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えいがカフェコミュの『17歳の肖像』(ロネ・シェルフィグ監督)

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 よくある青春モノではない。原題(AN EDUCATION)にあるように、「教育」の大切さを描いている。それは、本欄の評論家氏の言うように、登場人物たちの教育のあるなし(によって社会的地位が決まってしまうゆえのストーリー展開)ではなく、ただ大学での教育のみならず、若い時の苦い経験もまた、教育であるし、本作に現れるように、文学への造詣を深めていくのも、教育である。

 若くて利発な女の子は、おとなの世界にあこがれる。それを受け止める力は十分育っている。しかし、彼女は、「失敗」しなければならない。いかに知性があっても、また、いかにしっかりした教育者に導かれていても、人は、人生の初期に、「失敗」という「教育」を経なければおとなになれない。

 この人生の不条理を、60年代初頭のイギリス社会の、どこかゆったりした雰囲気のなかに、しっかりした脇役陣を配して、どこかポップな感じに描いている。

 というもの、監督は、デンマーク人で、主人公、16歳のジェニーは、なんと撮影当時、22歳の、舞台経験豊富な俳優(この「童顔」は使える(笑))。
 こういう堅固の土台があってこそ、ほんもののティーン俳優よりも、リアルなティーンが描き出せるのである。

 主人公ジェニーをめぐる人物たちがとてもよい。一見厳格で、その実他愛ないアルフレッド・モリナリ(ラテン系の役者ではなかったのか? こういう配役にもセンスを感じるが)演じる父親も、ちょっと所帯じみた母親もいいし、ジェニーのハイスクールのオールドミス風の担任教師もいいし、出番は少ないが、エマ・トンプソンの校長先生も、イギリスの「教育」の伝統の深さを感じさて観客を安心させる。

 ジェニーは、これら2人の教師に反抗し、啖呵を切るが、とくに、「美人で、高い教育を受けている」担任(作文担当)教師に、「美しくてオックスフォードへ行っても(教師はケンブリッジだが)、結局先生だって、ダメな生徒の作文の添削をするような仕事で終わってるじゃない」などと言ってしまう。

 しかし、やがて、さらに高度な教育(教養へといたる道であるが)とは、ただ社会的によい地位につくために必要なのではないということを、主人公は理解する。そういう展開が観客をすがすがしい気持ちにさせる。

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