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たのしい特別支援教育研究室コミュの『くらしに役立つ数学』(特別支援教育 中・高等部段階の初テキスト)

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このレポートを大きな写真を入れて見やすい形で書いたものがあります。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1804024915&owner_id=4821859
ご参照下さい。


『くらしに役立つ数学』(編集代表 大南英明 東洋館出版社)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%AB%E5%BD%B9%E7%AB%8B%E3%81%A4%E6%95%B0%E5%AD%A6-%E5%A4%A7%E5%8D%97-%E8%8B%B1%E6%98%8E/dp/4491022305
という本を今日、生徒が持っているのに気付きました。

私の今年の数学担当は重度のグループなので軽度のグループがどのような学習を進めているのか知らなかったのですが、今日生徒がこの本を持っていることに気づきどんな内容なのかを見てみました。

「特別支援教育 中・高等部段階 初テキスト 自立した社会生活のために」と本の表紙に書いています。

特別支援教育においては文部科学省の検定本というものがほとんどありません。
小学校段階では「☆本」と呼ばれる「ことば」「かず」「おんがく」などの本が一応あるにはあるのですが、実際に授業に使うとなるとその本をそのまま使って進めるのは難しいです。


【教科書がない特別支援教育】

「中・高等部段階」のテキストでいうと私が知らないだけなのかも知れませんが、そのまま教科書として使うことができるようなものはほとんどなかったのではないでしょうか。
実際の授業においては担当した生徒たちの発達段階に応じて適切だと思われる教材をそれぞれの教師がアレンジして毎回用意して授業を作っていっているのです。
教える内容を自由に選ぶことができるという面もありますが、教科書がないというのはけっこう大変です。

例えば数学の場合、特別支援学校で学ぶ高等部の生徒たちの多くは内容的には文部科学省の検定本で言うと小学校や中学校段階で学ぶべきであるとされるような内容をじっくりと学んでいます。

しかし、内容的には小学校・中学校段階のものであっても生活年齢は高校生なので教材を使う場合、「小学○年生」とか書かれている教科書やワークをそのまま使うには教師の側も生徒の側も抵抗があります。やはり生活年齢にふさわしいものを使いたいという気持ちがありますから、そこに書かれている「小学校○年生用」とか書かれたものは消したり、テキストを打つ変えたりして使うことになります。

私はもう何年も前から高等部を担当する度に「今の学校の高等部で実際に授業している内容を教科ごとに各学年で同じような発達段階を担当している教師が集まって3年間で使えるような教科書のようなものができないだろうか?」と考えていました。

しかし、これは実際に作るとなると大変な作業になるため、とりあえずはそれぞれの担当のグループでどんな目標を持って取り組んだのか、その「ねらいと手立て」、実際にやってみた結果どうだったかという反省を「1年間の取り組みのまとめ」として積み上げるという形にするというところまでがせいいっぱいという感じになっています。

これだけでもやらないよりはましだとは思うのですが、それらのまとめと反省はなかなか実際問題として次年度の実践に活かされるという形にはなりにくいというのが実態です。やはり、実際の教材として積み上げていかないとなかなか日々の授業に取り入れていくには難しい面があります。


【『くらしに役立つ数学』について】
この本は元文部相初等中等教育局特殊教育課教科調査官であり、元全国特殊学校長会長でもある帝京大学教授の大南秀明さんが編集代表をされ、全国の10校に上る養護学校の教員の方々が共同で執筆したものであり、平成19年に初版が発行され平成20年時点ですでに7版発行となっています。
私がイメージしていた「知的障害を持つ高校生年齢の生徒たちの教科書」とぴったり合うものでこの本と出会ってすごく嬉しくなりました。なかなか一つの特別支援学校の教員だけの力ではこのような教科書を作ることは不可能です。
今年はこの本を使って授業するようなグループは担当していないのですが、来年以降ぜひこの本を使って授業してみたいという気持ちがすごく大きく拡がっています。

「この本の使い方」という前書きの部分を引用してみたいと思います。

「この本の使い方」

毎日の生活では、物を買うときにお金を使ったり、時刻や時間を見て外出したり、調理するときに量を量ったり、予定を考えたりすることがあります。この本では、その時に使う数量や図形などを扱っています。
この本の内容は、「基礎編」と「生活編」に分かれています。「基礎編」では、これまでに学習してきたことの復習を中心にしています。
「生活編」では、「自分のこと」「くらし」「余暇」などを取り上げています。
毎日の自分の生活に関連することから学習するほうが、分かりやすいでしょう。分からないときに「基礎編」に戻って学習する方法もあります。
学習するときには、「数学」の時間だけでなく、「社会」・「生活単元学習」・「総合的な学習の時間」などの中で使うこともできます。

1.数の計算では、大きい数の足し算・引き算・かけ算・わり算、さらに割合の計算などは、「電卓」を使います。「電卓」の種類はたくさんありますが、簡単な電卓を探しましょう。キーの記号は、電卓によって本にのっているものと違うこともあるので、自分の電卓と比べて、正しい使い方を学びましょう。
2.生活編では、生活に結びついた「衣服の購入」や「外出」などのテーマをあげています。しかし、物の値段や費用などは、住んでいる地域や販売している時期・商品の品質、販売店などによって違うので、自分の住んでいる地域のお店の情報を調べ、またチラシなどの資料を集めて、それらをもとに計算をしてみることが大切です。

この本を通して学んだ、数学についての知識や技能などが、生活に生かされ、より広がりのある生活につながり、また将来の家庭生活や経済生活の充実につながることを願っています。

編集委員会

〔転載終わり〕


この本は細かい計算などは電卓に任せることによって日常生活で数学で学んだ知識を生かす工夫がされています。

また、「生活編」においては、

? 自分の身の回りのこと
 1, 自分の身の回り
 2, 身体計測の結果
 3, スポーツテスト
 4、 健康的な生活 

? 毎日の生活
 1,天気予報
 2,買い物をして調理をしよう
 3,週の予定、年間の予定
 4,季節

? 学校生活
 1,いろいろなグラフ

? 楽しむ(余暇)
 1,図書館へ行こう
 2,友達との待ち合わせ
 3,デパートへ行こう
 4,レストランへ行こう
 5,カタログや広告
 6,小物入れを作ろう
 
? 生活を豊かに(くらし))
 1,1ヶ月の暮らし(生活費)
 2,計画的な支出
 3,手紙を出そう
 4,住居
 5、働く

などが具体的な例をあげて、楽しみながら数学を楽しむことができるように組み立てられています。

その中から、
「自分の身の回り」
と
「レストランへ行こう」
のページを参考に写真を載せておきたいと思います。



ぜひ、この本を使って「数学」を生活の中で楽しく生かすことのできる力を子どもたちに身につけて欲しいと思います。

なお、この本の姉妹図書として、
「くらしに役立つ国語」
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%AB%E5%BD%B9%E7%AB%8B%E3%81%A4%E5%9B%BD%E8%AA%9E-%E5%A4%A7%E5%8D%97-%E8%8B%B1%E6%98%8E/dp/4491022283/ref=pd_sim_b_1

「くらしに役立つ社会」
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%AB%E5%BD%B9%E7%AB%8B%E3%81%A4%E7%A4%BE%E4%BC%9A-%E5%A4%A7%E5%8D%97-%E8%8B%B1%E6%98%8E/dp/4491022291/ref=pd_sim_b_2

も発行されているようです。

併せてご検討いただければ嬉しく思います。


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