シベリアワピチ (sibericus) 満州ワピチ (xanthopygos) 中国・朝鮮半島からバイカル湖付近まで分布。体色はアメリカアカシカより濃く赤みを帯びる。成獣でも夏の体色には背中にいくつかの斑点が残る。 蒙古ワピチ (alashanicus) 全てのワピチの中で最も小型な亜種。DATA DEFICIENT @ IUCN Red List ver 2.3 (1994) 青海ワピチ(白臂鹿)(macneilli) チベットワピチ (wallichii) DATA DEFICIENT @ IUCN Red List ver 2.3 (1994) 天山ワピチ (songaricus) 甘粛ワピチ (kansuensis)
アカシカ C. elaphus ニホンジカ C. nippon ■シカ属のDNA研究 Ludtらの研究[14]の前にも、シカ属の各種の類縁関係について分子生物学的な分析を行った例がある。ここでは、シカ属50系統415個体(アカシカ・ワピチ・ニホンジカ・サンバー (C. unicolor)・ルサジカ (C. timorensis)・クチジロジカ (C. albirostris))および別属のアクシスジカ(Axis porcinus) 1系統12個体・ダマジカ(Dama dama) 1個体について分析したLudtらの研究について紹介を行う。Ludtらは、ミトコンドリア・シトクロムbの1140塩基対のDNAをPCRによって増幅し、塩基配列を比較し、供試材料の近縁関係を調査した。 その結果、ワピチはニホンジカと最も類縁関係が近く、その2種にクチジロジカを加えた3種で、「東アカシカ」のグループが構成された。アカシカは、中央アジア群とその他の地域のアカシカに大別され、両者を合わせた「西アカシカ」のグループを構成した。この「東」「西」のグループを含む上位グループが、サンバーやアクシスジカ・ダマジカと比較されるグループであった。以上から、「東アカシカグループ」(ワピチ・ニホンジカ・クチジロジカ)と「西アカシカグループ」(アカシカ)は遺伝的に分けられることが判明した