アダルジーザ、ノルマとの一幕フィナーレデュエット、ニ幕のノルマとのデュエット「MIRA O NORMA」最高でした。
ディミトラは、登場のレチタティーボ第一声から貫禄たっぷりで、朗々とアリアCasta divaを丁寧に柔らかく流れるように繊細に、なおかつドラマティックに気持ちをもってゆき、優しさと強さの二面を表現し一音一音・一語一語大切に見事に歌い上げ、後半のカバレッタにおいても勢いがありすごかった。ポッリオーネとのデュエットIn Mia Man Alfin Tu Seiは鳥肌もので涙がでてきました。大感動いたしました。いままでのディミトラのノルマとはぜんぜん違いました。巧みなSOTTO VOCEを操り、表現の幅に深みがでて、表現力も演技力も見事なもので、すべて自然体でした。 彼女のイタリア語の発音・ディクション、解釈、表現、完璧です。 ディミトラは現代最高峰のノルマうたいですね。マリア・カラスの後を継ぐ正統派ノルマ歌いではないでしょうか。まさに神がかり、マリア・カラスがのりうつったようでした。迫力満点の舞台、迫真の演技・歌唱、ここまでドラマティックに歌い上げるとは思ってもいなかったです。期待以上×1000倍以上でした。今後もう彼女のようなノルマ歌いはもう二度と出現しないでしょう。 ディミトラのノルマを聴いてしまうと、ディミトラ以外のノルマを聴くと物足りなく感じてしまいそうで、(判断基準がディミトラになってしまい) ディミトラ以外のノルマはもう聴けない(聴かない)かもしれません。 いままでのマチェラータやカターニャのノルマのライヴcd,dvd、2003年と2006年のシチリア・カターニャのベッリーニ劇場来日公演のディミトラのノルマ聴いたりしていますが、ぜんぜん迫力と臨場感、緊張感が違いました。今日が最高でした。別格ですね。トリノの王立劇場、初日の公演(5月16日)の翌日は、新聞にディミトラ大絶賛、称賛の記事がでたそうです。「casta divaで観客を感動させ、泣かした」と書かれていたみたいです。初日聴いた方のお話では、一幕は見事で完璧の出来でしたが、ニ幕は、総合的にはもちろん素晴らしいが、バランスが乱れ、少し疲れが見られたとのことでした。 本日は、全身全霊、全力投球ながらペース配分も見事でバランスを保ち一幕もニ幕も見事に決まり、大感激でした。すべてにおいて完璧でした。まさに本物のノルマが舞台に出現したように見えました。