![ミクナビ◆[就職活動]情報交換◆](https://logo-imagecluster.img.mixi.jp/photo/comm/95/84/209584_67s.gif){kind=logo}
僕のマイミクにシュウトという男がいる。
今はワケあってシウレンに改名しているみたいだが、馴染み深いのでシュウトと呼ばせてもらっている。
ミクシー内で知り合って、直接会った事も無いが僕はこの男が大好きだ。
いつも明るく元気に振る舞う太陽のような男で、とにかく真っ直ぐで誰に対しても嫌味が無く優しいので絡んでいても気分が良い。
そのくせ、自分には厳しく腰が低くて謙虚そのもの。
文字で会話するだけでも人柄の良さが伝わってくるので、現実でもミクシーでもシュウトさんの事を慕う人はたくさん居ると思う。
気配りも出来る。
僕はなかなか周囲に溶け込めない人見知りで内向的な性格で、その性格はミクシーにログインしていても変わらない。
その為、絡みづらい負のオーラを自然と出していると思うのでなかなか友達が出来ない。
それでも、そんな僕にでもシュウトさんは優しくしてくれるどころか、「ここ面白いから入ってみてください。」「このコミュは良い人ばかりだから、皆と仲良くなれると思いますよ。」と言って、僕に合いそうなコミュを薦めてくれたりする。
正直、僕の事を抱こうとしているんじゃないかと思う。
僕はれっきとしたノンケで、男性には恋愛感情を持たないが、シュウトさんになら・・・(ポッ)
・・・いやいや僕は何を言っているんだ。確かにシュウトさんは見た目も九州男児さながらの男前だが、僕はそんな軽い男じゃないし、シュウトさんは嫁さんも子供も居る。距離だって九州と四国じゃないか。
そもそもシュウトさんは下心を持って僕に接しているワケではなく優しさは本心のはずだ。親切を禁断の果実に置き換えるなんて僕って奴はイケナイ男だな・・・
ああ、シュウトさん、こんな歪んだ考えをする僕を今すぐ叱っておくれ・・・シュウトさんを欲しがり過ぎてパソコンのディスプレイが吐息で曇っているよ・・・
シュウトさんの事を褒めるつもりが、少々日記の内容がホワワンとしたピンク色になってしまった。
見苦しい所を見せてしまいすまない。
それくらいシュウトさんの事を慕っているという事でご理解願いたい。
今日は僕とシュウトさんが仲良くなったきっかけについて話そうと思う。
出逢いは、日記ロワイアルの負け犬の遠吠えというトピック。
負け犬の遠吠えトピとは、日記ロワイアルで自身の作品が５０票に届かず、残留出来なかった投稿者が心の叫びの捌け口として利用するという、僕のような票に飢えたくすぶっている書き手にとって心の拠り所にもなる非常にありがたいトピック。
この時の僕は、前回の日記で票を４０票獲得していたので、「次こそは初残留を決めてやる！」と意気込んで投稿した日記が一週間で１票しか入らなかったので白目を剥いて失禁していた。
いつもなら残留しなくともそこまで落ち込まなかったが、４０票という大台を叩きだし、調子こいてたのもあってダメージがデカかった。
このままでは自分のモチベーションが保てないので、日記を書く意欲の灯が消えぬ内に負け犬の遠吠えトピに何か書きこんで心を潤そう。と思い負け犬の遠吠えトピを開いた。
他の書き込みを見ていると、皆残留出来なかった思いを、自身の作品を読んでくれた感謝の気持ちと共にこのトピにぶつけている。
なんだ、落ち込んでるのは僕だけじゃないんだ。そうだよな、票が入らない事を嘆くよりも、票を入れてくれた事、僕の日記を読んでくれた事に感謝すべきだよな。
このトピを開いて良かった。何か大切な事に気付けた気がする。次もめげずに初残留を目指そう！
気分が明るくなってきた僕は、引き続きトピを覗いていた。
しかし、物事は程々が肝心。次の書きこみを見た瞬間取り戻した明るさの灯が一瞬にして吹き飛ぶ。
鍋焼きスパゲッティ 『アイドルになりたい冷奴』４０票
不正票を差し引いたら３９票
いやー仕上げて来たんですけどダメでしたねー
でもこれで日ロワで勝てるコツを掴めた気がします。
何を書けば票が入るかだいたい分かりました。
今回で我ながら手応えを掴めたかも(笑)
それではこれにてお邪魔します。
ブフォッ！！
口に含んでた動物ビスケット全部噴き出した。
白目を剥いて失禁し、今度は脱糞までした。
何言ってんだこいつ。
何が日ロワで勝てるコツを掴めた気がします。だ・・・
何が何を書けば票が入るかだいたい分かりました。だ・・・
何が今回で我ながら手応えを掴めたかも(笑)だ・・・
終いには最後のそれではこれにてお邪魔します。の『これにて』までムカついてきた。
勢い余って負け犬の遠吠えトピに「自分を半殺しにしたいです。」と書き込んだ。
割とガチで思った。
痛いよ一週間くらい前の僕
楽しそうにすんじゃねえよ
へらへらすんじゃねえよ
とにかく痛さと恥ずかしさしか残ってない。
なかなか無いぞこんな恥ずかしいと思える事。
こんな恥ずかしいの原付のスピード違反で取り締められた時、財布から免許書を取り出そうとした瞬間メイドカフェでメイドさんと撮った２ショット写真がポロっと地面に落ちた時以来だ。
とにかくこの書き込みは僕に日記を書く事をしばらく辞める理由として充分過ぎた。
もう日ロワも当分覗かない、あんな事を書いといてどの面下げて「一票！」って堂々と書けるんだ。
僕は静かにミクシーを閉じ、噴き出した動物ビスケットの片付けに勤しんだ。
それから三時間くらい経っただろうか。何気なくミクシーにログインすると僕の足跡帳に一件の書き込みがあった。
シュウト2012年03月20日 00:00
訪問者・および日記ロワから来ました！！！
【負け犬の遠吠え】でのコメントがとってもナイスでしたｗｗｗ
あの場所でコメしたかったのですが、前の部分で結構喋りすぎたのでこちらに書かせて頂きましたｗｗｗ
お互い、残留目指して頑張りましょうね！！！
ジュワッ！！
この書き込みを見た瞬間、男だけど濡れてしまった。
何なのこの紳士！
この時点で僕はこの人に抱かれても良いと思った。
こんなにすぐ落ちるなんて我ながら女に生まれていたらと思うとゾッとする。
水も滴る良い男ならぬ汁が滴るあばずれ女になっていただろう。
それにしても良い色男だ、シュウトさんって言うのか。
日ロワはシビアだとよく聞くけど、中にはこうやって慰めてくれる人もいるものなんだな。
シュウトさんの温かさが身に染みる。
シュウトさんの温かさ最高や。
シュウトさんは日ロワのマザーテレサや。
シュウトさんは日ロワのナイチンゲールや。
シュウトさんは日ロワのファンヒーターや。
シュウトさんは日ロワのチンパンジーや。
シュウトさんは日ロワのキムチ鍋や。
シュウトさんは日ロワのミソスープや。
シュウトさんは日ロワのふくよかな女性が長時間座った後のイスや。
話しを聞くと、シュウトさんも当時残留経験が無く、それでもめげずに投稿しているらしい。
シュウトさんも残留ヴァージンなんだ。純愛って素敵やん。
「鉄焼きスパゲッティさん、お互い残留目指して頑張りましょうね！」
爽やかなコメントを残してシュウトさんは去って行った。
お互い残留目指して頑張りましょうね！
この言葉が僕の日記創作意欲に火を付けた。
この人は結果がどうあれ毎週日記を投稿し続けている。
負け犬の遠吠えトピでも嫌味一つ書かず、それどころか前向きなコメントで他の投稿者の作品の良かった所を言って励まし、自分自身が生き生きとしているように見える。
好きなんだな。文章を書くのも、読むのも。
彼に比べて僕はどうだ？
自分が残留する事だけしか考えず、周りなんか一切見ない。
そのくせちょっとウケなかっただけで諦めて、何が読み手の心を動かさなかったかも考えもしない。
これではいつまで経っても残留なんか夢のまた夢。
投げ出すのはまだ早い、もう少し頑張ってみよう。
僕はまた投稿を続けた。
２０票→１票→１２票→０票・・・
結果は依然として安定しないが、それでも僕の足跡帳やメッセージに励ましのコメントをしに来てくれる人達のおかげでモチベーションを保っていた。
それに
「鉄焼きスパゲッティさん、今回は惜しかったですね！」
「鉄焼きスパゲッティさん今回のは良い線行くんじゃないですか？」
「いやいや、自分は鉄焼きスパゲッティさんにはまだまだ及ばないですよｗ」
シュウトさんが僕の日記を見つける度にコメントしにきてくれた。
やはり残留出来なくても折れなくなったのはこの男のおかげかもしれない。
「僕鉄焼きスパゲッティさんのああいう日記大好きです！」
キュン・・・そうかやっぱり僕・・・
僕は決心した。次の日記残留したら僕の想いをシュウトさんに伝える事を。
本当はこのまま胸に秘めた想いを黙っておいた方が良いのかもしれない。
その方が互いに幸せなのかもしれない。
でも伝えないと僕の心は満たされないのも事実。
決めた、言おう。
もう決めたんだ。僕は次の日記で勝負を懸ける。
決心が付いた僕は全身全霊を込めて日記を書いた。
ああでもないこうでもないと考えながらパソコンのキーボードをカタカタさせる。
そして紆余曲折を経てようやく完成。
日記を書き始めた頃は夜だったのに、いつのまにか眩しい日差しが僕を照らしていた。長時間パソコンの画面を見続けたので目がチカチカする。
創作時間およそ１２時間。
今までの日記の中でも断トツで力を入れた日記。
早速日ロワに投稿して、昨日入り損ねたお風呂に入った。
やった、やり遂げた・・・これでもかというくらい力を入れたんだ。残留出来なくとも悔いはない。
結果じゃない、やり遂げた事に意義があるんだ。よくやった、よくやったぞ自分。
疲れ切った僕は、ゆっくり体を洗い流して風呂から出てそのまま寝た。
(もうこんな時間か・・・)
起きて時計を見ると、６時間くらい寝ていた。
そういえば僕日ロワに投稿していたんだっけ。
携帯からミクシーにログインし、そのまま日ロワに入った。
トピック一覧を見ると、まだ僕のトピが上の方に残っていた。
しかも今までだと考えられないくらいの票の入り方。
イケる！今回はイケる！
結局、その後僕のトピは一度沈んでしまったが、２４時間経った時点で２８票入った。
一日で２８票。
充分射程圏内だ、この調子で伸びてくれ。
二日目も僕は会社に居ながら票の入り具合が気になって仕方なかった。
結果、二日目経った時点で３８票。
ペースこそ落ちているものの着実に残留に近づいている。
そして三日目、この日は仕事が忙しくてミクシーにログインする事が出来ず、仕事が終わった夜にこの日初めてログインする事が出来た。
どうなっているんだ。まだ一週間の猶予まで余裕があるが、最後まで分からないのが日記ロワイアル。
すごい勢いで票が入った作品も、結局そのまま沈んで残留出来なかった日記だっていくつも見てきた。
出来れば早い内に決めたいのが本音。
意を決して自分の日記の状況を見てみる。
５２票集まっていた。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！よっしゃああああああああ！やった！とうとうやった！５０票が今まで雲の上の存在だと思ってたけど、頑張れば僕でも出来るんだ。やった！やったあああああああああああああああああ！
感無量、夢見心地、コングラッチュレーション。
素敵な言葉が僕の脳内に舞い踊る。
本当に頑張った甲斐があった。
ひとしきり喜んだ後落ち着くと、２件メッセージが届いている事に気付く。
一体誰なんだろうか。夢見心地のまま新着メッセージが届いています！をクリック。
件名 シュウトです！(^^)
残り１０票切りましたね！！
シュ、シュウトさん////書きこんでくれてたんだ！本当優しいんだから////
続いてもう一通のメッセージもクリック。
件名 シュウトです！(^^)
やりました！
残留おめでとうございました！(*ﾟ∀ﾟ)=3
可愛い顔文字も使えるんだ////ギャップ萌え//
たまらなくなり、すぐさまシュウトさんに「やったあああああ!!俺やったよおおおお!!とうとうやったよおおおお!!ありがとう、ありがとう!!本当にありがとう!! 」と返信した。
間もなくしてシュウトさんから返信が返ってきた。
「やりましたね！自分の様に嬉しかったです！ さぁ、残りあと２作品ですね！早く鉄焼きスパゲッティさんのインデックスが作成出来る事を祈ります！(｀∇´ゞ」
シュウトさん自身も作品を投稿しているのに、自分のはお構いなしに喜んでくれるシュウトさんを見て僕はますますシュウトさんが好きになった。
シュウトさん、ああっシュウトさん・・・
そうだ、日記が残留したら伝えるんだった。
この事を伝えるとシュウトさんに嫌われる可能性だってある。
もう今までみたいに僕の名前を呼んでくれないかもしれない。
それでもいい、このままズルズル引きずるよりかは今言っちゃった方が良いに決まっている。
ええい！ウジウジすんな僕！決めたんだろうが！この勢いで伝えちゃえ！
「あの、シュウトさん、実は前から言おうと思っていた事があるんですが、
僕の名前は鉄焼きスパゲッティではなくて鍋焼きスパゲッティです」
そう、僕の名前は鍋焼きスパゲッティ。
そんな物騒な物でスパゲッティを焼いていない。
「えっそうだったの！？じゃあずっと間違えてたんだ！なんかごめんね！じゃあ今度からはスパちゃんって言います。」
ホッ・・・
この瞬間が僕の２０１２年上半期最も心が満たされた瞬間である。
言いたくても言えない些細な事ってあるよね。
今はワケあってシウレンに改名しているみたいだが、馴染み深いのでシュウトと呼ばせてもらっている。
ミクシー内で知り合って、直接会った事も無いが僕はこの男が大好きだ。
いつも明るく元気に振る舞う太陽のような男で、とにかく真っ直ぐで誰に対しても嫌味が無く優しいので絡んでいても気分が良い。
そのくせ、自分には厳しく腰が低くて謙虚そのもの。
文字で会話するだけでも人柄の良さが伝わってくるので、現実でもミクシーでもシュウトさんの事を慕う人はたくさん居ると思う。
気配りも出来る。
僕はなかなか周囲に溶け込めない人見知りで内向的な性格で、その性格はミクシーにログインしていても変わらない。
その為、絡みづらい負のオーラを自然と出していると思うのでなかなか友達が出来ない。
それでも、そんな僕にでもシュウトさんは優しくしてくれるどころか、「ここ面白いから入ってみてください。」「このコミュは良い人ばかりだから、皆と仲良くなれると思いますよ。」と言って、僕に合いそうなコミュを薦めてくれたりする。
正直、僕の事を抱こうとしているんじゃないかと思う。
僕はれっきとしたノンケで、男性には恋愛感情を持たないが、シュウトさんになら・・・(ポッ)
・・・いやいや僕は何を言っているんだ。確かにシュウトさんは見た目も九州男児さながらの男前だが、僕はそんな軽い男じゃないし、シュウトさんは嫁さんも子供も居る。距離だって九州と四国じゃないか。
そもそもシュウトさんは下心を持って僕に接しているワケではなく優しさは本心のはずだ。親切を禁断の果実に置き換えるなんて僕って奴はイケナイ男だな・・・
ああ、シュウトさん、こんな歪んだ考えをする僕を今すぐ叱っておくれ・・・シュウトさんを欲しがり過ぎてパソコンのディスプレイが吐息で曇っているよ・・・
シュウトさんの事を褒めるつもりが、少々日記の内容がホワワンとしたピンク色になってしまった。
見苦しい所を見せてしまいすまない。
それくらいシュウトさんの事を慕っているという事でご理解願いたい。
今日は僕とシュウトさんが仲良くなったきっかけについて話そうと思う。
出逢いは、日記ロワイアルの負け犬の遠吠えというトピック。
負け犬の遠吠えトピとは、日記ロワイアルで自身の作品が５０票に届かず、残留出来なかった投稿者が心の叫びの捌け口として利用するという、僕のような票に飢えたくすぶっている書き手にとって心の拠り所にもなる非常にありがたいトピック。
この時の僕は、前回の日記で票を４０票獲得していたので、「次こそは初残留を決めてやる！」と意気込んで投稿した日記が一週間で１票しか入らなかったので白目を剥いて失禁していた。
いつもなら残留しなくともそこまで落ち込まなかったが、４０票という大台を叩きだし、調子こいてたのもあってダメージがデカかった。
このままでは自分のモチベーションが保てないので、日記を書く意欲の灯が消えぬ内に負け犬の遠吠えトピに何か書きこんで心を潤そう。と思い負け犬の遠吠えトピを開いた。
他の書き込みを見ていると、皆残留出来なかった思いを、自身の作品を読んでくれた感謝の気持ちと共にこのトピにぶつけている。
なんだ、落ち込んでるのは僕だけじゃないんだ。そうだよな、票が入らない事を嘆くよりも、票を入れてくれた事、僕の日記を読んでくれた事に感謝すべきだよな。
このトピを開いて良かった。何か大切な事に気付けた気がする。次もめげずに初残留を目指そう！
気分が明るくなってきた僕は、引き続きトピを覗いていた。
しかし、物事は程々が肝心。次の書きこみを見た瞬間取り戻した明るさの灯が一瞬にして吹き飛ぶ。
鍋焼きスパゲッティ 『アイドルになりたい冷奴』４０票
不正票を差し引いたら３９票
いやー仕上げて来たんですけどダメでしたねー
でもこれで日ロワで勝てるコツを掴めた気がします。
何を書けば票が入るかだいたい分かりました。
今回で我ながら手応えを掴めたかも(笑)
それではこれにてお邪魔します。
ブフォッ！！
口に含んでた動物ビスケット全部噴き出した。
白目を剥いて失禁し、今度は脱糞までした。
何言ってんだこいつ。
何が日ロワで勝てるコツを掴めた気がします。だ・・・
何が何を書けば票が入るかだいたい分かりました。だ・・・
何が今回で我ながら手応えを掴めたかも(笑)だ・・・
終いには最後のそれではこれにてお邪魔します。の『これにて』までムカついてきた。
勢い余って負け犬の遠吠えトピに「自分を半殺しにしたいです。」と書き込んだ。
割とガチで思った。
痛いよ一週間くらい前の僕
楽しそうにすんじゃねえよ
へらへらすんじゃねえよ
とにかく痛さと恥ずかしさしか残ってない。
なかなか無いぞこんな恥ずかしいと思える事。
こんな恥ずかしいの原付のスピード違反で取り締められた時、財布から免許書を取り出そうとした瞬間メイドカフェでメイドさんと撮った２ショット写真がポロっと地面に落ちた時以来だ。
とにかくこの書き込みは僕に日記を書く事をしばらく辞める理由として充分過ぎた。
もう日ロワも当分覗かない、あんな事を書いといてどの面下げて「一票！」って堂々と書けるんだ。
僕は静かにミクシーを閉じ、噴き出した動物ビスケットの片付けに勤しんだ。
それから三時間くらい経っただろうか。何気なくミクシーにログインすると僕の足跡帳に一件の書き込みがあった。
シュウト2012年03月20日 00:00
訪問者・および日記ロワから来ました！！！
【負け犬の遠吠え】でのコメントがとってもナイスでしたｗｗｗ
あの場所でコメしたかったのですが、前の部分で結構喋りすぎたのでこちらに書かせて頂きましたｗｗｗ
お互い、残留目指して頑張りましょうね！！！
ジュワッ！！
この書き込みを見た瞬間、男だけど濡れてしまった。
何なのこの紳士！
この時点で僕はこの人に抱かれても良いと思った。
こんなにすぐ落ちるなんて我ながら女に生まれていたらと思うとゾッとする。
水も滴る良い男ならぬ汁が滴るあばずれ女になっていただろう。
それにしても良い色男だ、シュウトさんって言うのか。
日ロワはシビアだとよく聞くけど、中にはこうやって慰めてくれる人もいるものなんだな。
シュウトさんの温かさが身に染みる。
シュウトさんの温かさ最高や。
シュウトさんは日ロワのマザーテレサや。
シュウトさんは日ロワのナイチンゲールや。
シュウトさんは日ロワのファンヒーターや。
シュウトさんは日ロワのチンパンジーや。
シュウトさんは日ロワのキムチ鍋や。
シュウトさんは日ロワのミソスープや。
シュウトさんは日ロワのふくよかな女性が長時間座った後のイスや。
話しを聞くと、シュウトさんも当時残留経験が無く、それでもめげずに投稿しているらしい。
シュウトさんも残留ヴァージンなんだ。純愛って素敵やん。
「鉄焼きスパゲッティさん、お互い残留目指して頑張りましょうね！」
爽やかなコメントを残してシュウトさんは去って行った。
お互い残留目指して頑張りましょうね！
この言葉が僕の日記創作意欲に火を付けた。
この人は結果がどうあれ毎週日記を投稿し続けている。
負け犬の遠吠えトピでも嫌味一つ書かず、それどころか前向きなコメントで他の投稿者の作品の良かった所を言って励まし、自分自身が生き生きとしているように見える。
好きなんだな。文章を書くのも、読むのも。
彼に比べて僕はどうだ？
自分が残留する事だけしか考えず、周りなんか一切見ない。
そのくせちょっとウケなかっただけで諦めて、何が読み手の心を動かさなかったかも考えもしない。
これではいつまで経っても残留なんか夢のまた夢。
投げ出すのはまだ早い、もう少し頑張ってみよう。
僕はまた投稿を続けた。
２０票→１票→１２票→０票・・・
結果は依然として安定しないが、それでも僕の足跡帳やメッセージに励ましのコメントをしに来てくれる人達のおかげでモチベーションを保っていた。
それに
「鉄焼きスパゲッティさん、今回は惜しかったですね！」
「鉄焼きスパゲッティさん今回のは良い線行くんじゃないですか？」
「いやいや、自分は鉄焼きスパゲッティさんにはまだまだ及ばないですよｗ」
シュウトさんが僕の日記を見つける度にコメントしにきてくれた。
やはり残留出来なくても折れなくなったのはこの男のおかげかもしれない。
「僕鉄焼きスパゲッティさんのああいう日記大好きです！」
キュン・・・そうかやっぱり僕・・・
僕は決心した。次の日記残留したら僕の想いをシュウトさんに伝える事を。
本当はこのまま胸に秘めた想いを黙っておいた方が良いのかもしれない。
その方が互いに幸せなのかもしれない。
でも伝えないと僕の心は満たされないのも事実。
決めた、言おう。
もう決めたんだ。僕は次の日記で勝負を懸ける。
決心が付いた僕は全身全霊を込めて日記を書いた。
ああでもないこうでもないと考えながらパソコンのキーボードをカタカタさせる。
そして紆余曲折を経てようやく完成。
日記を書き始めた頃は夜だったのに、いつのまにか眩しい日差しが僕を照らしていた。長時間パソコンの画面を見続けたので目がチカチカする。
創作時間およそ１２時間。
今までの日記の中でも断トツで力を入れた日記。
早速日ロワに投稿して、昨日入り損ねたお風呂に入った。
やった、やり遂げた・・・これでもかというくらい力を入れたんだ。残留出来なくとも悔いはない。
結果じゃない、やり遂げた事に意義があるんだ。よくやった、よくやったぞ自分。
疲れ切った僕は、ゆっくり体を洗い流して風呂から出てそのまま寝た。
(もうこんな時間か・・・)
起きて時計を見ると、６時間くらい寝ていた。
そういえば僕日ロワに投稿していたんだっけ。
携帯からミクシーにログインし、そのまま日ロワに入った。
トピック一覧を見ると、まだ僕のトピが上の方に残っていた。
しかも今までだと考えられないくらいの票の入り方。
イケる！今回はイケる！
結局、その後僕のトピは一度沈んでしまったが、２４時間経った時点で２８票入った。
一日で２８票。
充分射程圏内だ、この調子で伸びてくれ。
二日目も僕は会社に居ながら票の入り具合が気になって仕方なかった。
結果、二日目経った時点で３８票。
ペースこそ落ちているものの着実に残留に近づいている。
そして三日目、この日は仕事が忙しくてミクシーにログインする事が出来ず、仕事が終わった夜にこの日初めてログインする事が出来た。
どうなっているんだ。まだ一週間の猶予まで余裕があるが、最後まで分からないのが日記ロワイアル。
すごい勢いで票が入った作品も、結局そのまま沈んで残留出来なかった日記だっていくつも見てきた。
出来れば早い内に決めたいのが本音。
意を決して自分の日記の状況を見てみる。
５２票集まっていた。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！よっしゃああああああああ！やった！とうとうやった！５０票が今まで雲の上の存在だと思ってたけど、頑張れば僕でも出来るんだ。やった！やったあああああああああああああああああ！
感無量、夢見心地、コングラッチュレーション。
素敵な言葉が僕の脳内に舞い踊る。
本当に頑張った甲斐があった。
ひとしきり喜んだ後落ち着くと、２件メッセージが届いている事に気付く。
一体誰なんだろうか。夢見心地のまま新着メッセージが届いています！をクリック。
件名 シュウトです！(^^)
残り１０票切りましたね！！
シュ、シュウトさん////書きこんでくれてたんだ！本当優しいんだから////
続いてもう一通のメッセージもクリック。
件名 シュウトです！(^^)
やりました！
残留おめでとうございました！(*ﾟ∀ﾟ)=3
可愛い顔文字も使えるんだ////ギャップ萌え//
たまらなくなり、すぐさまシュウトさんに「やったあああああ!!俺やったよおおおお!!とうとうやったよおおおお!!ありがとう、ありがとう!!本当にありがとう!! 」と返信した。
間もなくしてシュウトさんから返信が返ってきた。
「やりましたね！自分の様に嬉しかったです！ さぁ、残りあと２作品ですね！早く鉄焼きスパゲッティさんのインデックスが作成出来る事を祈ります！(｀∇´ゞ」
シュウトさん自身も作品を投稿しているのに、自分のはお構いなしに喜んでくれるシュウトさんを見て僕はますますシュウトさんが好きになった。
シュウトさん、ああっシュウトさん・・・
そうだ、日記が残留したら伝えるんだった。
この事を伝えるとシュウトさんに嫌われる可能性だってある。
もう今までみたいに僕の名前を呼んでくれないかもしれない。
それでもいい、このままズルズル引きずるよりかは今言っちゃった方が良いに決まっている。
ええい！ウジウジすんな僕！決めたんだろうが！この勢いで伝えちゃえ！
「あの、シュウトさん、実は前から言おうと思っていた事があるんですが、
僕の名前は鉄焼きスパゲッティではなくて鍋焼きスパゲッティです」
そう、僕の名前は鍋焼きスパゲッティ。
そんな物騒な物でスパゲッティを焼いていない。
「えっそうだったの！？じゃあずっと間違えてたんだ！なんかごめんね！じゃあ今度からはスパちゃんって言います。」
ホッ・・・
この瞬間が僕の２０１２年上半期最も心が満たされた瞬間である。
言いたくても言えない些細な事ってあるよね。
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