日記ロワイアルコミュの『大切なことは、君が教えてくれた』バリ！！

僕は今でも覚えている。

あの日、家族で過ごした時間……、


それは短い時間だったけど とても濃厚で、忙しい僕にとって、忘れられない家族と過ごした時間になったんだ………。




今年で７０歳になった父親に、自営業のクリーニング屋を手伝い、苦労を重ねてきた母親。小学校一年と三年の子供を持つ弟と その家族……。


それは年の初めの元旦の日、

僕たち家族は集まり、鍋をつついている…。


平凡だけど、平和なこのひと時が 僕は好きだった。



何気ない会話の一つ一つにも温かみを感じる事が出来る。




ああ………、なんて居心地がいいんだ……。



２０１4年１月１日

午後７時４０分………。



甥っ子にあたる小学三年生の子供が僕に語りかけて来た。


『ねぇ………………、


おいたん………………。










セッ○スしたことある？』


ドゥドゥドゥドゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ！！！！！！！！！！




（↑ベートーベン）





正月の平穏だったひと時は、甥っ子の たった一言で崩れ去った！！！！！！




大学生の就職内定率が過去最低を記録し、相変わらずの就職難。

今年の４月に消費税の増税を控え、翌年には更に税率アップのが決定していた。

依然として解決の糸口を見出だせないでいる原発問題など、


混沌とした前年から気持ちを切り替え 希望に満ちて迎えるハズの新年は、こうして幕を開けた！！




弟家族に我が両親、更に私を含む 計７人で突いていた鍋の箸が 一瞬にして止まる！！！




『ほら、野菜も食べなさい……』



なんつって、聞こえないフリをして強引に流れを断ち切ろうとした母に対し、被せるように



『ねぇ！！！！！！


したことあるの！！！！！！！』



とキレ気味に恐怖のリフレイン！！！！！！！



きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！



私の答え方次第では この鍋パーティーも、我が一族の黒歴史として 最も触れてはいけない過去としと刻まれる事になるだろう！！！


質問の対象者は紛れも無く私だった！！


みんなの期待を一身に背負い、【無難な】答え方を模索する！！！



もうこの際！面倒臭いから、『やった事ない』と言って済ましてしまおうか……。





いや！！それは 出来ん！！！！！



だって！！！


それは！嘘でも譲れない男の誇り！！(←誇りは誰にも奪えない！！)



そんな事を考えていた０.５秒後！！！


父・孝雄の一言で更に状況は一変する！！！





『ジジは今でも結構やってるよ ＼(^o^)／




なんちゃって 』






ドゥドゥドゥドゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ！！！！！！！！！！！




（↑ベートーベン）









バルス！！！！！！！！！！！！！！！


！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！


うぅっ！ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ！！


目がぁぁぁぁぁぁぁ………、


目がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！



みたいな！！！！！！！



一番言っちゃいけない合言葉！！！！！！



元旦のひとときに、とんでもないカミングアウトをした後で、


『さて、おしっこ して来よう』


と【してやったり】という顔で、父・孝雄は、この張り詰めた状況を置いて、完全に空気を読み違えたまま去って行った！！

















残された人達の空気って！！


こんなに重いものなのね！(←新発見！！)


この時点で、既に弟の嫁は、もう一人の甥っ子と本を一緒に読む という方法で戦線離脱し、会話に巻き込まれないよう 危険空域を脱出していた！！


残されたのは、完全に離脱するタイミングを失った母と、依然としてターゲットにロックオンされている私に、育て親の弟とその息子！さらにトイレから帰ってきた父・孝雄が加わる計５名！！



まず、冷静に考えて見よう……。



小学校三年生の彼が、この単語を どこまで理解し発言しているのか！！


その方法や 子供が出来る仕組み、あるいは【技】を知っているとは限らない！！(←おそらく！最後のは知らないと思う！！！！)



意を決して、弟が楔を打ちに出た！！！



『そういう事は人前で聞いちゃ駄目だぞ！』



当然 聞かれる 『何故？』と言う疑問！！


どう切り返すのか 固唾を飲んで我々は 弟の言葉を待つ………、




………………………………………………、



………………………………………………、



………………………………………………、




無いんかい！！！！！！！！！！！！！！！！




ノープランで突っ込んでしまいました！みたいな！



ＨＰ／ＭＰも そこそこで、気楽に喋り掛けたら


それ！！ラスボスでした！！


みたいな！！！



眠れる獅子に火を点けたのか、甥っ子が怒涛の質問を浴びせる！！




『だって、○○君が言ってたもん！！




好きな人同士が 裸 で抱き着いていると 子供が出来るって！！！』



！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！



一瞬にして身体が硬直する！！



繋げる言葉を見失い、切り返し方を模索していると 一つの言葉 が頭を過ぎる。



おそらく、こういう時に言うんだろう……。


ああ………、くそっ！！言いたい……。



おもいっきり口に出して言ってみたい！！






まいっちんぐ！！！！！！！！！！



(↑両手を胸で交差して、左足を後ろに曲げながら！！)




かつて子供だった頃、親と見ていた【土曜ワイド劇場】の、古谷一行が主演【露天風呂連続殺人事件】で急に始まるＨなシーンで味わった 気まずい空気を思い出す！！！



『そろそろ、鍋も片付けるわよ』



突然 母はそう言って おもむろに鍋を掴み、キッチンの方へ消えて行った……。



その後ろ姿に見えた心の文字！！



確かに受け取ったぞ！！




【あとは、おまえ達に！ま・か・せ・た】




心の中で 親指を立てて 応える！！







午後８時００分……、


お正月スペシャル番組が淡々と テレビから流れる中、何とも言えない空気が我々を包み込だ。



たが弟よ！今の私ならお前の気持ちが手にとるように分かる！！





見える！！！！見えるぞ！！！！



私にもガンダムが見える！！！！！！！！！！



額が突然 輝いて、神経が研ぎ澄まされ、突如 ニュータイプに覚醒した私は、おそらく弟と同じ考えである【このまま裸で抱き合う】という ていで終わらせてしまう事に同意する！(←心の中で！！)




我々はそこに活路を見出だし、幼少の頃 親とテレビを見ながら夕食を楽しんでいた時、 突然流れ出した【まいっちんぐマチコ先生】 以来の窮地からの脱出作戦を決行する！！！！



ああ、そうだな……。


このミッションの失敗は許されない！！


チャンスは一度きりだ！！！




甥っ子を諭すように、『そうだよ』と口を開けかけた その時！！！



父・孝雄が驚愕の一言を言い放つ！！！



『ちょ〜と、違うんだなぁ〜』


ドゥドゥドゥドゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ！！！！！！！！！！！







走り出した計画を一瞬にして無にした言葉！！



世界じゃ それを【ＫＹ】と呼ぶんだぜ！！！



そして、

『じゃあ、何をやってるの？』

という甥っ子の素朴な疑問が襲い掛かる！！！



出来れば その真実を知る性教育は！

【視聴覚室】で、こっそり知って欲しかった！！！




しかし、考えてもみよう！！

それは、いつかは知る 避けては通れない【大人になる為の通り道】！！！


そうさ！

別にそれが特別な日でも無く、普通の日でも ええじゃないか！！！








でも！！元旦に語る内容じゃない！！！！！





そして、語られる真実……。



静かに 孝雄は口を開いた。



『あれはな……………、








【相撲】をしているんだ……』




………………………………………………



………………………………………………



……………………………………ノコッタ……



ノコッタ………………ノコッタ………………



ノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタノコッタ！！！！！




押し出しぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ！！






みたいな！！！！！



頭の中を駆け巡るワルツ！！





『僕も今度 やりたい！！！！』

という甥っ子の要求に対し、




『これは大人の遊びだ！！！』


と力強く語る父・孝雄の横顔は、まさに！！勇ましいものだった！！！！



そして！！



『それに夜の相撲は三人でやるものではない！』


と強く語ったその後で、




『たまに三人でやる人もいる………』


と律儀に言い直す所に、父・孝雄のプライドを感じさせる！



こうして我々は、子供の頃に親と見た【夏・初体験物語】以来の危機的状況からの脱出に成功したのだった！！！






チェ、チェ、チェ、ポイポイポイポイポイポイポイ……………………。






『毎度お騒がせします』




終わり