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たのしい特別支援教育研究室コミュの≪足算≫の秘密がわかった(!?)

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 前回,≪足算≫(あしざん)というカードゲームを紹介しました。
 このゲームは本当におもしろいですから,まだご存じない人は,ぜひ私の前回のトピックを参考にしていただき,やっていただきたいと思います。

 さて,今回も≪足算≫というゲームの続きを紹介をします。
 と言ってもルールは前回紹介しましたので,今回は,「なぜ≪足算≫がそんなにおもしろいのか」という<秘密>について述べてみたいと思います。
 ≪足算≫というゲームには,「神経衰弱的な要素」があります。しかも「計算」もしなければなりません。
 つまり,このゲームでは「記憶」と「計算」を同時にすることになります。
 これは結構“疲れそう”です。
 しかしながら,私を驚かせたのは,ほとんどの子どもたちが,「もっともっと」と言って繰り返しこのゲームをやりたがることでした。実際に試してくださった先生方に聞いてもほとんど同じようなことを言ってくださり,「何度でもやりたくなる」「病み付きになるおもしろさ」「子どものリクエストがすごくて困るくらいです」等々の声が多数私の元に寄せられました。
 当初の予想を大きく超える反応に,私は≪足算≫というゲームの“特異性”を感じずにはいられませんでした。
そして「記憶」も「計算」もしなければならない≪足算≫が、なぜこれほど子どもたちに受け入れられるのか、なぜ何度も何度もしたくなるのか,よくわからないまま私の手を離れ,一人歩きしていきました。
 ところが、昨年の夏頃、このことについてある発見(?)をしました。
 「発見」というと大げさかも知れませんが,「≪足算≫がなぜおもしろいのか」という理由の一つに気づいたのです。
 気づいてみると,『今までなぜ気づかなかったのだろう』と思いました。
 
 それは,≪足算≫は,<すべての数字から「奇数」を排除してある>ということだったのです。

 動物の足の数はすべて偶数なので,必然的に奇数は排除されます。
 その結果どういうことが起こるかというと,<偶数のみの計算>が展開されることになります。
 それは何を意味するか。
 計算に「心地よさ」が生まれるのです。
 <偶数だけの計算による心地よさ>,僕はこれが≪足算≫のおもしろさのひとつではないかと思ったのです。

 いくら動物の写真があったり,足の数を足し算するというおもしろさがあっても,「神経衰弱」や「計算」の要素が含まれたゲームです。頭を使ってイライラする子が多いかも知れないのに,ほとんどの子がこれほど繰り返しやりたがる…。それはなぜか?
 その答えが「偶数」だったのです。

 さて,ここで「偶数」と「奇数」の違いについて述べておきたいと思います。
 「2,4,6,8,10…」(にぃ しぃ ろ は とぉ)というリズムが定着している偶数は,「2と4で6」とか「4と6で10」とかいうように比較的パッと答えが出てきます。
 しかも,答えは,<すべて偶数>です。
 一方奇数は,「2,4,6,8,10」のような語呂合わせがなく,しかも答えは,<偶数にも奇数にもなってしまう>のです。

 実は,私はその数ヶ月前に,職場の同僚から,「≪足算≫の奇数編がほしい」と言われました。
 そこで試作したのが≪星算≫(ほしざん)というゲームでした。
 「北極星」を1,「夏の大三角形」を3,「カシオペア座」を5,「北斗七星」を7…などとして,奇数の星座カードを作って≪足算≫と同じルールで楽しめたらいいなと思って作りました。
 ≪星算≫では,1カードを多くして,10を完成させやすくもしました。1カードをめくるたびに10に近づいていく,これは結構ハラハラドキドキしておもしろいのではないかと思ったのです。
 そうして,たまたま研究仲間と一緒に≪星算≫ゲームを試してみました。
 すると,思ったほどおもしろくないのです。
 それどころか、ちょっとイライラする感じさえします。
 この感覚は研究仲間も同じだったようで,「なぜかむずかしい」と言われました。
 その時,私は上記のような「偶数」と「奇数」の計算の違いを意識するようになったのです。
 これが「伏線」でした。

 そして,ある研究会で私はたまたま知人のIさんからものづくりの話を聞きました。
 そのとき,Iさんは次のように言われました。
 「作業をするということは実はおもしろいんだ。それはやっているうちに無駄が省かれ、どんどん効率がよくなっていく。その効率の良さが心地よさを感じさせてくれるんだろうね。だからおもしろく感じられる」
 それを聞いて,私の頭の片隅にあった≪足算≫と≪星算≫が引っ張り出されたのです。

 そうか,≪足算≫には計算の「心地良さ」があるんだと。

 もともと≪足算≫は,足し算を習熟させるというよりも,足し算の<きっかけ作り>になればいいと思って作ったものでした。
 ですから,それほど奇数にこだわりはありませんでした。
 しかし,このゲームで10の補数が学べると言っても,それは偶数に限られるので,そういう意味では<不十分なゲーム>だとも思っていました。
 でも今は,そうは考えなくなりました。
 足算の「欠点」(奇数がないから不十分)だと思っていたことは,実は「長所」だったのだと。
 このゲームは,「偶数」に限ったからこそおもしろくなったのだと。
 つまり偶数だけで、足し算のおもしろさ、足し算をする心地よさを味わってもらう。それがひいては奇数の足し算につながっていくのではないか。
 
 これはあくまで<仮説>に過ぎませんが,おもしろい視点かも知れないと思っています。
 以上長くなりましたが,≪足算≫についての「発見(?)話」でした。

コメント(1)

>チャトランさん

>「偶数」に限ったからこそおもしろくなった

なるほどうなづける話です。

確かに偶数だけだと暗算もすごくやりやすいし、リズムよく数えることができますからね。

もしかすると、普通の「足し算」の勉強でも最初は偶数だけでやると自信もつくし楽しく学ぶことができるのかもしれませんね。

その時の導入はやはり「足算(あしざん)」がいいでしょうね。指でOK

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