西崎義展コミュの西崎義展

結局、何ヶ月か前に、息子を連れて行こうとして断られ、交響曲ヤマトの余ったチケットは、映画監督でアニメカラオケのイベントマスターであるキムラケイサクくん（ぺろりんが姫）に譲って、二人で宇宙戦艦ヤマトを聞きにいったのだが、さる情報筋から
「西崎さんは、最近体をわるくして車いす生活を余儀なくされている。おそらく今日は会場に来れないだろう」
というものだった。

東京芸術劇場へ続く長い一本道のエスカレーターをのぼると、そこには
大友直人氏へあてた花がひとつだけおいてあって、そこには「宇宙戦艦ヤマトプロデユーサー　西崎義展」と書かれていた。

その存在感たるやすさまじく、それ以外花らしいものはまったくない大ホールにおいて、静かなれど政治家の街頭演説以上にアピールをするものだった。
客の中には西崎さんの健在を象徴するものとしてその花を撮影する人が続出。
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戦メリ、太平記、優駿、華麗なる一族、前半の演奏が終わる。

キムラケイサクはタバコを吸いにいったん外へ出ようとして、僕はそれとは別にトイレへ行った。
普通に用を足すと、ある事に気づいた。折りたたみ式の車いすを持ったまま大のドアの前で直立している男性がいる。

そのときキムラケイサクくんの「西崎さんは車いす」という言葉が脳裏をよぎり、かなり混雑していたトイレの中だが動かずひんしゅくを買いながらトイレの中から誰が出てくるかひたすら待ち続けていると、５分くらいして出てきたのが、西崎プロデューサーだった。

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もちろん３０年前のヤマトブームを経て様々な波瀾万丈な人生を送ってきているので、以前の面影とは多少異なるが、西崎さんですか？と訪ねると、間違いなく本人であることを告げられる。

西崎さんは車いすであったが顔色はうすいピンクで血色もよく、「お元気そうでなによりです」と声をかけると、
つい先日、ベットでうっかりして腰を打って、その時に肋骨を折ったので、こんな（車いす）状態で、、、」と小さな声で返事をされたが、それは逆に、（不慮の怪我で車いす生活だが）たまたまそうなったのであって、本来は車いすなしでも動ける、生活できるということを示唆しているようでもあった。実際、トイレから出てきた瞬間は、介助なしで一人で立って、ゆっくり自ら車いすに着地していたので、その車いすはあくまで痛みを予防する為のものであることは推測できた。

「僕はミクシイで西崎コミュをやらせてもらっている木下というものです。」と言った。写真を一緒に撮ってほしいというと、少し間をおいて快諾してくれた。照れたり考えたりするまでもなく、やわらかにいいですよという返事が返ってきたのも堂々たるもので、かつて獄中経験もあることで、少々控えめな行動をしているように印象としては見えたが僕と写真を撮る事にはむしろ照れるというよりは嬉しそうにしてくれた。

この時、付き添いの人が「シャッター押しましょうか？」と協力してくれて、ちょっとピンぼけだけど撮影に成功したのがこの１枚。すかさず自分の名刺を渡す。僕がコミュを立ち上げたいと思った気持ち、話したいことがいっぱいだがいっぱい過ぎて何を話していいかさっぱりわからず、とにかく、ありがとうありがとう。来てくれてありがとう、現れてくれてありがとう、そして何より「生きていてくれてありがとう」という気持ちで一杯だった。刑務所の中で大病を煩って警察病院で治療していたという話は聞いていたので、心のどこかで僕は、もう生きている西崎プロデューサーには会えないかもしれないという、一分の覚悟はしていた。ましてや最近はよく芸能界の重鎮が亡くなる季節だ。

だが西崎プロデューサーは一言でいうとここに来る責任があった。映画の本質は音楽だ、それを最初に僕に教えてくれたのは西崎作品であり、アニメ界に宮川泰をつれてきて、そして羽根健を結びつけて、それまで映像を補填するパーツとしてのBGMから１３０～１５０人分の楽譜に発展させ壮大なオーケストラに昇華させ、大友直人に指揮させた。その仲介人こそ西崎プロの仕事であるから、これは純粋に西崎プロの仕事の功績ととらえたい。

かなり本人
ピンピンしていた。

僕はただ西崎プロデューサーの挙動を見守るだけで感極まっていたとき、それまで、普通の客を装っていた人たちが、わらわらとその車いすを囲みだし、非常に礼儀正しく、それぞれがそれぞれに、西崎さんに挨拶をする「おかえりなさい」と一種の舞台の光景を観ているような感動的なハプニングに見舞われた。

「鳥取からきました○○です。」「ヤマトFC○○支部代表の○○です」「角川書店の○○です」「○○～」
車いすの西崎プロデューサーと会話をするためには、みな絨毯にひざまづかないと目線があわず。コンサートホールで次々と中年男がひざまづく姿は、なんとなく神懸かり的で、オーラがでていたような気がする。

そこには西崎プロデューサーを、獄中帰りのシャブ中毒者で銃刀法違反の極悪人だと誹謗するものはゼロ。皆無であり。僕らの知っているヤマト。ぼくらのしっているあの感動の原体験は誰がほんとうに作ったものなのか、だれがジュリーに歌わせたのか、だれが宇宙に字を書く発想をしたか、たかがアニメに本物のすばらしい音楽をのせたか、それはもう、みんな知ってることだった。

僕は名刺を渡すと、西崎プロは新しい事務所の名刺をくれた。多分僕は昨日お伝えする事の出来なかった自分の気持ちを手紙にして事務所に送ると思う。

コメント(17)

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[1] mixiユーザー 05月17日 11:21

あと、追加すると、着ているスーツが大変お洒落で、
幅の広いリッチなシマのネクタイと、おそらく船舶関係のエンブレムの刺繍の入ったスーツ。すごくやさしい目をしていてファンと交流していた西崎プロデューサーでした。

[2] mixiユーザー 05月19日 00:40

この少年の言葉が蘇ります。

[3] mixiユーザー 05月20日 23:13

「ヤマト、、」
「そうだ、われわれにはヤマトがあるぞ！」
http://yamato.channel.or.jp/info/chara_33.html
ですよね

[4] mixiユーザー 06月04日 10:46

西崎さんは、やはり車いすだったのですか。
私は不幸にしてこの演奏会に行けませんでした。

私が、西崎さんの姿を見たのは１９９９年の東京地裁での姿でした。
その時も車いすだったのを思い出します。髪の毛もあのときは真っ白でした。

[5] mixiユーザー 06月07日 12:03

トイレから出てきたら人だかりができていたので、もしやと覗いてみたんですね。
人目で西崎プロデューサーだとわかりました。
ミクシィで～　と話されていたのが記憶にあります。
自分は小心者なのでお声をかける事はできませんでしたが
たまたま車椅子であることを知って安心しました。

[6] mixiユーザー 09月21日 01:48

西崎さん

念願成就でヤマト復活篇を作ることができたなら、ファンがみてよかった作品にしてくれてることを期待してます。

宇宙戦艦ヤマトは
西崎さんが製作総指揮しての作品だし

[7] mixiユーザー 09月26日 14:36

最近、映画館で予告編の上映もはじまったみたいですね
復活篇、楽しみにしています。

[8] mixiユーザー 11月07日 19:38

「宇宙戦艦ヤマトプロデューサーの西崎さん、船から転落死 2010年11月7日18時51分」
http://www.asahi.com/national/update/1107/TKY201011070158.html

７日午後０時半ごろ、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のプロデューサー・西崎弘文さん（７５）が、東京都小笠原村父島の海で船から転落、死亡が確認された。

もう少し生きていて頂きたかったです。
「さらば」からファンになりファンクラブ会員にもなりました。
「宇宙戦艦ヤマトの生みの親」は西崎義展氏だけです

[9] mixiユーザー 11月07日 20:25

ご冥福をお祈りします。
一度、ちゃんとお話しをしたかった…

残念です。

[10] mixiユーザー 11月07日 20:49

言葉になりません。　残念です。

[11] mixiユーザー 11月08日 00:04

「転落死：宇宙戦艦ヤマトのプロデューサー西崎さんが船から」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101108k0000m040062000c.html?link_id=RAH02

「ヤマト西崎義展氏が父島で転落死」
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20101107-699541.html

「宇宙戦艦ヤマトプロデューサー西崎さん死亡　船から転落」
http://www.asahi.com/national/update/1107/TKY201011070158.html

「ガラクタに囲まれて(ログ版)」
http://kmc.cocolog-nifty.com/goodslog/

アルフォン少尉の声を担当していた野沢那智(先月30日)さんに続いて西崎プロデューサーまでが旅立たれました。

宮川泰(2006年)さん、羽田健太郎さん(2007年6月2日)、阿久悠(2007年8月1日)さんと音楽談義をしているのでしょうね

[12] mixiユーザー 11月08日 01:44

ご冥福をお祈りしています

残念です・・・

[13] mixiユーザー 11月08日 21:03

残念です，無念です

[14] mixiユーザー 11月08日 21:05

なんか，不思議なんですが「お父さん」という言葉が浮かんできました．
古代が沖田艦長に感じていた父性を，僕も西崎さんに感じていたのかもしれません

[15] mixiユーザー 11月25日 12:47

小林誠副監督のブログより引用させて戴いております。

【お別れの会】
青山斎場、１２月１０日、１４時よりファン受付。

DCは来春早い時点で。

[16] mixiユーザー 12月08日 16:53

西崎Ｐのお別れ会

行く人、やっぱり東京近郊のヤマトファンが多いと思うけど、平日だし、昼間だし、東京だし、

みなさんは行かれるのかな。

[17] mixiユーザー 12月08日 23:56

お別れ会　｢黙祷の儀｣についてのお知らせ

皆様ご存知かと思いますが、故　西﨑義展の｢お別れ会｣が１２月１０日　青山
葬儀所（東京都港区）にて開催されます。

つきましては、当日ご参列いただけない方も多数いらっしゃると聞いておりま
すので全国の皆様と会場とが一体になるように｢黙祷の儀｣を執り行いたいと思います。

会場では、14：00にお集まり頂き、献花会場への移動を経て14：30より30秒間
黙祷を捧げます。
会場にお越しいただけない皆様も｢英雄の丘｣のシーンを思い浮かべながら同時
刻に黙祷していただけるようお願い致します。

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