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君島三郎・死力回復センターコミュの白い部屋

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求めないこと──
それが学ばなければいけない第一のことである。
何かを求めているときは、
あなたはただショーウィンドーの
のぞき見をして歩いているにすぎないのである。
……クリシュナムルティ

その夜すべては仄白く
その部屋の椅子も机も
壁を這う蜘蛛の足までもが
しらすのように透いたまま仄白かった。
女は机に両肘をついて
その白い指先を互いに遊ばせながら
溜息まじりに語りだす。

「なぜ人はなにかを望むのかしらね。
 望めばそれが得られないことが苦しみになる。
 私には望みがかなう歓びよりも
 かなわない苦しみの方が強いの。」

女はその身になにがしかの死を宿していた。
女が生を宿すように死もまた女に宿る。
宿された死は自然と女の心を低く静かに調律した。
そしてそのことが女を中心のある美しさに導いた。

「なにかを望めば
 きまっていいか悪いかを問うようになるでしょ。
 この世界はいいか悪いかではできていないのに。
 でもやっぱり私にはいいか悪いかしかないの。
 それが悲しいのよ。」

窓の外の白い闇を白い鳥のようなものが掠めて飛んだ。
白い月が夜半の風に果実のように微かにゆらめいていた。
時計のないこの白い部屋で
夜は深まりこそすれ明けていく気配はない。




「死力回復センターML」2004/11/23

コメント(4)

求めないこと…なかなかそこにまで逝けないですね。。
今朝いやな電話がありましたわ。少し不安が宿ったかんじ。こういうのにも慣れないといけないんだな。
「女は机に両肘をついて・・・」とても厭世的、虚無的な姿勢だなァ
「・・・中心のある美しさに・・・」死ぬことでしか実を得られないとは!死は100%の虚を意味するというのに!何てことだ!
白は死のイメージでしね。すごく映画的。
帰ったら麻丘めぐみの同名シングルの歌詞を読もうと思って忘れてました。あの曲好きでしたからねー。

一人なんですが誰かと問答してるみたいで、続き読みたくなります。。

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