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集え!ガチな映画感想家達よ!コミュのワイルドバンチ

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公開された当時は淀川長治や双葉十三郎と言った評論家に酷評されたらしいが、川本三郎や蓮實重彦といった一部の評論家はこの作品を支持。ロジャー・エバートに至っては“傑作。『ワイルドバンチ』は映画史に金字塔を打ち立てた”という最大級の賛辞を送った。今では西部劇の名作という地位を獲得しただけでなく。ジョン・ウー、タランティーノ、ガイ・リッチー、デ・パルマと今日の映画作家に与えた影響も最大の作品。バイオレンスというジャンルを打ち立て、スローモーションの使い方を変えた、ペキンパーの最高傑作。

当時古いと言われていた西部劇の定義を打ち破った作品で、西部劇の魅力を再構築しながらも、時代に取り残されて行く男を見事に演出。映画自体には哀愁が漂っているが、この作品の影響は未来に向かっていく力があり、その後に『男たちの挽歌』という作品が生まれた点も見逃せない。スローモーションを自らのスタイルに高めた彼の手腕は『マトリックス』や『チャーリーズ・エンジェル』などの諸作品を観れば今日の影響も大。そのくらい『ワイルドバンチ』のスローモーションは素晴しく、衝撃的。通常ショットと組み合わせ、独自のスタイルにしたが、実はこのスローモーションは『七人の侍』を観たペキンパーが「これは使える」と思ってやった事だ。彼の着眼点は間違いなかった。そのスローモーションを使ったバイオレンスシーンはペキンパーの代名詞となり、『ガルシアの首』、『わらの犬』『ゲッタウェイ』などでも観られるが、これらの作品に衝撃を受けたジョン・ウーが映像作家として成功したのも『ワイルドバンチ』があったからこそだと言える。

映像の素晴しさだけでなく、人物描写やストーリー展開、役者の演技も見事、はっきり言って傑作揃いのペキンパーの作品群でこの作品だけ完成度が浮いている。『昼下りの決斗』でも見せた、時代に取り残されて行く男たちの“初老ウエスタン”のかっこよさは今観ても色褪せる事はない。

ウイリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・ライアンといった役者達の極限の演技を引き出したペキンパー演出は役者をいらつかせる事が多かった。アーネスト・ボーグナインは目を見て演技をぶつけ合うのが好きだったが、ペキンパーはあえて、キャラ達にイライラした感じを持たせたかったため、現場ではサングラスを外さなかった。主人公のパイク役には当初、リーマーヴィンが予定されていたが、マーヴィンは他の作品のギャラに惹かれ、『ワイルドバンチ』を降りた。だが、今見るとパイク役はホールデン以外考えられない。

この作品の冒頭で、主人公達は思いっきり悪い奴らとして描かれる、正義の味方なんて一人もいない。関根勤が「正義の男ばっかり出てくる映画を観るくらいなら、出てくる人全員が悪人の方がよっぽど観たい」と語っていたが、まさにこの映画は出てくるヤツ全員が悪人、主人公以外も悪い奴らばっかりなのである。だけど人間って悪い部分もいい部分も持ち合わせており、単なる勧善懲悪に収まってない設定が魅力で、そこにこの映画のリアリティが存在している。死に場所を探している主人公パイクの最後の行動も、彼なりの人間としてのいい部分が全面に出ていて納得。終わってから泣けるタイプの映画ではないんだけども、感動する事必至だろう。

ストーリーやテーマだけでなく、見せ場もてんこ盛りで、アクション映画としても見応えは充分。冒頭の銀行強盗シーンからカットを細かく割りまくり、混沌とした戦場の様な銃撃戦を演出する。後半では橋を爆破して騎乗した人を馬ごと落とすなど、演出も本気だ。もちろんスローモーションを使ったクライマックスの銃撃戦は映画史に残る凄まじさで『ヒート』が映画史上最高の銃撃戦として宣伝されても『ワイルドバンチ』のインパクトや迫力には到底達しておらず、それくらい映画的興奮も芸術性も高い。

アクション映画としても西部劇としてもバイオレンスとしても最高峰、さらに男の生き様を描いている。映画ファンなら絶対必見の1本だ。

参考資料:プレミア“メイキング・オブ・ワイルドバンチ”

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