日記ロワイアルコミュの除霊師の人に絶対読んでもらいたい（※怖い話）

私は大学で爆破力学の研究をしていました。

一日のほとんどを構内で過ごす私にとって、家は学生用のアパートで十分だったのですが、周りを学生たちに囲まれていたのでは研究の疲れを癒せないと、あえて大学からは距離のあるベッドタウンに住んでいました。

そこは比較的若い家族が住む閑静な住宅街。

私が住んでいたのは、新築アパートの二階でした。
大学の研究室に研究機材や私物の爆薬をほとんど持ち込んでいたため、家にはこれといった家具はなく、生活感の全くない部屋になっていました。

私は毎日自分の気が済むまで、それこそ遅い時は日付が変わるまで研究をしていて
その分朝は遅いという生活をしていました。
そのため、挨拶をする相手といったらほとんどが専業主婦。

挨拶をする相手といったらほとんどが人妻でした。

そのアパートに住んで半年ぐらい経ったころです。

その日は気分も乗らず研究もそこそこに、夕方６時前には部屋に戻っていました。
まだ明るさが残っていて、私は気分転換に部屋の掃除をすることにしたのです。

久しぶりに掃除機を引っ張り出して掃除をしていると、

　
カチャ

と何かが掃除機の先端に当たりました。

拾ってみるとそれはヘアピンでした。

「何だこれ？」

半年も住んでいてヘアピンの存在に気がつかないはずがありません。
ましてや新築アパートです。

妙だとは思ったのですが、その時は何かの偶然だと思って気にも留めずに髪に付けるとそのまま掃除を済ませました。

次の日、家に帰ってくると何かがおかしいのです。

はっきりとは言えませんが、家の中のものが動いている気がするのです。

それは次の日も、その次の日もおこりました。
気のせいだと思いたかったのですが、家具が少ない分よくわかるのです。

そしてある日、その異変は確実なものとなりました。

お昼前に部屋を出て大学に向かっていると、携帯電話が無いことに気がつきました。
充電したまま家に置いてきてしまったのです。

携帯はいつも充電器に繋いでベッドの枕元に置いています。

すぐに家に戻ってベッドの上を見ると携帯電話は…

ありませんでした。

充電器のコードはあるのに携帯が繋がれていない―――

「おかしいな」

辺りを探してみると、携帯はベッドの下に落ちていました。

「何でこんなところに落ちているんだ」

私が拾おうとすると

ツー‥　ツー‥　ツー‥

携帯電話が作動していることに気がつきました。
拾い上げて画面を見ると、番号こそデタラメでしたが今しがたどこかにかけているのです。

かけた時間は私が部屋に戻る３０秒ほど前―――

私はゾッとしました。

と同時に、背後に誰かの視線を感じました。
鳥肌が立った私は急いで玄関に行くと慌てて靴を履いて外に出ました。

「こんにちは」

アパートを出たところで誰かに声をかけられました。
声のしたほうを見ると、同じアパートに住んでいる奥様方３人でした。

「あ、こここここんにちは」

私はすぐに挨拶を返しました。
平静を装ったつもりでしたが、動揺しているのがわかったのでしょうか。

「どうかしたんですか？」

人妻の１人が聞いてきたのです。

一瞬迷ったのですが、同じアパートに住んでいる人妻たちなら何か知っているかもしれない――
そう思った私は、思い切って話してみることにしたのです。
アパートに入居してから今まで起こった異変について。

「何を言っているのよ。そんなことあるわけないじゃない」

私が話し終えるや否や人妻が返してきました。
案の定の答えでした。そりゃそうです。何かが勝手に動いたりなくなったりするはずがない。

そこで、私はたった今起こった携帯電話の件も話したのです。

すると、人妻たちの答えは意外なものでした。

「彼女さんでしょ」

大学の研究が忙しい私に彼女はいません。そのことを話すと

「嘘ばっかり。いつも昼間部屋にいるじゃない」

と言われました。そして…

「あら。今も窓からお見送りしてるじゃない」

と言って私の後ろの二階を指差しました。

「もうだめだ」

そう思った私はポケットからスイッチを出すと、それを押して部屋を爆破しました。

その後、私は大学を離れ、今は埼玉の刑務所にいます。