただけの、映画にする必要も無い映画と「神の町」の社会、暴力とはリアリティーという点で隔たれているのだ。 日本に住む子供達のリアリティーの無さが対照されるかもしれない。

先ず銃器だ。 これを手にするとその場の権力は弄べる。 それを効果的に用いて子供の世間を渡るのが神の町の子供達、遠隔操縦で弄ばれる中で悲壮に現実感も無くポンポン花火や機関銃を連射するのが漫画世界の権力奪取ゲームだ。 

銃器を弄ばずに権力を手にしようとするのが開かれた社会ということが言われるが国際社会では今も軍という巨大な暴力装置を背景にする。 そして多少の暴力は使われるかもしれないし、それは日常だ。 また数の暴力というものもある。 民主主義社会では数が社会を決定してそれに負けたものにはこれが数の暴力と映るのだがこのように権力闘争には複雑な要素が介入する。 だがこの映画ではそれが原始的なほど簡単だ。 銃器を用いるのだ。 単純であるだけに危険が伴い、まだ年端のいかない子供の手になると如何に危ないかということがこの映画では示される。 生存のための闘争のモデルとして貧民窟でのある種のビルドゥングスドラマである。

神の町とはこのマイクロコスモスに適した命名ではある。 何年も前にブラジルの警察内部で大都市のスラムで浮浪する子供達を処刑していた警察官達が摘発されたと聞いてひどい話だと感じたけれどそれは無力の子供を町の清掃をするように殺した警察官達と子供達への半端なイメージからだとここで何年か前の記憶を新たにしてここで示されているような子供であれば警察官が処刑という違法な手段をとったことが納得される。

神の町には大人や年寄り達も住んでいるのだがここでは銃器で武装した子供達がわが者顔で闊歩するその様子がいきいきと描写される。 子供が簡単に銃を発射して子供の命を唐突に奪うのだがそこには理由がある。 ギャングとなり、またその仲間で連れ立って遊ぶほかの子供達にも主人公達と同じく自分の生を生きるさまが描かれていて少年青春ドラマでもあるからうきうきするような場面も多い。 

神の町はだれが作り誰が管理するのかということにはここでは神が作った場所でうごめくものとして子供達が中心になっているのだが、他にその外からここを覗くものとしてしてジャーナリズムのカメラが機能する。 カメラが映画の背骨になっているだ。 ペンは剣よりも強し、というならカメラはピストルよりつよいか。 舞台は60年代なのだからやはりニコンF1だ。 子供ギャングのあいだを行ったりきたりするちゃちなカメラではじまり話の締めくくりとして凄惨な自然淘汰で抹殺される主人公の一人やその主人公から利益を掠め取る官憲の様子をニコンFはトライXのフィルムに定着させるのだがこのニコンFという武器がどのように官憲の権力なり神の町を取り仕切る権力を露にするものとして機能したかどうかは示されない。 現実はいまも続く、というのがメッセージだろう。

子供に刃物は持たせるな、ということもありながら子供の時には肥後の守という量産のナイフを持って野山で遊んだものだが主に他愛の無いものを切ったり刻んだりするように用いてその使い方を学んだものだがそのノスタルジヤに冷水を浴びせるように、子供の手に銃器が入ったときのことを思うと身震いが止まらなくなる。 

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