ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

たのしい特別支援教育研究室コミュの1〜2名の子を対象にした算数や国語だけの時間をどう過ごすかについて(チャトラン 勇気りんりん・編)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
この資料は仮説実験授業研究会の会員の方を中心とした障害児教育に関心の深い方々が参加しているメーリングリスト[kon2chiwa​:6849] 「質問・悩み相談」で旗本さん(仮名)から出された【作選会議】(新年度にどんな授業をしていこうかという作戦を考えて選ぶ研究会が大阪でありました)の質問に対してチャトランさんが「返信」として書かれたものを抜き出して勇気りんりんが編集したものです。
障害児学級に在籍している子ども達が普通学級に交流で出かけたりすることがよくあるのですが、残った1〜2名の子ども達の国語や算数の授業をどうするかということは現実的に悩ましい問題であると思います。
チャトランさんが書かれたこの「返信」はとても参考になるものではないかと思い、以下に転載させて頂きます。


チャトランです。
旗本さんの相談に対して、自分なりに応えてみます。

みんながそろう時間のことは割愛して、1~2名の子を対象にした算数や国語だけの時間をどう過ごすかについて。

【国語の場合】
1,部首の学習
まず国語ですが、僕のお勧めは「部首」の学習です。
なぜならわずか20ほどの部首を覚えるだけで教育漢字の約半数が、50の部首で約8割の漢字がカバーできると言われているからです。(尾坂紀生《漢字・漢和辞典入門》,井藤伸比古《外国からの子どもたちのための漢字部首かるた》より)
さらにこの後に書きますが,部首の学習は楽しくできる手立てがあるからです。
「部首」というのは漢字と仲良くなる強力なツールだと思っています。でも無理やり覚えてもダメ。覚えると言うよりも部首に親しませるという感じです。
具体的には、「部首カード」などを使った楽しいゲームをたくさんするといいと思います。
そうすると、楽しい活動を通して少しずつ部首が身に付いてきて、「あ、この漢字には○○という部首がある」とか言ってくれるようになります。
言ってくれなくても先生が漢字を教えるときに「ここに○○という部首があるね」と言ってもいいです。
そこで、ぼくなら「部首マッキーノ」 「部首かるた」(もちろん「配膳式」や「かるたdeビンゴ」でやります) 「部首めくロット」(3種類開発しています) 「部首めくり」等々、いろいろとやっていきます。
でも、これをどんどんやっていくと飽きたり嫌がったりするかもしれませんし、逆にそういうことをどんどんやって、子どもを<部首モード>にさせていくと一気に覚えるかもしれませんし、その辺は様子を見ながらです。


ちなみに先生と子どもの1対1、つまり2人だけでも僕の場合は上記のゲームは十分楽しめました。
3人ならより楽しくなりました。
「マッキーノ」や「かるたdeビンゴ」などを2人でも楽しく進める方法の裏技として、僕は<ミスターX>という架空の人物に参加してもらうという方法をとりました。
この人物は「透明人間」なので見えませんが、ちゃんと参加はしています。(「マッキーノ」の時は先生がXさんの分も書いてあげたり、「かるたdeビンゴ」のときはビンゴ表に子供と一緒にカルタを並べてあげたりします。もちろんゲームもすべて代わりにやってあげます)。このやり方は結構有効でしたよ。


子どもは漢字にしても部首にしても記号的に覚えていくことが多いようです。
ですからまだ習っていない漢字を自己流で覚えるときは書き順はむちゃくちゃになります。
僕はとりあえずそれでもいいと思っています。
また、「とめ」「はね」「はらい」も、きちんとできていなくてもOKにしています。
日本語の字体は「明朝体」「ゴシック体」「教科書体」などがあって、学校で教えるのは教科書体ですが、卒業してしまえば世間は明朝体やゴシック体が中心になっていきます。
そのときに、ゴシック体では学校で習った教科書体と違ってはねてなかったりはらってなかったり、明朝体でははねてあったりなかったりということが起こってきます。
どれが正しいということもありません。
文科省もその辺はかなり融通の利く見解を示しており、結局融通の利かないのが「教科書体」にこだわって教えている教師だけということにもなったりします。
そして、そのような「書き順」や「とめ・はね・はらい」を神経質にいちいち指摘される結果、漢字嫌いになる子が出てくるとすれば、これは問題だなあと思っています。
だから、漢字の書き順に関しては「左から右」「上から下」という原則を教えたり、先生が正しい書き順で書いて子どもに意識をさせたり(特に初めて習う漢字は正しい書き順で書かせてそれに習熟させることは大事ですが)、子どもの間違いを嫌がらない程度に指摘してあげたりすることは大切ですが、それほど神経質になることはないと思っています。
要は「他人に読めたらいい」というのを目指します。

2,書き順の学習
でも、実は「書き順」にそって教えるのも<おもしろい>のです。
僕は、漢字を教えるときはたいてい「空書き」をさせます。
「空書き」というのは、空中に文字を書くあのやり方です。
その時、「水」であれば、「い〜ち、に〜い、さん、よ〜ん」となります。
「いち、に、さん、よん」とはなりません。
なぜなら、「はね」や「はらい」があるからです。
ちゃんと「とめ」や「はらい」などもリズムとして組み込んでいくのです。
その辺は「空書き」というのは、書き順やとめ・はね・はらいに着目して教えられるすぐれた方法です。

さらに、僕はこの「空書き」をめいっぱい利用してたのしく教えています。
それは空書きをまず「右手」でさせる、次に「左手」でさせる(左利きの子は逆になっても逆にならなくてもいいです)、その次に「両手で同時に」させます。
さらに、立って「お尻」でさせます。また「頭」でさせたり、「目」(の動き)でさせたり、「舌」でさせたりもすることもあります。
こうやって体全体を使って、たのしく「動きながら」漢字指導をするとおもしろいです。
とくにADHD傾向の強い子には効果が抜群です。
このやり方は若い頃から自分で思いついてやっている方法ですが、自分の中ではとても楽しくできています。
よかったら参考にしてください。


それから、同じく「書き順」やとめ・はね・はらいに関しては、<下村式口唱法>の本もお勧めです。
<下村式口唱法」を使った楽しい漢字練習の方法は誰かが『たのしい授業』で紹介されていました。
みんなの前で先生が、たとえば、「たて書いて みぎかぎ書いて たて書いて そしてさいごによこ2本」などと言葉だけで言って,クラスのみんなに何の漢字か当てっこしてもらうという方法ですが、これを僕は1対1の個別学習で使いました。
その使い方にはコツがあります。
それは、<子どもに問題を出させて教師が答える>という方法です。
これは本当におもしろいです。
なぜなら先生でも真剣に考えても分からないことが多いからです。
子どもの前で先生はむちゃくちゃな字を書いてしまいます(たまにはわかっていてもわざと間違ってあげることもありますが)。
それを見て子どもは大笑いします。これがいいのです。そしてこの時子どもは「覚える」ような気もしています。
もちろん子どもに問題を出させるばっかりではなくて、先生と子どもが交代で問題を出し合うといいですが。

3,音読の学習
音読については、東岡さん(仮名)も書いておられましたが、「てんまる読み」はとてもいいです。
先生と子ども1対1でも、とても有効な音読方法です。
「あ、」とかいう、たった1文字だけのところが出てきて、それがとってもおかしくて、思わず笑ってしまいます。こういう笑いも大切にしたいです。
そして、この「てんまる読み」が子どもが気に入ってくれて軌道に乗ってくれば、家でもお母さんと一緒にやりたがる子が出てきます。
そうなればチャンスです。
家でも一緒にやってもらうといいでしょうね。
あるいは、連絡帳に「てんまる読みをやっていてとっても楽しんでいます」くらいは書いて、親に興味を持ってもらうというのもいいでしょうね。
(でも、「てんまる読み」がいいからと言って、保護者に「家でもやってください」と要求するのは辞めた方がいいかもしれませんが。)


その他にも「一二(いちに)読み」というのもあります。
これは堀江晴美さんに教えてもらった方法ですが、子どもに音読させて、読点(、)が来るたびに先生が「いち」と言ってやるのです。
「いち」という間は子どもは休みます。
そして句点(。)のときは先生は「いち、に」と言います。
この間も子どもは読むのを休みます。
こうやりながら、子どもは句読点を学び、そして句読点で休みながら読むリズムをつかみます。
これのいいところは、途中で適当な「休憩」が入るので、読むのが嫌になりにくかったり、楽になったり、リズムがつかめたりするのではないかというところです。
さらに、「一二読み」は教師のペースで音読が進められますから、途中で(一とか二とか言う前に)「おお〜、うまいねえ!」「すばらしい」「いい読みかただねえ」などなど、子どもを評価をしてやれ、気持ちよくさせてあげることができそうです。
担任している時は僕はこのやり方を試していませんから何とも言えませんが,一度やってみる価値がありそうです。


東岡さんが書かれているように授業の前後にたのしいメニューを入れて、間に勉強を、それもたのしい勉強なら言うことありませんよね。
間の楽しい勉強も最初に「マッキーノ」や「かるた」、次に「てんまるよみ」などをすると楽しく力も付きそうです。
(福田さんが『たのしい授業』4月号で書いておられた記事も参考になりそうです。)
伊藤正道さんのやり方は最後に視写がありますが、これも時間的に可能であれば、そして子どもたちが心地よくできれば入れるといいかもしれません。
でも最後の視写は支援学級ならあまり無理をしない方がいいかもしれません。

【算数の場合】
算数に関しては、東岡さんがたくさん紹介されていますから参考になると思います。
それ以外にも、僕が考えた学習ゲームの中に<数ごろく> <ちょきんゲーム>というのもあります。
「数ごろく」は「1」とか「3」とか書かれた<数詞カード>をめくって、その数に対応した「おはじき」を取っていきながら、ゴールする「双六」ゲームです。途中で<ぴったり賞>(ぴったりその場所で止まればもらえる)なども用意されています。
数詞と実際の数をマッチングさせようと思って作ったものですが、でもある程度マッチングが出来る子どもに使わせる方がいいかもしれません。
いらないストレス(この場合は、数詞と実際の数がなかなかマッチングできない子にこのゲームを通してさせようとすること)がかからない方がゲームが楽しくできそうだからです。
それから、<足算>は「偶数」だけですが(この「偶数だけ」というのがミソなのですが)、1〜9までのすべての数を網羅して、10の補数が学べそうな教材が<ちょきんゲーム>です。
これは昨年の全国大会の「算数分科会」で発表して好評でしたから使えるかも知れません。
もし興味ありましたら直接淀井までメールください。
他にも、「九九カード」や「足し算カード」「引き算カード」などを使って<かるたdeビンゴ>で楽しむとか、いろいろできそうなことも浮かびます。

ちなみに、今、サイコロを2個使ったゲームを開発中です。
これがうまくいけば、2人でも遊べます。
これは「ローマ字」の習熟のために作ろうと思ったものですが、「漢字」「計算」なども学べそうです。
もし畑中さんが6月の池上さんの会に参加されるならその時紹介できるかもしれません。


それから算数や国語とは直接には関係ありませんが、僕がお勧めするのは「国旗かるた」です。
おそらく知的に極端な遅れがなければ、上記のゲームを通して国旗に触れさせると、結構たくさん覚えてくれます。
<国旗博士>になる可能性もあります。
国旗に関してはクラス(交流学級)で一番、学校で一番という経験をさせてやることも可能です。
(でも、これは人によりますし、そういうのを目指すのではなくて、楽しくすることが大切ですが)
<誰もが知っていることを覚えてみんなに追いつく>という経験だけでなく(こういう経験はいやというほどしていますから…)、<誰もが知らないようなことを覚えてその専門家になる>ということも経験させてやりたいです。そういう経験はうれしく自信もつくのではないかと思います。
そのためにいいものとして「国旗」があると思っています。(もちろんその他にもいろいろありますが)
僕の作った「○○めくり」には他にも「都道府県」「虫」「太陽系の惑星」「歴史人物」等もありますのでよかったら利用してください。
国旗を知ってると必然的に「国名」が覚えられます。
国名を知ってることは大きいです。そこをとっかかりに地理学習に目が向くかも知れないですし、そうならなくても日常生活で国名が出てきたときに「自慢」ができたり、誇らしい気分になれます^^

保護者や担任の先生から算数や国語の力を…とか基礎学力を…という要望は気になりますが、あまり気にしすぎると大胆な指導や楽しい学習がしにくくなります。
ですから、僕は「国旗」に限らず、そういう経験を楽しくさせてやるといいなと思っています。
それがひいては国語や算数の学習をするときの意欲になるのではないかと思います。
長くなりましたが、参考になればしてください。

コメント(1)

仮説実験授業研究会の仲間、チャトランさんは「カードゲームでたのしい授業」という本を「仮説社」から出されました。
仮説社のホームページで購入することができます。
チャトランさんの説明は少人数学級でのたのしい授業を考えるとき、とても参考になります。
ぜひ追試して試してみたいです。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

たのしい特別支援教育研究室 更新情報

たのしい特別支援教育研究室のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング