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通訳案内士は民間外交官!コミュの2007年度通訳ガイド試験・第1次試験の解説(日本地理)

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本日より、9月2日に実施された第1次試験の解説をシリーズでお送りします。第1回目の今回は、日本地理の解説です。

解説担当は、<歩く百科事典>の異名を持つマラソンセミナーで皆さんおなじみの清水幹夫専任講師です。

●皆さんお元気ですか。清水幹夫です。
去る9月2日(日)、皆さんの待ちに待った(笑)一次本試験が行われました。午前中の英語筆記試験では、ハローの模擬試験で出題された英文が本試験でそのまま使われるという「受講業界驚愕の事件」があったかと思えば、午後から行われた日本地理・日本歴史・一般常識の試験では、3科目ともに問題に不備があったり、日本地理ではかなり難度の高い温泉地が出題されるなどの「波乱」もありました。

新しく通訳案内士試験の実施に関するガイドラインが発表されて2年目。果たして今年度の試験はそのガイドラインにどれほど準拠したものだったのでしょうか。そしてそれに則って学習を進めてこられた皆さんの努力は果たしてどれだけ報いられたのでしょうか。試験後の興奮醒めやらない今こそ冷静に振り返ってみたいと思います。
まず第1回の本日は日本地理についてです。


◆大問1
大問1は、2つの河川を軸として、関連する都市や平野・湖などの名称、そして産業について問う総合問題でした。

問1の【ア】は長野県の南部の市ですが、選択肢の中で長野県に属する市は?飯田市?飯山市?塩尻市しかありません。こういうときに、長野県の地図をこれまでどれだけ丁寧に見たかが問われるわけですが、正解は?飯田市ですね。飯山市は長野県北端の市、塩尻市は諏訪湖の西方にある長野県中部の市です。

【イ】ですが、文章Aの河川が「長野県で最も大きい湖」(諏訪湖)に源を発する天竜川であることに気づけば、天竜川が長野県(諏訪湖北西端)から南下して静岡県に流れ込み、浜松市東部で遠州灘に注ぐことから、【イ】には静岡県内の市が入ることが推測されます。そこで選択肢を見ると、静岡県に属する市は?島田市と?天竜市しかありません。

島田市は静岡県中部(静岡市と浜松市の間)の市ですから、正解らしいのは「天竜市」しかないのですが、実は天竜市は現在「浜松市天竜区」となっており、「天竜市」なるものは実在しません。そのことをご存じだった受験者は「浜松市」を選択肢の中に探したと思われますが、それが見当たらないために解答に窮したかもしれません。そこでこの件については、他の箇所の不備と合わせて、国際観光振興機構(JNTO)に申し入れをしましたので、やがて何らかの措置がJNTOから発表されると思います。ただ、この河川が天竜川であることに気づいて、川の名前から「天竜市」を選んだ人も少なくなかったと思われますので、とりあえずここでは?天竜市を正解としておきます。

次に、【ウ】と【エ】の答えを考える前に、まず文章B全体からこの河川が筑後川であることに気づかなければいけません。とすれば【ウ】・【エ】には九州の都市が入るわけですが、選択肢を見ると九州の都市がたくさんあります。そこで少し整理すると、?大牟田市と?柳川市は福岡県(ともに県南西部)、?大分市・?竹田市・?中津市・?日田市は大分県、?熊本市は熊本県に属します。

さてこれらの中で、【ウ】=阿蘇山の北方にある、スギで有名な盆地の中心都市と言えば、?日田市しかありません。【エ】の筑後川の河口のある市は難しい問題ですが、もしマラソンセミナーを受講していただいていれば、授業を思い出して?柳川市を選べたことと思います。

問2は浜松市にある台地で、武田信玄と徳川家康が激戦を交えた古戦場はどこかという、本来日本歴史に属する内容ですが、これもマラソンセミナーの日本歴史を受講していただいていれば、?三方原と即座にお答えいただけたことでしょう。

問3の「筑紫平野」、問5の「諏訪湖」、問7の「ノリ」を選ぶ問題は、いずれも基本問題ですが、問4の「クリーク」を選ぶ問題はやや難しかったかもしれません。

浜松市については今年政令市に移行したことから出題が十分予想されましたが、問6の浜松市の産業に関する問題は想定していた難易度を超えていました。?オートバイ・?楽器・?自動車の生産が盛んのはよく知られていますが、?の繊維と?のパルプで迷った人が多かったのではないでしょうか。(正解は?の「パルプ」。実は浜松は日本一の浴衣の産地なのです)。

◆大問2
国立公園に関する問題で、ハローの受講生であれば全問正解できたはずの問題です。

アは?瀬戸内海国立公園、イは「室堂」(むろどう)は知らなくても「黒部峡谷」から?中部山岳国立公園、ウは?伊勢志摩国立公園、エは「登別」と「羊蹄山」から?支笏洞爺国立公園、オは?磐梯朝日国立公園であることは説明を要しないでしょう。

また、全国に28 (2007年7月現在)ある国立公園のうち、支笏洞爺国立公園は過去8回出題、中部山岳国立公園は7回、瀬戸内海国立公園は6回、磐梯朝日国立公園は6回と、例年決まったものがくり返し出題される傾向が今年も確認されました(ただし、伊勢志摩国立公園は過去2回出題と比較的マイナーです)。さらに、出題形式が今年度のようにキーワード形式で簡潔になってきていることも近年の特徴です。

◆大問3
大問3は観光施設の所在地を問う問題で、それ自体は新傾向ですが、都道府県と都市名を選ばせるという点では、近年の傾向に沿ったものであり、今後とも都道府県と都市を意識した要点整理の必要性が高まったと言えます。

アとイは「ひっかけ問題」です。アの「東京ディズニーランド」は「東京」と言いつつ東京都にはなくて実は?千葉県浦安市にあり、イの「ヤマハリゾートつま恋」は群馬県嬬恋村ではなく?静岡県掛川市にあります。

ウとエは昔から有名な観光施設で、行かれたことのある人も多いでしょう。ウの「ハウステンボス」は?長崎県佐世保市(マラソンセミナーでやりましたよ!)、エの「博物館明治村」は?愛知県犬山市にあります。

オの「旭山動物園」(正解=?北海道旭川市)は「動物本来の姿が見られる動物園」として近年人気を呼ぶ動物園で、2006年8月には「チンパンジーの森」が登場して話題になりました。

◆大問4
多くの方が異口同音に難しかったとおっしゃっていた温泉に関する問題です。確かにどれもこれまで一度も出題されたことのない温泉であり、正直申し上げて私も全く出題を予想していませんでした。よほどの温泉好きか地理に詳しい人でなければ、この問題はほとんど正解できなかったかもしれません。とすると、ひるがえって考えてみるに、この問題で差がつくことは逆にないと言えるのです。まずそのように前向きに考えていただきたいと思います。

しかし冷静に考えてみれば、A群の中の?有馬温泉(兵庫県)?川湯温泉(北海道)?城崎温泉(兵庫県)?定山渓温泉(北海道)?湯の川温泉(北海道)は有名ですし、?の黒川温泉(熊本県)は今人気の温泉として一度ハローの模擬試験に出たことがあります。また、?の「いわき湯本温泉」は、「いわき」という名前から福島県であることは容易に推測できたはずで、このように推測や消去法を何とか駆使すれば、a=?湯の川温泉、c=?いわき湯本温泉、e=?黒川温泉の3つのうちいずれかは正解していただけたのではないでしょうか。

残るbは?秋保(あきう)温泉、dは?温泉津(ゆのつ)温泉が正解です。これは難しいですよね。

次にB群からそれぞれの温泉の特色を選ぶ問題ですが、わかりやすいものから順番に片付けていくと、?は城崎温泉、?は定山渓温泉、?は川湯温泉で、地図上にはありませんから消去できます。次に、?の「人口約30万人の港湾都市」とは函館のことであると気づけば、そこにある温泉とは地図上のa(湯の川温泉)であることがわかります。

また?は、「日本書紀」から「日本三古湯」(有馬・道後・白浜)の一つであることを想起し、そのうち「大都市圏からの利便性」に注目すれば有馬温泉に行き着きますが、地図にないため除外対象です。?は温泉の名前はわからなくても「石見銀山に近い港町」から地図上のdであることはわかります。こうして温泉の名前と地図上の位置の両方ともはわからなくても、片方だけでも答えられるわけです。そして、さらに「港町」という重要な手がかりを見逃さず、A群の温泉名を目を皿のようにして見ていって、「温泉津温泉」・・・「温泉津」・・・「津」の一文字に目が止まればそれが正解です。

このように推測と消去法と、そして最後は強靱な粘りで問題に喰らいつけば、20点全滅ということは防げたと思うのですが、いかがでしょう?十分ネバり切ることなく、「こんな問題出しやがって!」と頭に血がのぼって投げ出した人はいませんか?

B群の残りは?・?・?・?ですが、?は地図上のc(いわき湯本温泉)、?は鹿教湯(かけゆ)温泉(長野県)ですが、これは地図にはありません。?は地図上のe(黒川温泉)、?は地図上のb(秋保温泉)です。

◆大問5
日本の文化に関する問題。A=?結城紬、B=?柿の葉ずし、C=?卓袱料理は勉強された方には比較的容易ですが、DとEは難しい問題です。Dの問題で、西日本では牛肉、東日本では豚肉の消費が多いということを果たして何人の人がご存じだったでしょう(正解=?牛肉)。ただEでは、東北地方(特に南部地方)が昔から良質の馬の産地であることを思い起こすことが出来れば、馬小屋の突出部を持つ?の「曲家」(L字型の家)が正解であることに思い当たったかもしれません。

◆大問6
都道府県の自然と農業の特色について述べた文章から地図中の都道府県を選ぶ問題です。このように何らかの説明やキーワードから都道府県を選ばせる出題方法は近年の明らかな出題傾向であり、それを意識して学習されてきた方にとっては標準的な、むしろ容易な問題だったことでしょう。(マラソンセミナーを受講していただいた方は5問とも正解できたはずですよ!!)。

?では「なす」、「火山灰」、「ブロイラー」の3語から宮崎県(地図J)とわかります。?では「内陸性の気候」、「かつては養蚕が盛ん」、「工芸作物」(下仁田のコンニャクイモのことです!!)、そして「キャベツ・はくさい」などの歯ざわりの良い高原野菜と来れば、群馬県(地図C)ですね。?では「水資源も豊か」、「標高の高い山地」、「チューリップの球根」で富山県(地図D)。?では「日射量の多さ」、「茶・温州みかん」、「いちご」から静岡県(地図E)。?では「ほぼ中央部に広がる平野」・「ひとめぼれ」から宮城県を連想しますが、「明治中期につくられた日本でも歴史の古い大規模な牧場」が、岩手県にある明治24年開設の「小岩井農場」と思われること、それから、地図を見ると宮城県は選択肢になく、岩手県(地図A)しかないことからそれを正解とします。

以上、大問別にコメントしてきましたが、全体を通じての今年の傾向と来年度に向けた基本的な対策を述べると以下の通りです。

1. 観光地理を中心としつつも、川・平野・台地の名前を問う問題や都市の産業を問う問題など、総合的な出題傾向が今年も確認できた。
⇒(対策)山・川・海・湖・平野・盆地などの基本的名称と、さまざまな都市の産業を問う問題(要するに中学校や高等学校の地理の教科書に載っている内容)は今後とも出題されると考えられる。
2. 自然にせよ観光にせよ産業にせよ、それらに関する文章やキーワードから都道府県や都市を選ばせる問題が今年も多く出た。
⇒(対策)都道府県と都市を常に意識するとともに、ハローの「地図帳」や「都道府県別地図帳」を常に手元に置いて自然景観・観光資源・産業拠点などの位置を丁寧に確認しながら学習を進める必要がある。
3. 観光施設の所在地と温泉の名前と位置を問う問題が出たが、それが今後も毎年続くとは言い切れない。まして、今年の温泉の問題ほど難易度の高い問題がこれからも続けて出題されるとは考えにくい。
⇒(対策)いたずらにマイナーな観光施設や温泉まで勉強する必要はない。基本的な内容を押さえておきさえすれば、消去法と粘り強い推測で何問かは必ず正解が可能である。
4. 国立公園については毎年出題されることが今年も実証された。しかも同じものがくり返し出題される傾向がある。
⇒(対策)頻出の国立公園を中心に主要な観光ポイントを押さえる。今年出題されたもの以外に過去5回以上出題されている国立公園は、日光国立公園(9回)、大山隠岐国立公園(7回)、吉野熊野国立公園(5回)である。また、2007年8月1日には「西表国立公園」に石垣島と周辺海域の一部が編入されて「西表石垣国立公園」と名称変更され、8月30日には日光国立公園から独立して「尾瀬国立公園」が新たに誕生するという改変が行われた。ガイド試験に常連の国立公園に加え、この2つは来年度特に要注意である。

日本地理問題解答
1. ? 2. ? 3. ? 4. ? 5. ? 6. ? 7. ? 8. ? 9. ? 10. ? 11. ? 12. ? 13. ? 14. ? 15. ? 16. ? 17. ? 18. ? 19. ? 20. ? 21. ? 22. ? 23. ? 24. ? 25. ? 26. ? 27. ? 28. ? 29. ? 30. ? 31. ? 32. ? 33. ? 34. ? 35. ? 36. J 37. C 38. D 39. E 40. A

以上 

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