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DOG HUNTのページコミュの11th hunt(no.1)

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ヒーローには老けすぎた男からのプレゼント(前編)

「ドンッドンッドンッ」
今朝もこの呪われた音で起こされた。「ごめん。すいませんが、弾丸か電池を分けてはもらえないか。」こう外で男が叫んでいる。今日は絶対に起きないつもりだったがこの騒音には根負けだ。俺は仕方なくドアを開けた。
俺は入ってきた中年の四十代から五十代辺りの男に弾丸と電池をやった。弾丸の口径には問題なく彼の銃に込められた。男の変わった点はいきなりのこの注文の他に、和服姿に宗十郎頭巾という格好。怪しすぎる。しかし何かいやな感じもしないので俺は快くやることにした。「迷惑を掛けました。では私はこれで。後日改めてお礼に伺わせていただく。」そう一言言うと事務所を飛び出してしまった。

数日後。俺の事務所にドラゴンが現れた。訪問の理由は彼のチーム「オーシャン・・・なんちゃら」の抜き打ちでやる実力テストの教官。ようは彼らを強襲してくれっ事だそうだ。それにしても俺はカタカナが苦手だ。「なぁドラゴン。何とかならんかね・・・ネーミングが悪いよ。もっと覚えやすくしない。俺はフランス語は苦手でさ。英語はまだ得意なんだがね。」「おんしゃ・・・これ・・・英語ぜよ・・・。」沈黙が二人を包みどちらともなく同時にコーヒーを啜りドラゴンはトイレに入った。気まずい時間が流れた。その時だ来客者が来た。「ごめん。先日、ご迷惑を掛けた者です。」俺は男を笑顔で入れてやった。まさに救世主だ。
 男は倉田典膳と名乗った。初老だが神父の鈴木のように体つきが良すぎる。確かに倉田とのファーストコンタクトでは明らかに彼は戦闘の最中だった。彼の手土産のチョコレートを出し彼の分のコーヒーを出した。ドラゴンが戻ってきた。わが師は素っ頓狂な声を上げ
「倉田か・・・おんしも来たがか・・・。しかし老けたのぉ。」
どうやら知り合いのようだ。きっとドラゴンや土方と同じ世界の人間だろう。異世界からこんなに闖入者が来ると世の中が何でも有りのような気がしてしまう。
「坂本さん・・・そうかあなたも時も飛ばされたのですか・・・。」ドラゴンの本名は坂本なのか・・・。
「倉田・・・いやいや、鞍馬天狗も老けたのぉ・・・しかし格好は変わらんか・・・・。まさかここで会うとは思わんかったぜよ。」「私は時や場所を飛ばされてずっと生きていきましたから。今の坂本さんのような現象には慣れてまして。未来や過去によく行きます。といっても自分で行き先も選べなければ同じ歴史軸、時間軸の世界ばかりではないので孤独ですがね。それに元々生まれたのは幕末ではないのですよ。」「ほう、そうか。道理でわしにも思いつかんことをしょっちゅう考えつくと思ったわ。それに時間旅行も慣れっこか。戻れんかなぁ・・・。戻りたいのう同志はどうなったかのう。乙女姐さんやお竜はどうしちゅうがか・・・。」俺は話に加われないので孤独を感じた。
「なんだ。おたく達は知り合いか。あんたもどっかから来た人ってわけね。しかしおたくの刀も銃も変わってるね。」倉田の刀は柄も鞘もサイケなデザインで銃もやけにポップな感じだ。「これはこことはまた別の世界。別の星かも知れませんが、そこのロストテクノロジーと呼ばれる科学技術で作られた兵器で、刀は特殊合金で電気を流すと超高熱を発しそれで斬るんです。銃はどんな口径にも対応できて威力も調整できます。峰撃ちが銃で出来ます。刀では出来ませんがね。それと私がちょっと工夫を凝らしこの世界の電池で稼動できるようにしました。」「すごい話しですね。まるでSFだ。それはそうと、何か揉め事でも。この間も何か厄介ごとのようでしたし。」「実は先日のことです。愚連隊の連中が少年にレッドサンダーを無理やり売っている現場を目撃しましてね。ちょっと仕置きをしたのですが、逆ギレされまして、愚連隊とそのバックのヤクザに狙われましてね。」レッドサンダーとは非合法の麻薬、覚醒剤の一種だ。目薬の様に目にさすと飛んでる弾丸さえはっきり見える。ドラゴンが口を挟む。「おんしゃ正義感が強いのぉ。その少年って杉作に似の美少年なんじゃろ。」「なぜ分かった。坂本さん。」「だって、おんし昔から杉作や美少年に対してすごいじゃろ。抱きついたり、鼻水たらしたり、鼻血吹いたり。そんで美少年が不良に絡まれでもしたらその不良に地獄のほうがまだましっちゅうお仕置きするしの。」ドラゴンのお友達は変態しかいない。土方はどうしょうもないサディストだし、倉田もショタコン。ドラゴンがまともに見える。「ドッグさんと言いましたね。ここは何でも屋でしょう。実は一つ頼みがありまして。」「ここは探偵屋なんですがね。まぁいいでしょう。話しは何です。」さっきのヤクザの始末だろうか・・・。「子供を一人保護してもらいたい。身寄りのない子で、さっきの事件の少年です。私の自宅で面倒を見ようと思ったのですが激しく拒否されたもので。」その少年の態度は正しい。この男の下では貞操が危ない。きっと俺が美少年ならこの男のそばには出来るだけいたくないと思うはずだ。「おーい。入ってきなさい。」倉田の声で少年が入ってきた。十四歳ぐらいの男の子だ。「今日からこのオジサンが君の面倒を見てくれるよ。さぁ挨拶しなさい。」俺はまだ面倒みるとは言っていない。「僕の名前はイワン・ドグマヴィッチ・ライコフ。僕の飲み物は出ないの。喉が渇いたよ。」困った顔で師匠の顔をみると「是非もない。ドッグよ、そのようにせい。」命令されてしまった。倉田から当面の生活費と十分過ぎる金銭を貰う。少年は中性的な端整な顔立ちで少女のようにも見えなくはない。また少々我がままな話し方をする。小生意気な女って感じだ。可愛いとは思うが一緒に生活をするのは疲れるだろうし、ナンシーカオリに押し付けても断られるだろう。ここは岡の女に頼もう。
「了解しました。イワンの面倒を見ますよ。」しばらく談笑の後にオッサン達は帰った。「さてオッサン共も帰ったし今度は君を送る番だ。」「どこに連れて行くのさ。」「岡のねぇさん達のところ。お前もむさい俺のとこよりいいだろ。なんたってここは青少年の育成には良くない。」「風俗街のどこが育成にいいのさ。」「おいおい職業蔑視はいかんなぁ。あの街の住人は情に厚い奴らんだよ。困った人を助ける奴らだよ。」「僕・・・行かないから。ここにいるから。誰があいつらの所なんかに。」何か私情があるようだがあえて聞かないことにする。説得するのは骨が折れそうなので置いておく事にしよう。夕飯は何が言いか聞いたら「オッソブーコとエクレールが食べたい。」なんて抜かす。俺は英語が苦手だ。ついでにドイツ語もイタリア語もだ得意なのはフランス語だ。どうやらオッソブーコは仔牛のすね肉の料理でエクレールはエクレアのことだった。そういうわけで今日の献立はカレーになった。俺はナンシーとカオリを呼び早速調理を開始させる。その間、お子様はずっとアニメを見てらっしゃった。夕食を四人で食べる。旨いかと聞いたら「不味くない。」との返事。これは超うめぇ、あんたは料理の天才だ。という事だ。食後に彼女達が先日作ったアップルパイを出してやったら飛び付いていた。可愛いところもあるようだ。食事の最中に彼をよく観察してみるとどうやら女には懐かないらしい。これはあまりよろしくない。倉田がどれくらいの期間まで俺にイワンを預けるかは知らないが、いつかは誰かのところに押し付けようと思っているので、この女性嫌いを直していただかないと・・・・カオリもナンシーもいい女ではある。確かにアッパッパーな女ではあるがそれは明るいということだ。考えてもしょうがないので明日からは俺の行動にお供をさせよう。事務所に置いておくわけにもいくまい。

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