『むかしむかし、あるところに、おじいさんがおりました。おじいさんの年は70歳です。』 日本の昔話によくある出だしです。「おじいさん」という言葉が続けて出てきますが、自然に読めますね。むしろ、あとの「おじいさんの年は」というところを「かれの年は」などとしたらいかにも翻訳調のヘンな日本語になってしまいます。 これを、ためしに、英訳してみたらどうでしょうか。 『Once upon a time,there lived an old man. He is seventy years old.』
このように、二つ目の文章では The old man とせずにHe と代名詞を使うのが、英語ではふつうの表現の仕方です。 逆に言うなら、英語で he と書いてあっても「彼」と訳さず、もっと具体的に訳したほうが日本語としては分かりやすく、しかも自然な表現になる場合が多いのです。さらにこの場合、日本文の「おじいさんの年は70歳です」とあるのを「おじいさんの」をとってただ「年は70歳です」としても意味は充分通じます。むしろ、このほうがさらに自然な日本文かもしれません。
?強意用法 意味を強めるために用いられている場合は、強調の意味が伝わるような日本語を工夫します。次の各例を参考にしてください。 例:I don’t see the man himself. 私は直接その男に会わなかった。
After the War people said he was different−I think myself he was. 彼は戦後、人が代わったようだという話だが、私もそう思う。
?慣用用法 再帰代名詞が特定の前置詞としてむすびついて慣例的な意味を表す場合があります。これはそれぞれ覚えるしかありません。代表的な例をいくつか書いておきますので、頭に入れておいてください。 例:“Don’t leave me, I’m afraid to stop here by myself. 私のそばを離れないで。一人でここに残るのは怖いわ」
No one can live by and for himself. 人間は一人で、しかも他人に頼らないで生活できるものではない。
Find out the meaning of the word for yourself in the dictionary. その単語の意味を辞書を引いて自分で調べなさい。」