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日記ロワイアルコミュの【ドッキリ生涯症候群】

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■□■□■□



コンコンコン(ドアをノックする)


親父「タカシ、お父さんだ」

タカシ「お父さん?」


ガチャ(ドアを開けて中に入る)


親父「やぁタカシ。お父さんだ」

タカシ「うん。お父さんだね。なんかよう?」

親父「今なにやってたんだ」

タカシ「明日の学校の準備だよ」

親父「どうだ?大学は」

タカシ「まぁボチボチやってるよ」

親父「そうか。彼女とはどうだ?サークルが一緒のこだっけ?」

タカシ「そうだけど。彼女ともボチボチって感じ」


親父「普通の答えだ。普通すぎる」

タカシ「いや普通だよ」


親父「バイトは?アルバイトの家庭教師、どんな感じだ?」

タカシ「まぁ生徒もがんばってるんじゃないかな。受験生だし本腰入れてるよ」


親父「これまた普通の答え」


タカシ「だから普通だよ。大抵は。っていうか、用事はなに?明日の準備もあるから部屋から出て行って貰いたいんだけど」

親父「実はお前に重要な用事があるん・・・あぁぁぁ!!」

タカシ「なに?どした?」

親父「も、もうすぐ!!」

タカシ「え?」

親父「5!!!4!!!3!!・・・」

タカシ「え!?なにカウントダウン!?」

親父「2!!!1!!!!」

タカシ「え!?え!?」

親父「ゼーロォォォ!!!」

タカシ「なになになーにっ!?何が起こるの!?」



親父「お誕生日、おめでとーーーぅ!!」




タカシ「・・・あぁー!」

親父「タカシ、二十歳のお誕生日おめでとう!!」

タカシ「あーそっか。0時過ぎたからか。そいえば誕生日だわ」

親父「しかもメモリアル!二十歳の誕生日だ!」

タカシ「たしかに。そっか。それでか。オヤジわざわざありがとう」

親父「お前もいよいよ今日で20歳だな!」

タカシ「なんかまだ実感はわかないけど」


親父「今日で20歳ということは、どういうことかわかるな?」

タカシ「社会的に見ても立派な大人だから、学生といえど自覚を持って生きろ、とか。そういうこと?」


親父「普通の答えだ。普通すぎる」


タカシ「別に普通でいいでしょ。それじゃ逆にどういうことなんだよ」

親父「今日で20歳ということはつまり・・・」

タカシ「つまり?」

親父「来年は21歳で再来年は22歳ということだ」

タカシ「普通すぎて斬新だわ」

親父「そして20代が終わると30代になり、その次は40代だ」

タカシ「うん。もういいよ。わざわざ祝ってくれてありがと。さ、出て行って貰っていいかな」


親父「おいおい、タカシに重要なことを伝えにきたと言ってるだろ。まだ伝えていない」

タカシ「は?このカウントダウンサプライズみたいなのがやりたかったんじゃないの?」

親父「違う。お前が20歳の誕生日を迎えた時に伝えようと思った大事なことだ。だいぶ昔っからこの日と決めていた」

タカシ「20歳の誕生日に?」

親父「そうだ。お前が言ったとおりに20歳は立派な大人であり、人生の最初の節目だ。そのタイミングでタカシに伝えなきゃいけないことがある」

タカシ「・・え?な、なんだよソレ?」



親父「実は・・・」




タカシ「じ、実は・・・?」



親父「今まで内緒にしてたんだが・・・」




タカシ「う、うん・・・」




親父「ドッキリでしたッ!!!!」




タカシ「・・・は?」

親父「実はドッキリでしたッ!!!!」



タカシ「・・・ん?・・・え?」

親父「あ、聞こえなかった?ドッキリでしたッ!!ドッキリ!!ドッキリでしたーーッ!ドキでし!ドッキリでしたドッキリでした!」


タカシ「いや全然聞こえてるよ!途中『ドキでし』とか略したところも!つか、なにが?」

親父「だから、ドッキリだったってことだよ!」

タカシ「ドッキリって一体・・・あぁ!!もしかして!!」

親父「お、気付いたか?」

タカシ「たしか14歳の誕生日にオヤジが言った『二十歳になったらスポーツカー買ってやる』って言う約束!!あれがもしかしかして・・・」

親父「ドッキリでしたッ!!」


タカシ「マジかよ!!通りで都合のいい約束だと思ったよ!」

親父「いやー黙っててスマヌ!!」

タカシ「いや『スマヌ』じゃなくて!」

親父「かたじけナッシング!」

タカシ「腹立つなぁ〜。実はひそかにあの約束期待してて俺あさってからわざわざ合宿で免許取りに行くのに!」

親父「ドンマイ!」

タカシ「合宿代もお母さんに立て替えてもらってるから、こんなことなら別に今免許取らなくてもよかったわ」

親父「それダイジョーブ!」

タカシ「なにが?」

親父「それもドッキリだから!!」

タカシ「え?」

親父「その免許合宿、お母さん予約とってません!!ドッキリでしたッ!」

タカシ「え!?お母さんも仕掛け人!?」

親父「そうゆこと」



タカシ「マジで!?なんだよソレ!・・あ、そしたら彼女に電話して来月の旅行キャンセルしてもらわなきゃ!」

親父「来月の旅行?」

タカシ「そう。免許とったら、車で箱根までドライブ旅行に行く約束してたんだ。彼女めっちゃ楽しみにしてたから怒るだろうな・・・」

親父「それダイジョーブ!!」

タカシ「・・え?」

親父「それもドッキリ!!」

タカシ「ま、まさか!?」

親父「彼女、箱根の宿とっくにキャンセルしてまーす!」

タカシ「彼女も仕掛け人!?」

親父「そうそう!ドッキリでしたッ!」

タカシ「なんで勝手に彼女と連絡とってんだよ!」

親父「かたじけナッシング!グ!」

タカシ「全然反省してないだろソレ!」

親父「ドッキリ大成功ってことで」



タカシ「もういいよ。彼女にもムカついてきたから来月は全部バイト入れるわ」

親父「あ、それもドッキリ」

タカシ「はい?」

親父「タカシが家庭教師してる学生、受験生じゃなくてお前の大学の1個先輩。仕掛け人」

タカシ「えぇぇぇぇ!?」

親父「だから今日のドッキリ大成功きっかけで家庭教師もなくなったから」

タカシ「ドッキリにしては大掛かりすぎるでしょ!」

親父「そうだよ。だからこの日を待ってたんだ」

タカシ「なんかもうわけわかんなくなってきた。とりあえず明日の学校の準備するから出て行って!」


親父「それもダイジョーブ」

タカシ「うそうそうそうそ!怖い怖い!!え!?なにが!?今度は誰が仕掛け人!?」


親父「仕掛け人は、学長です!」

タカシ「が、学長・・」

親父「学校も、ドッキリでしたッ!!!」

タカシ「・・うそでしょ?」



親父「そもそも、タカシはこの大学に受かってませんでしたッ!!」



タカシ「!?」



親父「合格通知も何もかもドッキリでしたッ!!」

タカシ「オヤジ、ほんといい加減にしてくれ・・・」

親父「ドッキリでしたッ!」

タカシ「・・・いいよもう。オヤジもうどっか行ってくれ!!」




親父「・・・そして、これが最後のドッキリです」



タカシ「・・最後?」



親父「タカシ」

タカシ「なんだよ」



親父「いや、タカシくん」




タカシ「!?」





親父「私はあなたの父親『でした』」

タカシ「や、やめろ!!」




親父「20年間あなたの父親でいること。これが最後のドッキ・・」



タカシ「やめろーーーー!!じゃあ誰なんだよ!?お前は誰なんだよ!?お母さんもか!?みんな誰なんだよ!?そもそも俺は!?両親がわからない俺は!?俺はいったい・・・・死んだほうがマシじゃないか・・・いや、既に存在しない人間なんだ・・死ぬこともできないヤツ・・・俺はいったい・・・・誰なんだよーーー!!!!!」











親父「ドッキリだよ」




タカシ「・・・・」




親父「全部、ドッキリだ。今までのが全部」




タカシ「・・え?」


親父「すまなかった。全部がドッキリだ。俺はタカシの父親だし、母さんもモチロン母親だ」

タカシ「全部・・・ドッキリ・・今までのが・・」

親父「タカシは今までどおり大学の学生だし、家庭教師の学生はまだ高校生だ」

タカシ「だったら、だったらなんでわざわざこんなドッキリを!」


親父「考えて貰いたかったんだ。自分自身を。タカシは今、普通に大学に通い、普通にバイトをし普通にサークルの彼女と出会い普通の恋愛をしている。もちろん普通が悪いとは言わない。ただ、間違いなくどこかで『普通ってなんだろう』『普通である自分の存在意義』について壁にぶちあたる。そんな自分の存在に、気付いてもらいたかったんだ」


タカシ「・・・・」


親父「お前はきっと今日のこの日を忘れない。20歳の誕生日と言う記念すべき日に、自分の存在自体を疑ったこの日を。これからの人生で自分を見失いそうなことがあれば、今日のこの日を思い出せ。きっと前を向けて歩いていけるはずだ」

タカシ「オヤジ・・・ありがとう。言っても聞かない俺のためにわざわざこんなカタチでメッセージを・・・」



親父「ほら。今日は明日の準備してもう寝なさい。あさってから免許の合宿だろ?」

タカシ「あ!!そうだ!!ってことは、来月は彼女とドライブ旅行!!」

親父「それはお前が順調に免許をとれればの話だが(笑)」

タカシ「よーし絶対全部いっぱつで合格してやる(笑)免許とったらまずオヤジ乗せてやるよ」

親父「それは遠慮しとく。まだ長生きしたいからな」

タカシ「なんだと(笑)あ!!そういえば!!」

親父「ん?どうした?」

タカシ「スポーツカーいつ買いに行く??順調にいけば今月末には免許とれるから・・・」



親父「あ、それはドッキリでしたッ!」

タカシ「これだけドッキリかよっっ!!!」



■□■□■□



<終>

コメント(168)

かたじけナッシングw

息子、今16歳。仕掛けてみるかな(笑)


一票です!
息子も少し前にハタチになった。

一票
一票!!すばらしいです!!
ドッキリwww
すんなり読めた!まきこまれた!一票

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