通訳案内士は民間外交官！コミュの第５回「通訳案内士のあり方に関する検討会」のご報告

３月１５日に第５回「通訳案内士のあり方に関する検討会」が観光庁にて開催されました。

相変わらず、事務局（観光庁）の方で資料がどんどん作成され、「通訳案内士制度見直しの方向性」として、下記の方針が明示されました。

資料の原案はＪＴＢＧＭＴ（株式会社ＪＴＢ「グローバルマーケティング＆トラベル）が作成しています。

通訳案内士制度見直しの方向性

●政府の目標を達成する上では、優秀な通訳案内士によるガイディングのほか、ピンポイントガイド、アジア言語ガイド、地域独自ガイド等の新たな旅行者ニーズに対応することが必要であり、通訳案内士以外にも外国人旅行者への有償ガイドを認めることが必要ではないか。

●その際、ガイドの品質確保等、業務独占の廃止によって懸念される問題点への対応方策を講ずることが重要ではないか。

要するに、通訳案内士の業務独占を廃止して、留学生とかボランティアガイドなどの無資格ガイドを（安く）雇用できるようにしたいという旅行社のニーズに対応した方向性です。

一旦、通訳案内士の業務独占が廃止されてしまったら、現状でも無資格ガイドが横行するこのインバウンド業界で、通訳案内士制度は完全に崩壊してしまいます。あなたの持っている通訳案内士の資格が無価値化するということです。

下記は、大手旅行会社が中国人留学生（無資格ガイド）をこっそり募集した例です。
通訳案内士の業務独占が廃止されたら、旅行会社は天下晴れて、無資格ガイドを安く雇うことができるようになります。

●中国人留学生の皆さまへ

「クルーズ船用ガイド募集についてのご案内」

　今般、日本政府が観光立国の国策を打ち出して以来、海外から多数の観光客が日本を訪れております。取分け中国本土からの訪日客はここ数年、著しく増加しております。このような背景のもと、２００９年は外国籍クルーズ船として、ロイヤルカリビアンクルーズ（米）及びコスタクルーズ(伊)の２隻が合計３２回、福岡に寄港します。
　つきましては、クルーズ客として福岡を訪れる中国人観光客に対して、福岡の素晴らしさを案内いただく添乗員を下記の要領で募集いたします。旅行業法に定められた国内旅程管理主任者（国内添乗員）の資格取得と連結したプログラムとしておりますので、特に観光産業に関心のある方にはキャリアプランとしても有意義です。奮って
ご応募ください。
１．業務内容観光バスのガイディング、食事・買物個所などにおける斡旋（誘導や言語コミュニケーションの手伝い）
２．募集人数７０名程度（満員になり次第締め切ります）
３．募集条件
　（１）福岡の素晴らしさを案内・表現ができ、お客様に喜んでいただくための努力を惜しまない方
　（２）日本語能力検定２級以上の語学水準を有し、在日生活経験が３年以上の方
　（３）説明会や研修会に必ず参加できる方
４．日　当
　（１）貸切バスにおけるガイディングの場合は、半日コース９,０００円・１日コース１２,０００円を支給
　　＊別途、自宅から博多港往復の交通費は実費支給します。
　　＊昼食代は業務内容にて１,０００円以内を支給します。
　（２）添乗補助や買物個所等における斡旋業務（誘導、コミュニケーションの手伝い）の場合は８,０００円を支給
＊自宅から集合場所往復の交通費と昼食代は日当に含みます。
５．説明会の開催
　説明会日時：２００９年２月８日（日）１０：００　～　１２：００
　説明会会場：弊社があります新ＫＢＣビル３階会議室（住所：中央区長浜1-1-35新
　KBCビル）
　詳しい業務内容・クルーズに寄港回数（業務の回数）などを理解していただくための説明会です。
　募集の際に氏名・所属・連絡先・日本語能力・通訳経験など簡単なプロフィールを別途用意します用紙に記入していただきます。
６．国内旅程管理主任者（国内添乗員）資格を取得するための研修会
?．基礎添乗員業務研修会
　　２月１２日（木）～　２月１３日（金）の２日間
　　　＊添乗業務の基本研修会です。
?．旅程管理研修会
　　２月１８日（水）～　２月１９日（木）の２日間
　　　＊基礎研修を終了した方々へ国内旅程管理主任者（国内添乗員）資格取得のた
　　めの研修会と試験を行います。
　　尚、講座授講費一人１０,５００円とテキスト代一人２,５００円の合計１３,０００円が必要となりますが、一度ご本人の支払っていただき、本番実務の業務状況や出勤状況などを検証し、半額をＪＴＢにて負担し返金させていただきます。
?．実務研修会
１回目　　２月２０日（金）９：００～１６：００
　　　　　　２回目　　２月２８日（土）９：００～１６：００
　　　　　　３回目　　３月０１日（日）９：００～１６：００
　　　　　　４回目　　３月０２日（月）９：００～１６：００
＊実際の観光コースに添ってガイディング添乗実務を学習する研修会です。
　研修会に付きましては日当の支給はありませんが、交通費の実費支給と昼食は準備いたします。
　最終採用は、４回の実地研修会すべてに参加された方を優先採用と致します。
７．その他
　（１）国内旅程管理主任者（国内添乗員）試験に不合格となった場合、従事いただく業務内容は、添乗補助や買物個所等における斡旋業務（誘導、コミュニケーションの手伝い）に限られます。日当などは４－（２）をご参照ください。
（２）同様に、同資格取得を希望されない方についても、従事いただく業務内容は、添乗補助や買物個所等における斡旋業務（誘導、コミュニケーションの手伝い）に限られます。但し、この場合も、６．国内旅程管理主任（国内添乗員）資格を取得するための研修会のうち、?．基礎添乗員業務研修会　及び、?．実務研修会については受講していただくことが必要です。
◎この件の問合せ先は
（株）ＪＴＢ九州　国際旅行営業部
福岡市中央区長浜１－１－３５　新ＫＢＣビル５階
電話０９２－７５２－３５２１　ＦＡＸ０９２－７５２－５８１０
担当者：楊（ヤン）・張（チョウ）・岩崎（イワサキ）・郭（カク）

以上　

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[1] mixiユーザー 03月19日 07:21

「通訳案内士のあり方に関する検討会」の委員のお一人に東京ＳＧＧクラブ会長の藤井一男様がおられます。
東京ＳＧＧクラブ（旧首都圏ＳＧＧクラブ）は、全国８３のＳＧＧクラブのひとつとして、東京とその近郊に関する観光相談や情報提供のボランティア活動をしておられます。ＳＧＧとは、Systematized Goodwill Guide（善意通訳＝ボランティア精神による外国人のための情報案内サービス）の略称です。
ご参考：東京ＳＧＧクラブのホームページは下記です。
http://www2.ocn.ne.jp/~sgg/

留学生とかボランティアガイドを安く雇用したいというＪＴＢをはじめとする(大手）旅行会社の意向を受けて、観光庁は通訳案内士の業務独占を廃止しようとしていますが、藤井様は、第５回「通訳案内士のあり方に関する検討会」において、下記のように、「ボランティアガイドが、有償で案内させるという考えはどうしても賛成できない」と明言されました。

●下記は、第５回「通訳案内士のあり方に関する検討会」での藤井様の発言です。

私はボランティアから見た今日のお話に対してのご意見を申し上げたい、という風に思います。

実は前回欠席いたしましたので、前回どういう風にボランティアについてお話されたかというのを紙を読んだだけなので理解していないんですけれども、今日のこの紙の2ページ目に「ピンポイントガイドを認める意義」に、「専門家やボランティアガイド等の活用」と書いてありますね。で、ここだけしかボランティアのことは書いていないのでここのお話をしたいんですけれど、活用していただくことは非常にいいことだと思う。ではどうやって活用するか、ということが非常に大切だと思うんですね。

で、ボランティア。もしこの私の理解が間違っていたらお許しください。これはどうも、ボランティアに教育をして、認定をして、ある程度お金を取るようにして、そして通訳案内士が仕事をするその下のランクぐらいに置いて、増える外国人の対応をさせよう、というようなことであれば、あまりちょっと賛成できないなあ、という風に感じたんですよ。

で、ボランティアの意味というのはもう皆さん十分ご存知だと思いますけれども、無償でやる。色んな経験を持った色んな人が集まって、無償で外国から来ていただける方々を、「日本に来て良かったな」と思って帰っていただくというのが、我々ボランティアの仕事でございます。これは、色んな議論があるんですけれども、毎回ボランティアの会議で確認をしています。

で、今月号の「旅ネット」、皆さんよくご存知だと思いますが、実はこれに私が載っているんですよね。このページで説明しているのが私です。この一番はじっこで案内してるんですけれども、で、これはカナダから家族について浅草のご案内をしているところですが、これを見ていただけいて分かるように、まず第一に誰がボランティアからこういう話を聞きたいのかということなんですね。決してお金持ちの方々が来て、ボランティアに「お前ら説明せい」ということは、我々はありません。バッグパッカーとか学生さんとか、お金がない、でも何か聞きたい、という人が来るわけですよ。ですから、そういう人たちに対してお金をください、というようなことはボランティアは言うつもりもありませんし、やってはいけない。そうすると、日本に来る外国人ががっかりするし、減ってしまうんじゃないか、という風に大変心配いたします。まず第一にそこを明確にする必要があると思います。

二点目はですね、もし、よしんば、百歩譲って、ある教育を受けてお金をもらう風にしました。そういうボランティアで活動していいということになると、通訳案内士さんとのバトルに入ってしまうんです。間違いなく入ると思います。というのはですね、通訳案内士さんたちもプロですけれども、我々もお金をもらえるということになれば、どうしてもそれなりの努力をするわけですよね。そうすると無意味な、本当に無意味だと思うんです、無意味な競争をしなければいけない、ということになると思いますので、それはやめたほうがいいんじゃないかな、という風に思います。

色々言いたいことはいっぱいあるんですけれども、とにかくボランティアについて、有償で案内させるという考えはどうしても賛成できないな、と思いますので、十分ご理解いただきたい、という風に思います。ありがとうございました。

以上　

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