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日記ロワイアルコミュの悪童の成長

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最近、結婚や出産に対して否定的な女性が増えましたね。
男性側も『女を養う』事に否定的な奴が増えてます。

不景気やら時代の価値観のせいかもしれませんね。



今日は種馬ショージの元部下、リュースケの話。

※※※※※

オレが会社で管理職になって部下を持つようになったんは8年前。

入社以来、大して仕事ができたわけでもないどころか歯に衣着せぬ物言いで敵も多かったオレを『お前はおもろい奴っちゃ』と鶴の一声で所長、すなわち管理職に昇格させてくれたのは当時の本部長。

寝耳に水の抜擢にオレが一番に考えたのは
『部下を選ばないようにしよう。』

当時すでに四人の子供がいたオレは
『子供は親を選べない。部下も上司を選べない。でも上司は多かれ少なかれ部下を選ぶ権利を持つ。』
て事に気付いてた。


そんなオレに与えられた部下の一人が木田隆介。
高卒入社の18歳、取引先のコネ入社の社員やった。

木田はとにかく酷かった。仕事ができないだけでなく、挨拶は「おはようございます。」も「お疲れ様です。」もなく「チィース!」のみ。
ピンクのスーツで出社する。
髪は茶髪。
通勤に使ってる車の下には煙草も入らないほど車高が低い。

ま、DQNっての?そんな感じで社会人としての自覚が足りなかった。

でもそんな部下でもなんの縁かオレの部下。
オレは彼を『リュースケ』とファーストネームで呼ぶことにして距離を近づけようとした。

けど、だからと言ってリュースケの無能っぷりは何ら変わることなく周りの社員は彼のフォローに追われる日々が続いた。


リュースケの何かを変えてやりたい、変わらなきゃヤバい!と考え始めたころにリュースケの担当顧客の左京氏からオレに電話があった。

この左京氏、武家の末裔みたいな名字やけど顔は高木ブーと仲本工事を足した『一人ドリフターズ@マイナーな方』みたいな見た目。オレも昔担当してたことがあったけど、まぁ頑固で聞き分けのないオッサンやった。オレはなんとか左京氏に取り入って気に入ってもらえたんやけど同業者の評判も最悪の強者。

「種ちゃん、今の担当のあいつはあかんで…、担当代えてくれへんか?」

今の担当=リュースケのダメ出しやった。
営業職の会社員にとって顧客から担当変更の申し出なんて最大のタブー、禁忌。

逆に言えば顧客の好評価は社内での不遜や不義の免罪符になりうる、とはオレの持論。

左京氏曰くリュースケは約束の時間に遅れたり、提示すべき条件の期限を守らなかったり、と社会人としてのモラルがなってない、と。

「左京さん、ホンマに申し訳ない。
リュースケの事はもうちょっとだけ見守ってやってください。
デキは悪くてもオレの可愛い部下なんすよ!」
と答えておいたけど、さすがにリュースケに説教した。

「確かに左京さんはやりにくい相手や。でもそれから逃げたらお前一生成長せんよ。」
と言うオレに

「所長、今夜メシ奢ってください。」
と唐突で無礼な申し出があった。
もちろん二人でメシなんて行ったことがない。

「かまわんけど、なんでや?」
と聞くオレに他の部下は
「会社辞めるんちゃいます?」
と囁いた。


リュースケと行ったのは鉄板焼屋。
二人でホルモン焼きをツマミに生ビールを飲みながら
「で?なんか話あるんか?」
と切り出すオレにリュースケは話し始めた。

「自分、今彼女いるんすけど妊娠させてもたんですよ。」


あらら、、、

仕事は半人前でもやることはやっちゃってるんやねー。

なんてユルい感じで聞いてた。
「ふーん、んで?」


「んで?て…
どうしたらいいっすか、て相談してるんですけど…」

「オレが『まだ早い。おろせ』言うたらおろすの?
お前の中には既に結論出てるんやろ?」

「一応、結婚して産ませようと思ってるんですけど…」


ここまで聞いてオレは激怒した。


「お前アホか!
なにが“一応”じゃ!
仕事が未熟なんは構わんわい!いや、それも大事なことやけども。
けどお腹の子の父親はお前以外におらんのやったら、少なくともお前はもっと自信持って構えなあかんのやで!
でないと彼女も安心して赤ちゃん産めんやろがー!」


オレのでかい声に店内一同引きまくり。


けどリュースケに足りないのは正にここ、と思ったオレは譲らずに続けた。

「お前がどんなにダメ人間でも、これが望んでない妊娠やとしても、赤ちゃんと彼女にとってはお前は唯一の存在や!
天地神明に誓って大事にしたれ!
仕事も一緒やで!
『自分しかできひん仕事』と思ってやるから面白い仕事になるんや!
嫌な事から逃げんと向かい合わな成長せんぞ!」

ちょっと強く言い過ぎたからリュースケも引いてた。


リュースケは黙って頷いてホルモンを食い続けてた。
泣いとった。



その2ヶ月後リュースケは結婚して遠くに転勤していった。






風の噂で頑張ってると聞いたがしばらく連絡もしなかった。
けどつい先日ラインでつながった。

うわっ!リュースケからのメッセージや!と思ったら



『LINE釣り★マスを一緒に遊ぼう』

てゲームの招待やった󾭜



そのままスルーするには懐かし過ぎたんで
『お前まっとうに生きてるんか?』

と返事したら

『いやぁ過去の自分を思い出すのが恥ずかしすぎて所長には連絡できんかったっす!
あん時のホルモンの苦さが忘れられなくて!』

もう所長やないんやけど、、、なんか雰囲気変わったんが文面から伝わってきて安心したから
『で?今はホルモン美味く食えてるんか?』


『メシは何を食うかよりも誰と食うか、て所長に教えてもらいましたから大丈夫です!』

うーん、なんかうまく繋がってないけどオレの言葉覚えてるってアピールやろからよしとするか!





※※※※※※

ちなみにリュースケは高卒社員としては異例の出世を遂げ、年上の部下を持つ立場にまでなっていました。

『地位や立場が人を育てる』って本当だなぁと思いました。

このご時世、デキ婚でもいいけど親として、人としてしっかり自覚を持つようにしましょうね!

コメント(75)

かっこいいです!!
種馬さんみたいな上司、先輩がいたら良いなぁ♡
一票です!

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