しかもワンコイン
「天国と地獄」14:00〜
何度観てもいろいろな思いが交差し、また色んな発見があります
おめでとうございます
せっかくなので映画毎に独立してトピックを立てませんか？
と言うことで、この映画です。皆さんの御意見をお聞かせ下さい。
個人的には特急こだま号内でのシーンが印象的です。それまで
カメラはほとんど権藤邸の中だったのが、一気に外に出て激しい
動きの連続となります。その「静」と「動」の対比がこのシーンを
より緊迫したものにしていて見事です。実はこのシーン、ボースン
役(ハゲのデカ長)の石山健二郎が緊張のあまり舞い上がってしまっ
て、身代金の入ったカバンの受け渡し(洗面所からの投げ捨て)場所
である酒匂川につく前に全ての演技を終えてしまったそうです。リ
ハーサルは車庫に停車中のこだま号を使って済ませたそうですが、
本番は(当時の)国鉄のダイヤに割り込んだ形の撮影なので一発勝
負。やり直しがきかない中でのこの大失敗。助監督は真っ青にな
り、黒澤監督も撮り直しを覚悟したそうですが、編集作業で見事乗
り切ったそうです(報知新聞社刊「映画を愛した二人 - 黒澤明/三
船敏郎」より)。
と言うことで、この映画です。皆さんの御意見をお聞かせ下さい。
個人的には特急こだま号内でのシーンが印象的です。それまで
カメラはほとんど権藤邸の中だったのが、一気に外に出て激しい
動きの連続となります。その「静」と「動」の対比がこのシーンを
より緊迫したものにしていて見事です。実はこのシーン、ボースン
役(ハゲのデカ長)の石山健二郎が緊張のあまり舞い上がってしまっ
て、身代金の入ったカバンの受け渡し(洗面所からの投げ捨て)場所
である酒匂川につく前に全ての演技を終えてしまったそうです。リ
ハーサルは車庫に停車中のこだま号を使って済ませたそうですが、
本番は(当時の)国鉄のダイヤに割り込んだ形の撮影なので一発勝
負。やり直しがきかない中でのこの大失敗。助監督は真っ青にな
り、黒澤監督も撮り直しを覚悟したそうですが、編集作業で見事乗
り切ったそうです(報知新聞社刊「映画を愛した二人 - 黒澤明/三
船敏郎」より)。
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コメント(110)
＞ほたぴーサン
>午後しばらくは頭の中をそのことがめぐり
>仕事になりませんでした。爆
やっぱファンとしてはそうですよね（笑）。
>「地獄」とよばれたエリアにもみっちりマンションが建っています
へぇ〜、やっぱ時代が変わればそうなっていくんでしょうねぇ。
>電話ボックスがうだっているというネタもきついかと。
>場所が小樽ですし
まぁ電話ボックスのことに関しては別のことでも表現出来るかもしれませんが
（あれ？出来るか？）、
場所が「小樽」ってのは確かに 気候的に今ひとつですねぇ。
私も最初そのニュースを見て、場所が小樽だと聞いたときから
なんか違和感を感じてたんですが、
それですね。個人的にようやく納得出来ました。
小樽だと「夏は暑くて眠れない」ってのが今イチ実感に乏しいですよね。
そのへんはどういう風に表現するんだろう？
そこを上手くやらないとタイトルに意味がなくなる感じがしますね。
それか 今回はそういう環境的なことよりも格差とかって意味での
「天国と地獄」ってことなんでしょうか。
>午後しばらくは頭の中をそのことがめぐり
>仕事になりませんでした。爆
やっぱファンとしてはそうですよね（笑）。
>「地獄」とよばれたエリアにもみっちりマンションが建っています
へぇ〜、やっぱ時代が変わればそうなっていくんでしょうねぇ。
>電話ボックスがうだっているというネタもきついかと。
>場所が小樽ですし
まぁ電話ボックスのことに関しては別のことでも表現出来るかもしれませんが
（あれ？出来るか？）、
場所が「小樽」ってのは確かに 気候的に今ひとつですねぇ。
私も最初そのニュースを見て、場所が小樽だと聞いたときから
なんか違和感を感じてたんですが、
それですね。個人的にようやく納得出来ました。
小樽だと「夏は暑くて眠れない」ってのが今イチ実感に乏しいですよね。
そのへんはどういう風に表現するんだろう？
そこを上手くやらないとタイトルに意味がなくなる感じがしますね。
それか 今回はそういう環境的なことよりも格差とかって意味での
「天国と地獄」ってことなんでしょうか。
『用心棒』トピックの168で話題になった捜査会議のシーンについて。
＞くまＰＵサン
>何か大きな報告があるたびに、捜査員のほぼ全員が
>ダッと立ち上がるんですよね
そうですね。
で「立ち上がる」っていうのは「大きな報告」のときで、
「ＭＡＸ」の反応だと思いますが、
この作品では立ち上がらない部分でも
刑事達の絶妙な反応が見られますよね。
でその前に、前回あたりに言った「映画的な説明」
の話をすると、
捜査会議の途中、犯人が使った車の話のとき
二人の刑事が捜査の経過を報告しますが、
このとき途中で
「その中に、灰色のクラウンは一台きりです」ってことを言いますよね。
で、私がスゴいと思ったのはそのあと。
次は
「で、 それは、 誘拐事件の前日に盗まれています」
ってセリフですが、でも、その二つのセリフの間に
（つまり「一台きりです」って言ったあと）、
報告してる側の刑事がちょとだけ隣の刑事の方を向いて
ちょっとした確認みたいな仕草をするんですよね。
でそのあとに「前日に盗まれている」っていう重大な事を言う。
普通だったらその二つのセリフは続けて言うと思うんですよね。
もちろん、それはそれで悪くはないと思います。
でも、途中で一旦 間を置き、仕切り直して
改めてセリフを言うと（途中の間があるから）
みんな集中出来るからそのセリフがより強調されて
印象強くなるんですよね。
このときのちょっとした確認の仕草っていうのは
ものスゴく自然で 一見なんでもないようですけど、
でもそのあとに言うセリフの重大さを踏まえると、
実はものスゴく重要な動きだと思います
（この場面は何度見ても唸ってしまう）。
＞くまＰＵサン
>何か大きな報告があるたびに、捜査員のほぼ全員が
>ダッと立ち上がるんですよね
そうですね。
で「立ち上がる」っていうのは「大きな報告」のときで、
「ＭＡＸ」の反応だと思いますが、
この作品では立ち上がらない部分でも
刑事達の絶妙な反応が見られますよね。
でその前に、前回あたりに言った「映画的な説明」
の話をすると、
捜査会議の途中、犯人が使った車の話のとき
二人の刑事が捜査の経過を報告しますが、
このとき途中で
「その中に、灰色のクラウンは一台きりです」ってことを言いますよね。
で、私がスゴいと思ったのはそのあと。
次は
「で、 それは、 誘拐事件の前日に盗まれています」
ってセリフですが、でも、その二つのセリフの間に
（つまり「一台きりです」って言ったあと）、
報告してる側の刑事がちょとだけ隣の刑事の方を向いて
ちょっとした確認みたいな仕草をするんですよね。
でそのあとに「前日に盗まれている」っていう重大な事を言う。
普通だったらその二つのセリフは続けて言うと思うんですよね。
もちろん、それはそれで悪くはないと思います。
でも、途中で一旦 間を置き、仕切り直して
改めてセリフを言うと（途中の間があるから）
みんな集中出来るからそのセリフがより強調されて
印象強くなるんですよね。
このときのちょっとした確認の仕草っていうのは
ものスゴく自然で 一見なんでもないようですけど、
でもそのあとに言うセリフの重大さを踏まえると、
実はものスゴく重要な動きだと思います
（この場面は何度見ても唸ってしまう）。
続き
で話を戻して周りの反応の話ですが、
その「前日に盗まれています」のセリフのあとがまたスゴいですよね。
これはこのトピックの１９にも書きましたけど、
あの捜査会議のシーンは
雑多な感じが みんなで会議して話し合ってるって感じで
雰囲気を高めてるし、いかにも「捜査会議」って感じでイイと思います。
が、映画的に見るとまた別の良さもありますよね。
あのシーンではたくさんの刑事達が偉いサンを取り囲むように座ってる。
つまり全体がほぼ「円」になってる、ってことですよね。
「円」になってるってことはどういうことかというと、
（真上 真下を除き）どの角度から撮っても人の顔が見える
ってことですよね。
だから普通の映画やドラマの捜査会議のシーンでは
正面とか あとはせいぜい横くらいしか写す角度がありませんが、
でも『天国と地獄』の捜査会議では
ありとあらゆる角度から撮れるんですよね。
どの角度から撮ってもちゃんと人の顔が写る。
ので、その分 映像のバリエーションが増えて
常に変化に富んでるので より飽きずに集中出来るんだと思います。
さらに、「円形」ってことは立ってる人が正面を向いてるとしたら
それを聞いてる画面手前側に座ってる人は背中を向けてる
ってことですよね。
だから刑事が立って報告する場面ではどの場合でも
「正面を向いて立って報告する人」と
「背中を向けて座って報告を聞いてる人」
っていうのがハッキリと区別されてて、
背中を向けてる人と観客が同化しやすくなって
より話（報告）に集中しやすくなってると思います
（報告を聞く刑事達のリアクションは
観客の気持ちを誘導するものでもありますよね）。
でもってこの場合の照明は、
円の中央から外に向かって って感じで照らされてるので、
円の中心を向いて立って報告する刑事にはちゃんと照明が当たってて、
画面手前で背中を向けてる刑事は逆光で暗くなるんですよね。
なのでより一層「立って報告する側」と「座って聞く側」が
クッキリと分けられてて見やすくなってますよね（イラスト参照）。
で話を戻して周りの反応の話ですが、
その「前日に盗まれています」のセリフのあとがまたスゴいですよね。
これはこのトピックの１９にも書きましたけど、
あの捜査会議のシーンは
雑多な感じが みんなで会議して話し合ってるって感じで
雰囲気を高めてるし、いかにも「捜査会議」って感じでイイと思います。
が、映画的に見るとまた別の良さもありますよね。
あのシーンではたくさんの刑事達が偉いサンを取り囲むように座ってる。
つまり全体がほぼ「円」になってる、ってことですよね。
「円」になってるってことはどういうことかというと、
（真上 真下を除き）どの角度から撮っても人の顔が見える
ってことですよね。
だから普通の映画やドラマの捜査会議のシーンでは
正面とか あとはせいぜい横くらいしか写す角度がありませんが、
でも『天国と地獄』の捜査会議では
ありとあらゆる角度から撮れるんですよね。
どの角度から撮ってもちゃんと人の顔が写る。
ので、その分 映像のバリエーションが増えて
常に変化に富んでるので より飽きずに集中出来るんだと思います。
さらに、「円形」ってことは立ってる人が正面を向いてるとしたら
それを聞いてる画面手前側に座ってる人は背中を向けてる
ってことですよね。
だから刑事が立って報告する場面ではどの場合でも
「正面を向いて立って報告する人」と
「背中を向けて座って報告を聞いてる人」
っていうのがハッキリと区別されてて、
背中を向けてる人と観客が同化しやすくなって
より話（報告）に集中しやすくなってると思います
（報告を聞く刑事達のリアクションは
観客の気持ちを誘導するものでもありますよね）。
でもってこの場合の照明は、
円の中央から外に向かって って感じで照らされてるので、
円の中心を向いて立って報告する刑事にはちゃんと照明が当たってて、
画面手前で背中を向けてる刑事は逆光で暗くなるんですよね。
なのでより一層「立って報告する側」と「座って聞く側」が
クッキリと分けられてて見やすくなってますよね（イラスト参照）。
続き
ってことで配置の話はそれくらいにして（長いな（笑））、
周りの反応の話ですが、
前述の「盗まれています」ってセリフのあと、
周りの刑事達は驚いてざわめくわけですが、
この場面で何が素晴らしいかといって、たくさんの刑事が
ノート等を団扇代わりにしてる ってことだと個人的には思います。
他のシーンでもみんなそれぞれにパタパタやってますが、
それがまたいかにも「捜査会議」っていう雰囲気を盛り上げてますけど、
「盗まれた」っていうセリフのあとは
そのそれぞれのパタパタが一斉にピタっ！！！と止まるんですよね。
例えば立ち上がるっていう動作は
今までなかったところに体が移動するっていう
「動」の部分で効果があると思いますが、
この場合は 今まで適当に動いて日常的に見えた物が
突然一斉にピタ！っと止まるっていう
「静」の部分で効果があるわけですよね。
ビックリして「ワぁ！」って驚くっていうリアクションは
大抵の人が思いつくと思いますけど、
でも黒澤サンの場合は逆に一斉に動きを止める
ってことで緊張感を表現してるわけですよね。
で、一瞬の停止のあと、みんなお互いに顔を見合わせて
ザワザワザワ…！ってなる。
ここは普通に最初からザワザワ…！してもいいと思いますが、
でもその前に動きがピタ！っと止まるっていう動作があると
より緊張感が高まると思います。
んで、ここも前述のように円形に座ってるから
いろんな場所でそれぞれにザワザワしてるから
その「ザワザワ感」が普通の映画やドラマよりも
遥かに強調されてるし、その分 観客も緊張するんですよね。
そんな感じで、この場面でもいろんな手法で
お話を盛り上げてるわけですよね。
（地図を使った説明の部分も素晴らしいと思いますけど
長くなってるんでやめます（笑））。
＊説明が分かりやすいように 捜査会議のイラストを
もっぺん載っけさせていただきました
ってことで配置の話はそれくらいにして（長いな（笑））、
周りの反応の話ですが、
前述の「盗まれています」ってセリフのあと、
周りの刑事達は驚いてざわめくわけですが、
この場面で何が素晴らしいかといって、たくさんの刑事が
ノート等を団扇代わりにしてる ってことだと個人的には思います。
他のシーンでもみんなそれぞれにパタパタやってますが、
それがまたいかにも「捜査会議」っていう雰囲気を盛り上げてますけど、
「盗まれた」っていうセリフのあとは
そのそれぞれのパタパタが一斉にピタっ！！！と止まるんですよね。
例えば立ち上がるっていう動作は
今までなかったところに体が移動するっていう
「動」の部分で効果があると思いますが、
この場合は 今まで適当に動いて日常的に見えた物が
突然一斉にピタ！っと止まるっていう
「静」の部分で効果があるわけですよね。
ビックリして「ワぁ！」って驚くっていうリアクションは
大抵の人が思いつくと思いますけど、
でも黒澤サンの場合は逆に一斉に動きを止める
ってことで緊張感を表現してるわけですよね。
で、一瞬の停止のあと、みんなお互いに顔を見合わせて
ザワザワザワ…！ってなる。
ここは普通に最初からザワザワ…！してもいいと思いますが、
でもその前に動きがピタ！っと止まるっていう動作があると
より緊張感が高まると思います。
んで、ここも前述のように円形に座ってるから
いろんな場所でそれぞれにザワザワしてるから
その「ザワザワ感」が普通の映画やドラマよりも
遥かに強調されてるし、その分 観客も緊張するんですよね。
そんな感じで、この場面でもいろんな手法で
お話を盛り上げてるわけですよね。
（地図を使った説明の部分も素晴らしいと思いますけど
長くなってるんでやめます（笑））。
＊説明が分かりやすいように 捜査会議のイラストを
もっぺん載っけさせていただきました
＞くまＰＵサン
『生きる』のあの場面は私も最初観て、
主人公と同じ感じでちょっとビックリしました。
あの場面って、街の雑踏の音がないっていうのは
ホントはおかしいと思いますけど、
でも完全に主人公の気持ちに同化してるから
音が無い方が自然に感じるんですよね。
で、「ハっ…！」と気付くと街の雑踏の音が…
って感じで我に返る。
黒澤作品ってそういう感じで
人間の心理や心情や生理等々をホントに上手く映画で表してますよね〜。
だからお話の面白さ以上に物語に引き込まれていくんだと思います。
例えば『天国と地獄』では、
最初は「大丈夫ですよ」って言ってた運転手が、
電話で息子の声を聞いて どうしても助けたい！って思って
権藤に「身代金を出してくれ」って懇願する場面がありますけど、
あのとき主人公はいたたまれなくなって
窓際で右往左往しながら苦悩しますよね。
あの場面って、権藤は部屋の中央あたり（画面 向かって左側）
にいるけど、運転手に頼まれると立ち上がって
わざわざ画面の右側の窓際まで行ってそこを歩くわけですが、
ここはまず「部屋の隅」ってのがいいですよね。
もちろん、部屋の中央で苦悩してもいいと思いますが、
部屋の隅だと精神的に追い詰められた感が強調されるから
あの場面には最適の場所だと思います
（わざわざ立ち上がって窓際まで行ってるわけだから、
これはその効果を意識しての演出だと個人的には思います）。
それと個人的に、そのときに非常に効果を発揮してるのが
「閉められたカーテン」だと思います。
あのカーテンは権藤が歩くのに合わせて激しく波立ちますよね。
それが 身代金を払いたくても払えないっていう
権藤の心情を表してるようで、
権藤の苦悩がより伝わってくる感じがします。
そうやって、黒澤サンはあらゆる手段を駆使して
脚本の内容（この場合は人物の心情）を
より具現的に表現してるわけですよね。
ホントに素晴らしいと思います。
『生きる』のあの場面は私も最初観て、
主人公と同じ感じでちょっとビックリしました。
あの場面って、街の雑踏の音がないっていうのは
ホントはおかしいと思いますけど、
でも完全に主人公の気持ちに同化してるから
音が無い方が自然に感じるんですよね。
で、「ハっ…！」と気付くと街の雑踏の音が…
って感じで我に返る。
黒澤作品ってそういう感じで
人間の心理や心情や生理等々をホントに上手く映画で表してますよね〜。
だからお話の面白さ以上に物語に引き込まれていくんだと思います。
例えば『天国と地獄』では、
最初は「大丈夫ですよ」って言ってた運転手が、
電話で息子の声を聞いて どうしても助けたい！って思って
権藤に「身代金を出してくれ」って懇願する場面がありますけど、
あのとき主人公はいたたまれなくなって
窓際で右往左往しながら苦悩しますよね。
あの場面って、権藤は部屋の中央あたり（画面 向かって左側）
にいるけど、運転手に頼まれると立ち上がって
わざわざ画面の右側の窓際まで行ってそこを歩くわけですが、
ここはまず「部屋の隅」ってのがいいですよね。
もちろん、部屋の中央で苦悩してもいいと思いますが、
部屋の隅だと精神的に追い詰められた感が強調されるから
あの場面には最適の場所だと思います
（わざわざ立ち上がって窓際まで行ってるわけだから、
これはその効果を意識しての演出だと個人的には思います）。
それと個人的に、そのときに非常に効果を発揮してるのが
「閉められたカーテン」だと思います。
あのカーテンは権藤が歩くのに合わせて激しく波立ちますよね。
それが 身代金を払いたくても払えないっていう
権藤の心情を表してるようで、
権藤の苦悩がより伝わってくる感じがします。
そうやって、黒澤サンはあらゆる手段を駆使して
脚本の内容（この場合は人物の心情）を
より具現的に表現してるわけですよね。
ホントに素晴らしいと思います。
初めまして。滋賀会館で黒澤明の映画を再演してて『天国と地獄』を見てきました。
感想は皆さんおっしゃっている通り、すごいものです。
その演技やストーリー、見せ方、客の気持ちのつかみ方などなど。
でも一番唸ったのは、いろんな人間の感情や思惑を映画に詰め込んだこと。どれもが人間味溢れている。昨今のドラマのように売れる為の作られた人間像でなくて、生の人間を映画に出そうとしている黒澤さんの姿勢にとても興味を持ちました。
本当に今見ても全然色あせてません。
実は今日暇で、OTUS7で『ダイハード』か『トランスフォーマー』でも見るかと思って映画館調べてたら、偶然この映画やってることに出会えまして。。
正直、金目的の映画を見るのにうんざり気味だったので、今日の黒澤映画はとてもいい刺激になりました。
最後に気になったのですが、、、
どうして黒澤さんはあの映画を作ったんでしょうか。
どうして黒澤さんはあの時、あの映画を撮ろうと思ったのでしょうか。
どうしてあの映画になったんでしょうか。
黒澤さんが何を意図してあれを作ったのかをずっと考えてました。
逆に言えば、それだけ価値のある映画でした。
（今までは「見たら終わり」の映画ばっかりだったので）
映画を通して感じた黒澤明は、映画を通して「思考」を続ける方でした。映画を撮る時、始めから終わりまで完璧に世界や話を構築するのでなく、作りながら思考をしているような、そんな印象を受けます。
あとあの方は目の前の社会や世相にとても関心があるように思えます。あの方は「今」の時代の流れや心の在り様を自分なりに理解し、思考し、何かを哲学されているような気がします。
すいません、アニメ監督になっちゃうんですが、押井守という映画監督がおられます。この方は自分の世界をどんどん掘り下げていくタイプなんですが、黒澤さんは目の前にあるものをどんどん掘り下げていくタイプなのかなと思いました。
最後に、映画をみて、、
なんというか、今自分が暮らしている世界をもっとリアルで感じなければならないな、という変な感想を持ってしまいました。
なんというか今、自分の目の前のことを遠ざけてばかりいるような気がするので、映画であれほど真に迫る人間像を見せつけられると、自分の非力さ加減を感じてしまうのです。
変な文章で、しかも長文ですいません。以上です。
感想は皆さんおっしゃっている通り、すごいものです。
その演技やストーリー、見せ方、客の気持ちのつかみ方などなど。
でも一番唸ったのは、いろんな人間の感情や思惑を映画に詰め込んだこと。どれもが人間味溢れている。昨今のドラマのように売れる為の作られた人間像でなくて、生の人間を映画に出そうとしている黒澤さんの姿勢にとても興味を持ちました。
本当に今見ても全然色あせてません。
実は今日暇で、OTUS7で『ダイハード』か『トランスフォーマー』でも見るかと思って映画館調べてたら、偶然この映画やってることに出会えまして。。
正直、金目的の映画を見るのにうんざり気味だったので、今日の黒澤映画はとてもいい刺激になりました。
最後に気になったのですが、、、
どうして黒澤さんはあの映画を作ったんでしょうか。
どうして黒澤さんはあの時、あの映画を撮ろうと思ったのでしょうか。
どうしてあの映画になったんでしょうか。
黒澤さんが何を意図してあれを作ったのかをずっと考えてました。
逆に言えば、それだけ価値のある映画でした。
（今までは「見たら終わり」の映画ばっかりだったので）
映画を通して感じた黒澤明は、映画を通して「思考」を続ける方でした。映画を撮る時、始めから終わりまで完璧に世界や話を構築するのでなく、作りながら思考をしているような、そんな印象を受けます。
あとあの方は目の前の社会や世相にとても関心があるように思えます。あの方は「今」の時代の流れや心の在り様を自分なりに理解し、思考し、何かを哲学されているような気がします。
すいません、アニメ監督になっちゃうんですが、押井守という映画監督がおられます。この方は自分の世界をどんどん掘り下げていくタイプなんですが、黒澤さんは目の前にあるものをどんどん掘り下げていくタイプなのかなと思いました。
最後に、映画をみて、、
なんというか、今自分が暮らしている世界をもっとリアルで感じなければならないな、という変な感想を持ってしまいました。
なんというか今、自分の目の前のことを遠ざけてばかりいるような気がするので、映画であれほど真に迫る人間像を見せつけられると、自分の非力さ加減を感じてしまうのです。
変な文章で、しかも長文ですいません。以上です。
＞チャイナさん
>どうして黒澤さんはあの映画を作ったんでしょうか。
>どうして黒澤さんはあの時、あの映画を撮ろうと思ったのでしょうか
>どうしてあの映画になったんでしょうか
ってのは個人的に、単にその当時に原作を読んで、
そのアイデアが面白いと思って それを元に作品を作ろう
ってことだったんじゃなかろうか、と思いました。
黒澤サンが映画を撮るきっかけっていうのは
いろいろ小難しいことを考えててってこともあったのかもしれませんけど
『七人の侍』とか『隠し砦の三悪人』とか『用心棒』とか
『椿三十郎』みたく、
そんなに難しい理由でもない場合もあるわけですよね。
だから個人的には『天国と地獄』を作ったのも最初に述べたように
その当時読んだ原作が気に入って、そのアイデアで
映画を作りたいって思った、ってことなんじゃなかろうか
と思いました。
ホントの理由がそうなのかどうかってのは知りませんけど、
個人的にはあまり気になる、って感じでもないかな〜。
で質問なんですが、
この作品においてチャイナさんがおっしゃるところの
・人間の感情や思惑
・人間味
・売れる為の作られた人間像
・生の人間
っていうのは例えばどういう部分でもって
そう感じられたのでしょうか。
私は黒澤映画に関して１０年以上前から
ずっと知りたい、って思ってることがあって、
それは「黒澤映画は人間が上手く描かれている」
っていう批評に対してなんですが、
私は読解力がないので、どの部分がそうなんだろう？
って感じで全然分かんないんですよね。
もちろん、魅力的な人物がたくさん出てきて面白いとは思うんですが、
でもじゃあ他の監督の作品では上手く描けてない
ってことなんだろうか？
とも思うんですね。
そのあたりの、他の監督の作品との差って意味でも
これはぜひとも伺いたいと思います。
そんで「人間が描けてる」っていうのは
それはお話の作り方って部分なんでしょうか
それとも見せ方の部分なんでしょうか。
仮にお話（脚本）において人間が上手く描かれてるとした場合、
それは必ずしも黒澤サンだけの手柄とは言えないかも
と個人的には思うんですね。
黒澤サンの場合は多くの作品において複数人と脚本を書いてるわけで、
『天国と地獄』では四人で書いてますよね。
だから人間が上手く描けてるとしたら、
それは他の脚本家の手柄って部分もあるんじゃないでしょうか
（例えば『赤ひげ』トピックの２でもちょっと述べた
おとよと長坊の出会いの場面なんかそうだと思いますが）。
で、仮に見せ方的に人間が上手く描かれてるとしたら
例えばどの場面のどういう部分に対して
そう感じられたのでしょうか。
>どうして黒澤さんはあの映画を作ったんでしょうか。
>どうして黒澤さんはあの時、あの映画を撮ろうと思ったのでしょうか
>どうしてあの映画になったんでしょうか
ってのは個人的に、単にその当時に原作を読んで、
そのアイデアが面白いと思って それを元に作品を作ろう
ってことだったんじゃなかろうか、と思いました。
黒澤サンが映画を撮るきっかけっていうのは
いろいろ小難しいことを考えててってこともあったのかもしれませんけど
『七人の侍』とか『隠し砦の三悪人』とか『用心棒』とか
『椿三十郎』みたく、
そんなに難しい理由でもない場合もあるわけですよね。
だから個人的には『天国と地獄』を作ったのも最初に述べたように
その当時読んだ原作が気に入って、そのアイデアで
映画を作りたいって思った、ってことなんじゃなかろうか
と思いました。
ホントの理由がそうなのかどうかってのは知りませんけど、
個人的にはあまり気になる、って感じでもないかな〜。
で質問なんですが、
この作品においてチャイナさんがおっしゃるところの
・人間の感情や思惑
・人間味
・売れる為の作られた人間像
・生の人間
っていうのは例えばどういう部分でもって
そう感じられたのでしょうか。
私は黒澤映画に関して１０年以上前から
ずっと知りたい、って思ってることがあって、
それは「黒澤映画は人間が上手く描かれている」
っていう批評に対してなんですが、
私は読解力がないので、どの部分がそうなんだろう？
って感じで全然分かんないんですよね。
もちろん、魅力的な人物がたくさん出てきて面白いとは思うんですが、
でもじゃあ他の監督の作品では上手く描けてない
ってことなんだろうか？
とも思うんですね。
そのあたりの、他の監督の作品との差って意味でも
これはぜひとも伺いたいと思います。
そんで「人間が描けてる」っていうのは
それはお話の作り方って部分なんでしょうか
それとも見せ方の部分なんでしょうか。
仮にお話（脚本）において人間が上手く描かれてるとした場合、
それは必ずしも黒澤サンだけの手柄とは言えないかも
と個人的には思うんですね。
黒澤サンの場合は多くの作品において複数人と脚本を書いてるわけで、
『天国と地獄』では四人で書いてますよね。
だから人間が上手く描けてるとしたら、
それは他の脚本家の手柄って部分もあるんじゃないでしょうか
（例えば『赤ひげ』トピックの２でもちょっと述べた
おとよと長坊の出会いの場面なんかそうだと思いますが）。
で、仮に見せ方的に人間が上手く描かれてるとしたら
例えばどの場面のどういう部分に対して
そう感じられたのでしょうか。
黒澤映画の好きなところは 主人公が どんな苦境にあっても 立ち向かっていく姿のたくましさです！
生きる もすごく好き映画なんですが あの平凡な市民課長が 死を覚悟してからの 彼の 文字どうり死に物狂いの頑張りが たまらなく素敵に思えました！
で この天国と地獄の 三船敏郎も 身代金を払った事で 実質 無一文になります！
で 元部下の三橋達也が 実権のないお飾りの重役でいいから会社に戻ればと 言いに来るが 三船は こう言います！
お前はまだまだ子供だ 俺は ここからが俺なんだ お前は まだお前が出来ていない！ ん〜 セリフが間違ってるかもしれませんが こんなニュアンスです！ で 三橋は黙って 帰っていきます！
このシーンがすごく好きで 主人公の 強さを感じるし 何事もあろうが その逆境を打ち勝っていくぞっていう監督のメッセージに 弱い僕は 圧倒されます！
最後のシーンで 犯人は 三船のどん底から這い上がろうとしてる言葉を聞いて 一瞬 驚きの表情をします！
彼らは 表裏一体で 気持ち次第で 善にもなれるし 悪にもなれる！
だから 善である主人公を見て 僕らは 黒澤映画から 何かを 人としての何かを学ぶのだと思います！
長々と書きましたが 僕も黒澤ファンの一人です！
生きる もすごく好き映画なんですが あの平凡な市民課長が 死を覚悟してからの 彼の 文字どうり死に物狂いの頑張りが たまらなく素敵に思えました！
で この天国と地獄の 三船敏郎も 身代金を払った事で 実質 無一文になります！
で 元部下の三橋達也が 実権のないお飾りの重役でいいから会社に戻ればと 言いに来るが 三船は こう言います！
お前はまだまだ子供だ 俺は ここからが俺なんだ お前は まだお前が出来ていない！ ん〜 セリフが間違ってるかもしれませんが こんなニュアンスです！ で 三橋は黙って 帰っていきます！
このシーンがすごく好きで 主人公の 強さを感じるし 何事もあろうが その逆境を打ち勝っていくぞっていう監督のメッセージに 弱い僕は 圧倒されます！
最後のシーンで 犯人は 三船のどん底から這い上がろうとしてる言葉を聞いて 一瞬 驚きの表情をします！
彼らは 表裏一体で 気持ち次第で 善にもなれるし 悪にもなれる！
だから 善である主人公を見て 僕らは 黒澤映画から 何かを 人としての何かを学ぶのだと思います！
長々と書きましたが 僕も黒澤ファンの一人です！
〔黒澤明デジタルアーカイブ〕トピックで紹介されてる
『天国と地獄』の脚本を見て、
運転手の子供が描いた犯人の似顔絵の部分に目が留まりました。
これは脚本に手描きで直接描かれたもの。
でこの場合、犯人の個人的特徴は「手のハンカチ」ではなく
「顔の絆創膏」なんですね。
そのあと、刑事たちが病院に張り込んで
犯人の特徴を確認する場面でも
「手の傷」じゃなくて「顔のホクロ」になってる。
これは生原稿は元より、決定稿でもそうなってる。
映画で見られる「ハンカチ・手の傷」ってのは
どういう意図で、いつ変更になったんでしょうか。
特に変更の理由は演出意図を探る上で
ひじょ〜に興味深いですね〜。
『天国と地獄』の脚本を見て、
運転手の子供が描いた犯人の似顔絵の部分に目が留まりました。
これは脚本に手描きで直接描かれたもの。
でこの場合、犯人の個人的特徴は「手のハンカチ」ではなく
「顔の絆創膏」なんですね。
そのあと、刑事たちが病院に張り込んで
犯人の特徴を確認する場面でも
「手の傷」じゃなくて「顔のホクロ」になってる。
これは生原稿は元より、決定稿でもそうなってる。
映画で見られる「ハンカチ・手の傷」ってのは
どういう意図で、いつ変更になったんでしょうか。
特に変更の理由は演出意図を探る上で
ひじょ〜に興味深いですね〜。
＞ 92：おたかサン
今頃になってコメント返してどうもすいません（笑）。
ホクロよりは手の傷の方が分かりやすいってのは そうでしょうね。
あと一つ、｢額のホクロ｣にすると、
その人物の顔を見る必要がある
ってのも変更された理由かもな と思いました。
｢顔のホクロ（に絆創膏を貼ってる）｣ってる場合、
その人物が現れてすぐに捜査陣も観客も「おや？｣と思うと思います。
でもそれだと展開が簡単過ぎて面白味に欠ける。
でも、｢手の傷（に巻かれた包帯）｣ってことにすると、
映画で見られるように
その手が強調されるような感じにならないとなかなか分かり辛い。
しかもこの場合、顔は見てても一旦は見逃してしまった人物なので
よりショックも大きい っていう効果もあるような気がします。
それともちろんですが、
捜査陣がそれを見て確認するカットでも、
顔をジっと見るのはヘンだけど
階段の手すりに置かれた手（の包帯）を見るのは
別にヘンじゃないし画的にもまとまってますもんね。
今頃になってコメント返してどうもすいません（笑）。
ホクロよりは手の傷の方が分かりやすいってのは そうでしょうね。
あと一つ、｢額のホクロ｣にすると、
その人物の顔を見る必要がある
ってのも変更された理由かもな と思いました。
｢顔のホクロ（に絆創膏を貼ってる）｣ってる場合、
その人物が現れてすぐに捜査陣も観客も「おや？｣と思うと思います。
でもそれだと展開が簡単過ぎて面白味に欠ける。
でも、｢手の傷（に巻かれた包帯）｣ってことにすると、
映画で見られるように
その手が強調されるような感じにならないとなかなか分かり辛い。
しかもこの場合、顔は見てても一旦は見逃してしまった人物なので
よりショックも大きい っていう効果もあるような気がします。
それともちろんですが、
捜査陣がそれを見て確認するカットでも、
顔をジっと見るのはヘンだけど
階段の手すりに置かれた手（の包帯）を見るのは
別にヘンじゃないし画的にもまとまってますもんね。
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