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日記ロワイアルコミュの《うちのばーちゃん》

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うちのば〜ちゃん

87才。

名前は きぬ。

ぼけ始めて二年。



それまでは、厳しくて勝ち気で自分のことはなんでもこなしてたば〜ちゃん。




そんなば〜ちゃんもぼけてからは人が変わったようにかわいくなった。

身内の私がゆぅのもなんですが…とにかくかわいくてかわいくてっ。

いつかこの場を借りて、こぅやってば〜ちゃんを紹介しようと考えてたくらい大好き。


私が実家に帰るのはば〜ちゃんと話しするため。そして、行くといつもば〜ちゃんのあたまをなでなでする。
私の癒しの時間。

MAXにぼけてきた最近は
「ば〜ちゃんご飯食べた?」って聞くと

『まだ食べてないんだよ。』と。

『さっちん、ばーさんさっき食べたぞ。』と父がゆったら

『ご飯のことで、あ〜やって怒るんだよ〜。食べてないのに。』
とこっそり耳打ちするば〜ちゃん。

「そっかそっか。で…うまかった?」
と聞いてみたら

『うん。うまかった』と。





「ば〜ちゃんの名前は?」
って聞いたら


『きぬたろう。』と。


おしいっ!!





「ば〜ちゃん何才?」って聞くと

『もういかなきゃいけない年なんだよ〜。でも、まだ早いってゆってたな〜』と。

「誰がゆってたの?」


『カラスがゆってた。』と。





ほんと不思議な世界。ば〜ちゃんワールド。


一週間前実家に行ったとき、

『ご飯食べたのか?』と心配してくれて

「ば〜ちゃんと食べようと思って待ってた。」
ってゆったら

両手で顔を隠して『うれしいな〜。そんなことゆわれたら嬉しくて嬉しくて。』と照れてた。

か、かわいすぎるっ。
あたまなでなでしてあげた。



髪の毛切りながら
「でわ、ここで問題です!ば〜ちゃんの髪の毛切ってるのは誰でしょうか!」
とクイズ形式で聞いてみた。


すると迷うことなく






『となりのおばさん。』と即答。


「さっちんじゃないの?」とゆったら


『そりゃあ〜さっちんだったら一番いいよ。さっちんだったらな〜一番うれしいな〜。』と遠くを見てた。

わたくしですが。
でも嬉しかったので、あたまなでなでしてあげた。


親戚のおばさんが
『おかあさん遊びにきたよ〜』
と玄関あけたら


満面の笑みで
「そぉかそぉか。ちょうど暇で暇でね。

サルでもいいから遊びに来ないかなって思ってたんだよ。」
って言われたの〜。と。





『でもさ〜87才でこんなに笑いを提供してくれるんだもんね〜。この肌ツヤも!87才とは思えないよ〜。』

と話してるみんなの視線の先には


レースとスパンコールに彩られた姫アイテムのようなサテン地の布団で、ピンクの口紅塗って、穏やかな顔で棺の中で寝てるば〜ちゃん。

私がカットしたばっかりの髪の毛も綺麗に整って。









三日前、仕事中ママから突然の知らせ。

『さっちん…
ば〜ちゃん死んじゃったよ…』

「…誰んちの?」

『うちの。』

「どこのうちの?」

『だからうちの。』


人間は突然の出来事を受け入れるまでに時間がかかるらしい。


(ば〜ちゃん…ば〜ちゃん…まじかよ。)

気が付いたら涙が出てた。

動けなかった。






夜ひとりでば〜ちゃんの顔覗き込んでみてて、ほんとに綺麗だな。起きそうだな〜と思って


「…ば〜ちゃん。」って呼んでみた。

返事なし。


ほっぺたつんつんしてみた。

柔らかくてぷにぷにしてあたたかかったほっぺたは、生身の人間ではない冷たさと固さになってた。

それにしても、ツルツルな肌…
殺人パックやってる私より綺麗だ。

同窓会に向けて頑張ってた 磨き はば〜ちゃんの葬式の為の磨きになっちゃったな。



ば〜ちゃんのあたまなでなでしながら、昔のこといろいろ思い出した。


何年か前、年配のお客さんが
『さっちんさんをうちの息子の嫁にください。』
とアポなしで夫婦そろって実家にきちゃったことがあった。

その時ば〜ちゃんに
『こうゆう話があっても、さっちんの体は二つにすることはできないんだからな、さっちんに好きな人がいるならその人だけのさっちんでいるんだぞ。』
と言われたこと。



当時めちゃくちゃ厳しくクールだと言われてたば〜ちゃんは、じーちゃんが癌で入院したときも

『先生に世話になっても、治んね〜もんは治んねぇ。諦めるしかね〜だろ。』
と冷たくじーちゃんにゆってた。


じーちゃんが死んだときも

『死んじったもんはしょ〜がね〜だろ。』
と泣いてるみんなにゆってた。


でも知ってる。
実は 独りで大泣きしてたば〜ちゃん。部屋から出てきたとき目が真っ赤だった。

きっとあの言葉は自分に言い聞かせてたんだろぅ。




じーちゃんの13回忌の今年。そろそろ会いたくなったのかな。
5人の子供と11人の孫に惜しまれながら、綺麗に旅支度をしてじーちゃんに会いに行った。


たくさんのあったかい思い出と笑いを残してくれたば〜ちゃん。
もうあたまなでなでは出来ないけど、目を細めて笑うば〜ちゃんの笑顔と、巧いかえしはこれからも私の心に癒しをくれる。

コメント(545)

久しぶりに来た日ロワで良い読み物でした。
一票!
一票です。
亡くなった祖母に会いたくなった…
家にも可愛い81の母がいます(*^^*)
一票
家族に愛されるおばあちゃんだったんですね。1票。

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