Real Madrid C.FコミュのリベンジＦＫ！

ベッカムが、敵地のソシエダ戦で１か月ぶりに戦列復帰し、０―１の前半３７分に直接ＦＫで同点ゴールを決めた。レアルは２―１で逆転し、連敗を２で止め、暫定３位に浮上。１月１１日に今季終了後の米ＭＬＳ、ロサンゼルス（ＬＡ）・ギャラクシーへの移籍を発表後、メンバーから外されていたが、今季３得点目で見事に存在をアピールした。

　１点ビハインドで迎えた前半３７分だった。ベッカム自慢の右足がうなりを上げた。ゴールまで約２０メートル。正面やや右のＦＫ。低い弾道のボールは相手ＧＫブラボの手前で沈むように落ち、バウンドしてゴール左隅に決まった。１か月のブランクと多大な期待のプレッシャーをものともせず、今季３得点目の同点ゴール。両手のこぶしを力強く握り、仲間の祝福にも最初は硬い表情だったが、遅れて来たＭＦグティがとびついたころにはやっと笑みが浮かんだ。

移籍発表後の先月１３日に「試合には起用しない」と宣言したカペッロ監督。前言を翻し、先発起用に踏み切り、「ベッカムが不可欠の人材だということを再認識した。あの同点ゴールでチームが活気づき、ファンニステルローイの得点（決勝ゴール）につながった」と話した。ベッカム不在のリーグ４試合は２勝２敗で４位転落。国王杯は５回戦で敗退。復帰戦の活躍でチームを暫定３位に引き上げ、３連敗なら辞任が避けられない状況だった指揮官をも助け、カペッロ監督との勝負にもピッチでカタを付けた。

指揮官は試合後の会見で、ここぞとばかりに報道陣からつるし上げられた。「ベッカムに“ＦＫのゴールが少ない”と言ったことを謝ったか？」と聞かれると「確かに公の場で言った。入れたゴールは重要であるべきだ。だからベッカムの挙げたゴールはとても重要だった。私が謝る必要はない」とはねつけた。「今まで出場させずに後悔しているか？」と問われると「いい練習をしているからメンバーに入れた。将来を考えるべきで過去を見る必要はない」とピシャリ。

ベッカムは「ごめん、みんなが何か言って欲しいのは分かるけど、今はまだ胸を張って話す時じゃない」と笑顔だけを振りまいて全メディアが待ちかまえた取材ゾーンを通り過ぎた。「ベッカムのゴールは最高だった」（ＦＷファンニステルローイ）、「ベッカムは重要な役割を果たし、胸のつかえが取れた」（ＧＫカシリャス）と、チームメートは口々にたたえ、今後の巻き返しへ勢いがついた。