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日記ロワイアルコミュの危ない病院(お笑い/エッセイ)

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健康診断書作成のため、

とある病院を訪ねたときのこと。

こんなところに病院があったのかと思う立地に佇む某医院。

その古ぼけた外観に

「なんというか悠久の歴史を感じるな。」

なんて思いながら中に入ると、

同じくらい悠久の歴史を感じさせる医師があらわれました。

全く期待を裏切りません。

ともかく診察室に入り

まずは身長、体重の計測から。

しかし、周囲にそれらしい機器は見当たりません。

するとおもむろに

医師から思いもよらなかった質問が飛び出します。

「身長はいくつけ?」

嫌な予感がしますが、

相手は医師。

何か考えがあってのことだろうとおもんばかり、答えます。

「・・・168cmです。」

医師「168cmね、はいはい。体重は?」

予感のはるか斜め上を行く

まさかの口頭確認のみでの記入。

素晴らしいまでに機器いらず!

近年のデジタル身長体重計の開発はなんだったのかと

技術の発展の無益さを感じてしまいます。

それどころかあまりの潔さに

医療機器界への反抗かと、気概すら感じる始末。

続いて視力。

ここでもまさかの口頭での確認は続きます。

医師「いくつけ?大体でいいから。」

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【大体〔名・副詞〕おおよそ。あらまし。例:目的は〜達した。】広辞苑より
------------------------------------------------------------

健康診断におもむいた意味を真っ向から否定するこの質問。

私の脳内では不信感の大量生産。

疑問符がシナプスという名のベルトコンベアーにのって次から次へとやってきます。

それでも相手は医師。

今度こそ、浅はかな私にはない考えを予期してのことだろうと全力でおもんばかり、答えます。

「両目とも矯正視力で1.0くらいだと思います。」

医師「はいはい、1.0・・・っと。」

“くらい”という語句はガチで無視。

清々しいまでに滑らかなペンの動きは

躊躇というものを微塵も感じさせません。

Mr.適当こと、高田純二氏を凌ぐほどの適当ぶり。

まさに適当界のキングオブキングス。

しかも医師。

『チョイワル医師』の言葉では片付けられない危険性を漂わせます。

するとそんな様子を知ってか知らずか

医師から現状打破のお言葉。

「ん?矯正?なら一応測っとくかなぁ。よしそこに立って。(発言まま)」

発言の細部に一抹の不安を感じますが、

やはり医師は医師

正確さへの真摯な姿勢はさすがだなと、

疑ったことへの非礼を心の中で詫びながら検査位置へと向かいます。

しかし、あろうことか

あるべきはずの線が見当たりません。

そう、正確を規するための検査線がないのです。

見渡してもありません。

まばたきしてもありません。

「外見にだまされるな!心眼で見るんだ!」と意気込んでも

もちろんありません。

というか、できません。

すると医師

「ああ、そのへんでいいよ。はい、左目を隠して。」

私の戸惑いをよそに、検査が始まっているではありませんか。

“そのへんで”という言葉に疑念を抱かずにはいられませんが、

偶然にもピンポイントで検査位置に立ったんだと必死に自らに言い聞かせ、

医師の言葉に従おうではありませんか。

しかしそんな私をあざ笑うかのように

今度は隠すときに必要な

あの使いづらいスプーンのような検査棒がありません。

それでも必死に状況に順応しようと

まさかとは思いながら、左手で左目を隠すと

医師は「それでいいんだ!」とばかりに、力強くうなずくではありませんか。

そして何事もなかったかのように検査が始まります。

医師「はい、右端を読んでいってな。ほらあの343452とか書いてある列ね。」

言われたとおり従います。

私「・・・343452、次が、よ・・・。」

医師「はい、1.2くらいと。」

恐ろしいほど検査の意義が感じられません。

なおも検査は続きます。

続いて聴力。

事務机の引き出しから古ぼけた機械が取り出され

検査が始まります。

しかし事務机に無造作に置かれたそれは

古ぼけすぎて検査機器としての威厳はもはやなく

スクラップのほうが近いのではないか、などと心配していると

老医師自ら耳にあて、

「ん〜、音出るな。大丈夫。」などと確認を始めます。

どうやら古ぼけて威厳がないのはこちらも負けていないようです。

気を取り直して、受け取ったヘッドホンを耳に当てます。

するとどうでしょう。

医師が無造作にダイヤルを回し

「いま音鳴ってるべ?」

などと問いかけてくるではありませんか。

はい、確かに鳴っています。

しかし、それ以前にダイヤルが見えています。

鳴ってるべ?などと念を押されるまでもなく

おそらく音を出すであろうダイヤルを回す手元が

誰が何と言おうと見えています。

それはもう

鮮明に見えています。

あまりの因果関係の明確さに

これは聴力よりも判断力を測る検査だったのか、と呆然とする私の耳に

「ピーーーーーーーー。」

検査音がむなしく響き渡ります。

そんな私を置き去りに、矢継ぎ早に続く質問。

医師「今度は鳴ってないべ?」

私「・・・はい、鳴ってないです。」

医師「いまは鳴ってるべ?」

私「はい、鳴ってます・・・。」

医師「正常っと。」

Yesの選択肢しか用意されていない質疑応答に

何と答えれば異常が確認されたのでしょうか、誰か教えてください。

そしてやはり、ダイヤル回す手元が見えています。

気を取り直して、続いて内科検診。

医師「はい、そこにお腹出して仰向けになって。」

今度こそ検査らしくなってきたな、と安心したのもつかの間、

もはやセオリーと化した質問が襲います。

「重い腹の病気になったことはあるけ?」

ないと答えると、聴診器をあてることもなく検査終了。

仰向けになり、腹まで出した意義はどこかへ旅立ちました。

最後はX線検査、いわゆるレントゲン写真の撮影です。

放射線を扱うその危険性から、放射線技師という資格まで設けられているこの検査。

操作ミスでもあろうものなら

レンジでチンする速度で

被爆者一名できあがり。

こればかりは予断を許しません。

しかしさっそく検査室の奥から

「え〜と・・・どこにあわせんだっけかな?」

絶望的な発言が漏れ聞こえます。

いまからでも医師免許を見せていただいたほうがよろしいでしょうか。

まさか軽い気持ちで訪れた健康診断で

人生を左右する決断を迫られるとは思いませんでした。

そこへ

我関せずといった様子で、老医師が検査室から出てまいりました。

一転して、馴れた手つきで検査機を合わせ始めます。

初めて訪れる安心感。

そうか、先ほどの発言は何かの間違いか、と気も緩みます。

その刹那

医師「え〜と、定位置はと・・・(老眼で)見えねえや。」

今度は間違いではありません。

これが聞き間違いであったなら、健康診断などする間も無く

即日耳鼻科への緊急入院が必要です。

かつてこれほどまでに不安な検査があったでしょうか。

ノーベル物理学賞まで授与されたX線の発見が

ありがたみの欠片もありません。





健康を診断するどころか、膨大な心的ストレスに見舞われた検査も終了。

お会計の段と相成りました。

笑いを堪えるのも限界なので

一刻も早くこの場を去ろうと歩を進めると

医師が申します。

「え〜と、今日は2500円くらいでいいや。」

いくら出せばいいのかさえ分かりません。

最後の最後まで試される医院。

てか安すぎます。

診察方法、本人も自覚しているのでしょうか。

それはそれで問題なのですが。

コメント(136)

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帰宅ラッシュの電車の中で笑いこらえるのに必死でした 笑
一票

かわいいオジイチャン先生を想像しましたかわいい
んー見えないや

大体でいっか
一票っと
ローガン医師は、ベテランの域を越えて感覚で診察しちゃうんですね(*´艸`*)
読みながらにやにやが止まらないwww

一票ぴかぴか(新しい)

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