ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

mixi小説 an inspired storyコミュの◆第5話 ライバルの出逢い

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「依絵ちゃん」
「二三子ちゃん、ご機嫌よう!」
「やめてよ、それー。女子高思い出すぅー」
大学最初の研修オリエンテーションですっかり仲良くなった2人。

同学科の男子数名から告られ、もうすでにファンクラブまでできそうな勢いの依絵。
同学科の男子2名とすでに学外で喫茶店デートした二三子。
2人へのアプローチの決定的な違いは、
依絵への告白は公然とみんなのいる前でオープンに行われたもので、
二三子への告白はコッソリ隠れて行われた確信犯的なもの。

やる気満々の男子にとって、
巨乳でお姉様キャラの二三子は短絡的な想像を掻き立てるものだし、
男子を手玉に取る小悪魔キャラの依絵はライバルが多過ぎて高嶺の花。
しかし、実際にオトコたちが短期決戦すべきは、まるで逆だってことに気付かない。

堅実な二三子が住んでいるのは学校から遠い男子禁制の女子寮。
お嬢の依絵が住んでいるのは学校から歩いて10分のオートロック付きマンション。
半端な心構えでは突破できないリスクを伴う女子寮と
個人情報の保護付き高級マンションとでは
段違いのナイト・ライフが待っているのだった。

同世代のオトコをトッカエヒッカエする依絵には
すでに6歳上の彼氏、鏑木眞(かぶらぎ・まこと)がいた。
彼は同じ大学の卒業生で院へ進んで教授の助手をしている。
といっても、彼の目標は研究ではなく、
実はそうやって社会人になるのを先延ばししながら、
大学で知り合った一流企業の御曹司とツルンデ
20代で起業するためにIT系ビジネスの勉強をしているのだ。
2週間後には御曹司の香港外遊に同行して
アジアの現状を学んでくる予定になっている。

依絵がこの大学を志望したのは、先輩鏑木を追ってのこと。
2人が出会ったのは御曹司目当ての合コン。1年前のことだった。
御曹司の右腕的な存在の鏑木を見て、その野心に自分を重ね恋に落ちた。
突然、音大ピアノ科から私大英文学科へ進路を変えた娘に困惑する両親を尻目に
遂にこの大学を受験、合格。


「ヨリーってよくない?」
「え〜? ピンとこないってー」
依絵の2DK。
あり得ないお嬢様ゴージャスな生活環境に
唖然とする二三子に我関せずで
爪のお手入れに余念のない依絵はウワノソラ。
部屋には、MUSEのSHOWBIZの重くドンヨリとまとわりつくナンバーが充満。
しっかりとした主張とふんわりとした曖昧さを兼ね備えた
何色にでも染まる余地を残すニュートラルな空間に見えた。
「ねぇ、なんでこんなにCDあるの?」
寝室のベッド脇の出窓に数百枚のCDが並んでいた。
白くて広い壁には映画「ピアノ・レッスン」とバックストリートボーイズ、
そして、ナゼか色褪せた「ネバー・エンディング・ストーリー」のポスターが貼ってある。

「あたしー、お兄ちゃん子だったからー、影響受けていろんなジャンル聴くんだー」
「洋楽ばっかだねー。私なんか邦楽ばっかー。邦楽は持ってないの?」
「右の方にあるよー、その辺は自分のルーツだねー」
「マニアックー。あ、ミスチル持ってるー! スピッツ持ってるー!」
「ナツカシイねー」
「これ坂本龍一? カワイイー!」
ソロ・デビュー・アルバム『千のナイフ』を引っ張り出しながら
二三子の返せる知識はテレビのブラウン管レベルだった。
「あのCMの曲いいよねー? 癒される感じのー」
「あー、エナジー・フロー? 教授は兄貴に進められてねー。YMO大好きで。
あたしピアノやってたから坂本龍一とか矢野顕子とか聴けっていわれてー、
学園祭とかで弾いたよー」
お手入れは足の指に移り、依絵はラメのキラキラしたペディキュアを
右足の小指から塗り始めた。

「これは?」
「あ、それさーゼミのミノル君に借りたんだー。バンドの男の子いたじゃん」
そこには、いかにも不似合いなミッシェルガンエレファントの
『カルト・グラス・スターズ』が上にチョコンと置かれていた。
「彼さー大学で浮いてるよねー、いつも革ジャンで、頭バクハツしてるし」
「本気でパンク・バンドやってるみたい」

「そうだ!」
急に依絵が細い体躯を起こし、膝歩きして二三子の横にくっついてきた。
「ナニナニー?」
「アメフト部のマネージャーって、好きな先輩目当てなんだってー?」
「えぇぇぇぇーーー、誰に聞いたのソレー?」
モジモジしてる二三子に内心メンドくせー!と思いながら続ける依絵。
「誰々? いいオトコ? カッコイイ?」
「3年の先輩で次の主将なんだってぇー、でもねー」
「ナニナニ?」
「知ってる筈なのに新歓コンパで誘ってくれなかったのー」
「ナニそれ。ツマンナイ! っていうか、みんな知ってるよ!
フミちゃん健気に待ってる!ってクラスの噂だもん!」
「ウソ! どうしてバレるかなー?」
「お前がアピってんだろー?」
首を締める振りをしておどける依絵。一瞬間があって2人大爆笑!
「バレ、ひっ、バレてたんだー?」
二三子も自分のマヌケ加減に気付いて可笑しくなった。

「えー、あたし百橋(どのはし)依絵はー!」
マイクを持った振りでさらに悪フザケ気味に
「ナニナニー?」
「鈴木二三子の恋を成就させるべくー!」
「エー?」
「作戦を考えましたっ!」
敬礼の小芝居をして自分で吹き出した依絵。ビールも手伝ってハイ・テンション!
「飲み会、仕切らせてーいただきーまっすっ!」
「ハハハハハハハハ・・・」
笑い転げる2人は一気に仲良くなったように見えた。

そこへ携帯電話。

「あ、彼氏だ!・・・」
ちょっと慌てた風の依絵は二三子から離れて立ち上がり、
一瞬にして平成を装い、真剣な表情で携帯に出た。
「ハイ、もしもし?」
しばらく話かけられているようだった。
あっという間の展開に二三子は混乱していた。彼氏って誰?
「行く行くー!」
依絵はそれまでとは違うトーンの媚びた声色で言った。
「待っててスグ折り返すー!」
二三子はキョトンとしてしまった。
「フミちゃん、彼氏が下にクルマで来てて
これから飲みに行くんだけど一緒に行かない?
結構お坊ちゃまたちも来るみたいだしー。出逢いがあるかもよ!」

二三子は面食らった。
今さっき自分のために飲み会をセッティングしてくれる話だったのに
話はすでに今夜これからの飲み会の話にすり替わってる。
敵わないくらいに要領よくオンナを武器にする依絵に
驚きとともに憧れのような、そしてオンナとして負けてたまるかという
ジャラシーが生まれた瞬間だった。

「楽しそう! 行こっかなー」
かなり無理をして、かなり自分を殺して、かなり背伸びして、
フットワークのいい都会のオンナになってみせる!
とばかりの演技の第一章は始まった。

その時、5階下の道路に停まっていた
BMWコンパクト318tiのクラクションが鳴った。


to be continued・・・

コメント(5)

質問です。

BMWですが、昔の車辞典みたいなのをひっくり返したら、
「ビーエムベー」ってかいてありました。

アタシの物心がついた時はWをベーって読んだ記憶がなかったので…。
ナカツさん、知ってたら教えてくらさい…ペコリッ。
ベームベーね(笑)

BMWは30年くらい前のスーパーカーブームの折には
ガキんちょまでベームベーと呼んでました。

今、ドイツ語読みするのは死語。
これだけ日本にBMWも増えたし
英語読みがフツーになってしまいました。

ちなみに写真はBMWコンパクト318ti
怪盗エロイカ、読まなかったなー。
ぢゃBCGはベーツェーゲー?

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

mixi小説 an inspired story 更新情報

mixi小説 an inspired storyのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング