FOOTBALL「欧州からの朗報」コミュの俊輔、今季７点目！

■俊輔ＦＫ！０７年初ゴール

アバディーン１―２セルティック

首位セルティックＭＦ中村俊輔（２８）が１７日のアウエー、アバディーン戦で０７年初ゴールを決めた。２８試合連続先発となったこの日の前半２０分、左足で今季公式戦９点目となる直接ＦＫ弾を決めた。前半９分には絶妙なスルーパスで先制点をアシスト。２―１で勝利したセルティックのリーグ戦の連勝は６。２０日の欧州チャンピオンズリーグ（ＣＬ）決勝トーナメント１回戦、ホームＡＣミラン戦に向け、俊輔が波に乗った。

　ゴール正面、距離約１８メートル。絶好の位置で得たＦＫに、サポーターは当然のように大歓声を上げた。ボールを手にしたのはもちろん俊輔。名手の実力を知る相手は、全員がエリア内に入り、分厚い壁を作った。だが、何の意味もなかった。

　「ＧＫの足がニアに動こうとしたから、ファーにした」左足を強振する瞬間、足首でコースを変えた。壁を一瞬で越えたボールは、高速で左サイドネットへ。満面の笑みで右腕を突き上げた俊輔。昨年１２月２６日のホーム、ダンディーＵ戦以来の一撃は、今季リーグ戦７点目、公式戦通算９点目で、ともに自己新。待望の０７年初得点となった。

　２０日に控える決戦、欧州ＣＬ１６強ミラン戦の予行演習を完ぺきに済ませた俊輔には、爆発の予感があった。

「触れば分かるけど水を含むとむちゃくちゃ重くなる。蹴ると痛い。でも、これで毎日練習することで内転筋も鍛えられる」

試合前日の練習。俊輔はマイタ社のリーグ公式球を蹴りながら、笑顔を浮かべた。欧州ＣＬのマンチェスターＵ戦で、２度の直接ＦＫを決めたアディダス社製のボールは、極限まで軽量化されていた。その倍近い重さを持つマイタ社製ボールの感触を確かめるために、居残りで特訓した。

見せ場は得意のＦＫだけではない。前半９分には左足でＦＷビーティーに絶妙なスルーパスを供給し、先制点を見事にアシストした。

はげ上がった劣悪なピッチで、見事に創造性を発揮した俊輔に、ストラカン監督は「最高のファンタジスタだ」と絶賛。俊輔自身も「フィジカルの面の向上？　多少はね」と自信を見せた。悪い環境で自慢の技術をかき消されたレッジーナ時代は、ミラン相手に一度も勝てなかった。英国移籍２年目で課題をクリアしようとしている俊輔が、牙城を打ち破る。