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日記ロワイアルコミュのさんたさんきたる

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こんにちは。

懲りもせず、彼(貝塚)の話です。

超長文なので、お暇な方だけお付き合いください。



+++



2011年12月24日、クリスマスイブのことです。



みかんが消える木造ボロ黴アパートから一転、オートロック、カウンターキッチン、IHコンロを兼ね備えたハイパー新築マンション(の一階)に居を移してから初めて迎えるクリスマスイブ。

早朝、私は起床後20分でトイレ・シャワー・着替え・化粧・行ってきまーす、を成し遂げるべく、鬼の形相で疾風迅雷を体現していました。

そんな私に向かって



「キョウノ夜メシ、オレガ作ッテマッテルヨー」



とボビーオロゴンかはたまた牛かというレベルまで間延びした声がかけられました。

たまたま公休とクリスマスイブが重なった貝塚が布団の中から本当に器用に目だけを覗かせて発した一言でした。



乗るべき電車の発車時間が4分後に迫っていた私は「わあありがとう行ってきます!」と叫びながら飛び出すより他ありませんでしたが、突然の貝塚の申し出に内心るんるんでした。


というのも、同棲して5年、貝塚がキッチンに立ったのはたった1度きり。

そのメニューも小間切れ肉にジャンを丸々1本ぶっかけてびったびたに煮浸しするという、漢の手料理にも泣いて謝れレベルの料理でした。

かけうどんの一杯も作れず、私の不在時には頑なに外食を貫き通す貝塚が、自ら炊事を提案するだなんてセロをも凌ぐサプラーイズなのです。



目の回るクリスマス商戦も何のその、るんるん気分で仕事をこなしました。

家に帰れば、貝塚さんが大いに腕をふるったクリスマス・ディナーが待っているんだ!と思えばどんな苦行も乗りきれるほどに、結局私は貝塚のことを好いていました。



いつもなら1時間かかる閉店作業を15分で済ませ、稲葉さんのように椅子を買って帰るかどうするかなんて悩むこともなく、ご自慢の高速摺り足でシュタタタタと、それはもう鼻息荒く吐く息白くシュタタタタと新築マンションに帰りました。



靴を揃えるのももどかしく、無駄につるつる滑る床に足をとられながらも駆け込んだリビング、食卓にはクリスマスイブにぴったりの山と積まれた











当とオリジン惣菜






「オカエリー」




オリジン惣菜の山の向こう、相も変わらず口を半開きにしたままヘラヘラ顔で鎮座する貝塚を見た瞬間、どうしようもない虚しさとやるせなさが私の中に渦巻きました。








ちょっと考えれば、こうなるであろうことは容易に想像できました。

けれど、不覚にもクリスマスという甘くロマンチックな日取りに惑わされ、温かく愛のある貝塚の手料理がお出迎えしてくれるはずと信じて疑いませんでした。



オリジンのほうが安全である上にお味もまあ間違いないですが、でもやっぱりびったびたでも何でも手料理が食べたかったのです。




「なにこれ?」

「ユウハン」

「作るんじゃなかったの?」

「…チョット、時間ガアリマセンデシタ」

「1日休みだったのに?」

「………」



そこからは終始無言でした。

クリスマスイブの夜の食卓で一言も言葉を交わすことなく黙々と箸を動かし咀嚼、咀嚼。

貝塚がチラチラとこちらを窺っていることにも気づきましたが、黙々と咀嚼、咀嚼。



オリジン一式をあらかた片付けた頃合いを見計らって、貝塚がおずおずと差し出してきたコージーコーナーのケーキにも、



「…こんな日にまでコージーコーナーって…別に美味しくないし、いらない」



なんてまあ暴言を吐き捨て目も合わせませんでした。

そんな私の態度にも関わらず、貝塚は怒る素振りも見せず、静かにケーキを冷蔵庫に仕舞い、のそのそと寝室へと消えていきました。


ちょっと言い過ぎたかな、と思いつつも、変な意地とプライドでガチガチになってしまっていた私は貝塚の後を追うことも出来ずただ食卓に座り続けました。



そのときでした。




「ウワアアアー!サンタサンガキタミタイダー!」




寝室からバカ間抜けな声が響きました。



ちょっと反省しかけていた私はしかし、この空気でなにがサンタサンだ、ふざけんのもいい加減にしろと再びフンヌッしました。

私が無視を決め込んでいると察した貝塚は、ドタバタと私のところまで来て、



「寝室ニサンタサンガイルヨ、寝室ニサンタサンガイルヨ」



と必死の表情で捲し立て、私を椅子から立ち上がらせようと押したり引いたりしてきます。


あまりにもウルサイので、もう本当にイライラした私は何がサンタさんだと怒鳴り付けるつもりで貝塚の手を振りほどき足音荒く寝室に向かいました。



寝室のドアをバンッと開けて、なーにがサンタさんだ、とやろうとした時、ベッドの上になにかイビツなものがちょんと乗っているのに気づきました。

後からやってきた貝塚も、私の肩越しにそのイビツなものを指差し叫びます。



「ホラー、サンタサンガキタンダヨー! 靴下ニプレゼント入レテクレタヨー!」



言われるまで気づきませんでしたが、良く見るとその イビツなもの は貝塚の使い古したきっったねぇサッカー用の靴下でした。

茶ばんだサッカー靴下の、その丁度真ん中あたりがボコッとしていました。



「ミテミナヨー、サンタサンノプレゼントミテミナヨー」



喧嘩中の空気をもろともしない貝塚の声色に、調子が狂った私は、言われるがままにそのきったねぇサッカー靴下を手に取…つまみ上げました(貝塚は水虫だからです)。

なにか、ごつごつと角ばった物体の感触が靴下越しに伝わってきます。



「ハヤクハヤクー」



貝塚に急かされた私は(色んな意味で)恐る恐る靴下の中に手を入れました。

掴み出したものは、小さな、立方体の、




箱。





さすがの私も、これが何であるか、察しました。

へその緒とか、抜けた乳歯とか、怖い話でお馴染みのコトリバコとかでなければ、これは、これは…




開けたいような、開けたくないような、そんな不思議な感覚に包まれながら開けたその箱の中には…




小さな石のついた小さなワッカがちょこんとおさまっていました。





「ボクト、ケッコンスルヤクソクヲ、シテクダサイ」



+++



今や旦那となり果てた貝塚との出逢いは遡ること5年前。友人の彼氏の新居の隣人が貝塚でした。

割りとたまたま知り合い、不覚にも私が一目惚れをし、そして私得意の執拗な、スッポンディフェンスほどに執拗な且つ大胆なストーキング行為が実を結び、出逢ってから1週間でお付き合いが始まりました。

お付き合いをしている5年間、色々ありました。




私のズッカのボトムがないなあないなあと思っていたら、貝塚がオークションで売りさばいていたり。


朝帰りをし、ふらふらになって愛の巣に帰還した所ドアのチェーンロックががっつりかかっていて、仕方なしに蜘蛛の巣だらけのブロック塀をすり抜け錆だらけのフェン巣を乗り越え、やっとのことで辿り着いたベランダから見えた室内に、全裸で「アゲギャルOLぶち抜き★50連発」的な雑誌を顔面に乗せたまま爆睡している貝塚の姿を発見したこともありました。


愛しのめぐちゃんのために作ったゆきだるまの写メをついでに私にも転送してきたこともありました。


12回払い(!)で買った13万のコートを3ヶ月後には売ってしまい、その後9ヶ月間この人は既に手元にないものの請求を受け続けていくんだなあと哀愁漂ったこともありました。


人が自分の真似をするとき、みんながみんなボビーみたいな口調になることを遺憾に思っている貝塚を不憫に思ったこともありました。


ゲンパツのことをよもや人かもしれないとさえ思っていました。


ティッシュ一丁で果てたまま寝ている光景も今となってはもう日常のヒトコマでしかありません。







今までお付き合いした7人の彼氏ほぼ全員から「感情の起伏の激しさについていけない」と打ち捨てられた私と5年も一緒にいてくれた上に、これから先の約束をしてくれたのも貝塚です。


毎月、付き合った記念日の10日には、必ずケーキを買ってきてくれるのも貝塚です。


私が大気を震わせるオナラをしても、ヒキガエルが転生したようなゲップをしても、爆笑して「モウイッカイシテー」と言ってくれるのも貝塚です。


私の沢尻エリカ+(柴田理恵+光浦靖子)×山田花子−沢尻エリカのような寝顔にもひるまずむしろ写メを撮って翌朝ニヤニヤしながら見せてくるのも貝塚です。



趣味が合わないとか、根本的に無知とか、セックスレス(1年8ヶ月)とか、くちゃくちゃ咀嚼するとか、水虫持ちとか、セックスレス(1年8ヶ月)とか、もはやキスすらしないとか、腕枕しないどころか手すら繋がないというかそもそも日常に触れ合いがないなんなら猫との方が触れ合っているわという色んな不満もありますが、それでもやっぱり一番安心できる居場所を与えてくれるのは、貝塚しかいないなあと思うに至りました。



日ロワにはその都度その都度愚痴なり不満なり泣き言なりを含んだ恥さらし日記を投稿させていただきました。

大勢の方にたくさんのコメントを頂きました。

皆さんのおかげで、今日を迎えられたといっ……たら、それは










です。



でも、笑い飛ばして頂いて救われました。ありがとうございました。



元々本名の略からつけたHNだったため、姓が変わった今 うちこ 改め









になります。蚕になります。蛾です。



これからも、ふつつかものではありますが、ワタクシ蚕を宜しくお願いいたします!






PS 小学校以来、私の数少ない親友でいてくれている くどみ という子がいます。くどみも本名の略で くどみ と呼ばれているんですが、そんなくどみが藤井くんと結婚した際に「くどみ改めふじみになります。不死身です」ってやってたのがくそ面白くて羨ましくて真似しましたが蚕はイマイチでした。



PS 中学時代の友人に結婚を報告した際に、貝塚という名字を告げたらみんながみんな「貝塚!?運命だねぇ!!」と言ったので、はて?と小首を傾げた私ですが「だって、じょもんが貝塚になるんでしょ?運命だよ!」と言われて怯えました。私中学時代の3年間、縄文人に似てるからというざっくり且ついじめに近い理由で じょもん と呼ばれていました。 縄文人のじょもんが縄文時代のゴミ箱貝塚と結婚するだなんて、ということだったみたいで、そりゃ確かにすげぇやと思いました私事ですが。

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