日記ロワイアルコミュの親の心子知らず（※怖い話）

ここ最近の話でここだけの話。
実は、うちにはお化けが出る。
小さな子供のお化け、両手を上げて、こんな感じで俺をおどかしに来る。

(｢ﾟ∀ﾟ)｢＜あーもー

ちなみに、彼女は「あんも」と言いたいらしい。
北東北地方の訛りで、お化け、の意だ。

残念ながら愛くるしい以外の何物でもないそれに対して俺は

(((；ﾟДﾟ)))＜やっべーあんも超怖ぇええ

と全力で身震いし、腰を抜かし、頭を隠し、最終的に泣く。
すると、駆け寄ってきて俺の頭をなでてくれる。

で、またちょっとするとおどかしに来る。

以下、繰り返し。

「パパ」よりも先に「お化け」を覚えてしまった彼女の行く末が気になりはする。
そしてすっかり自分のお化けっぷりにご満悦の彼女だが、こないだのこと。

あーもー＞ﾍ(ﾟ∀ﾟﾍ))))))～

と、いつものあれでふらふらと（歩き方に光るその演技力）歩いて行ってしまった。

はて、娘よ、どこへ行く、と。
そっちにはお前、誰もいないぞ、と。
こっそりつけて行くと、玄関でサンダルをなんとかひっかけ、網戸を両手でこじ開け、段差をなんとかクリアした。
（ちなみに一連の動作を「ﾍ(ﾟ∀ﾟﾍ)」この状態をキープしながらやろうとしているのでとんでもなく手間がかかっている、誰も見ていないのに、なんという役者魂）

そして、そのままの演技で飼い犬（♂10歳、雑種、気性難）のもとへ。

おお、嫌な予感しかしねえ。

っていうか助走が長すぎる。

と思ったのも束の間。

「あーもー」の「あー」あたりを言い終える前に

~o----oU･ェ･U＜ﾜﾝ！　　Σ(ﾉ・∀・；)ﾉ

さらに一つ、二つと吠えられて泣きながら敗走。
その後、俺以外は誰も（犬も猫もカブトムシも、母ですらも）怖がらないというコトを学習した彼女は、俺が帰るとここぞとばかりに嬉々としておどかしに来る。

(｢ﾟ∀ﾟ)｢＜あーもー

嬉々として、だからね、もう顔が笑顔炸裂。
それでも俺はと言えば、仕事で疲れてやっと帰って「ただいまー」って声かけた次の瞬間から、全力で身震いを始めなければならないハードワーク。
だって、驚かなかったら彼女はがっかりするかも知れないし、子供に自信を付けさせてあげるのは親の務めじゃない？うん。

とりあえず、こんな感じで全力で一緒に遊んで（遊んで？怯えて）るんだけどね。

この子、朝起きると大声で猫を呼んで、「おはよう」をお辞儀付きでする。（実際は「ﾊﾖｰ」くらいしか言えてない上に、猫はびっくりしてお辞儀してる間に逃げている）

その上、カブトムシの虫かごの前に行って、「おはよう」をお辞儀付きでする。（「ﾊﾖｰ」の前に、全力で「ｶｱｱｱｱﾌﾞﾄﾑﾁｰ!!」と呼んでから挨拶する、7匹いるカブトムシ・クワガタ達、一緒くた）

で、俺には、しない。

　猫＞カブトムシ＞父

の構図、成る。

報われねぇなぁと、いつも考えてるんだけど。
楽しいからいいやと、いつも言い聞かせてるんだけど。
可愛いから許しちゃおうと、いつも思ってしまうんだけど。

こないだの夜、娘は先に寝るから嫁に抱っこされてリビングから寝室に行くんだけど、いつも「ｵﾔｽﾐｰ」とか「ﾊﾞｲﾊﾞｲｰ」とか言って手を振っていくんだけどね。

リビングから出てって、ちょっとしたら、階段の上から声が

「ﾊﾟﾊﾟｵｲﾃﾞｰ」って

パパと！おいで！の！合わせ技！
（おいでとか、上から目線なのはこの際棚に上げておく）

階段を見上げると、手招きして俺を呼ぶ娘が。

パパ、急に呼ばれたもんでちょっとうるうるしちゃってね、うるうる。
大袈裟に急いでるふりして階段登って「どした？娘よ」と声をかけたのさ。
したら「ﾈﾝﾈ、ﾈﾝﾈ」と。

一緒に寝ようって言うの、もう可愛くて可愛くて。
で、部屋に入って寝そべって、可愛いなーと見てたんだけど、すぐに始まったよね。

(｢ﾟ∀ﾟ)｢＜あーもー

・・・

嫁が怖がらないからつまんなくて呼んだんですね分かります。

で、全力で、身震いしたり逃げ惑って壁に頭ぶつけたりする訳なんですけど。
おもちゃでもいい、この湧き上がる感情を余すことなくこの子に注いであげようと。
大きくなって思春期になって反抗期を迎えて生意気な口を利くようになってどこの馬の骨か分からん男に恋焦がれ始めたとしても、こんな日々を思い出してずっとこの子を愛していようと。

そんな事を思ったのです。

親の心子知らず、とはよく言ったものだけど、そんなの知らなくたっていい、ただ一方的にこの子を愛していようと。

そんな事を思ったのです。

布団の中に頭隠してがたがた震えながら、だけど。